相続 税金

相続の手続きで申告期限があるものとは?

更新日:

 

相続の手続きには申告期限のあるものが多く存在します。
その中には期限を守らないとペナルティが課されるものもあります。

申告の遅れによる相続分の減少を防ぐためにそれぞれの手続きの期限を確認し、着実に相続ができるようにしましょう。

相続で申告期限が決められているものとは

下の図の通りに申告期限決められています。
以下それぞれの手続きに関して詳しく説明していきます。

相続放棄または限定承認

まず相続放棄について説明します。

この制度は一切遺産相続をせずその相続権を放棄することです

財産の相続を放棄する理由は様々ですが被相続人が負っていた借金などの負の財産を相続しないためや、遺産分割のトラブルを回避するためなどが挙げられます。
特に被相続人が負の財産を残して亡くなった場合はこの相続放棄を申告しないと相続人の財産が差し押さえられてしまうこともあります。

次に限定承認について説明します。

先述の通り、被相続人が借金を残して亡くなった場合には負の財産を相続しなければなりません。
この限定承認は財産が遺産の内容を精査して、債権者などへの支払いをしてもあまりがあれば、相続人はその余りの部分を相続することができるという制度です

つまり相続人が不利益を被ることはなく相続することが可能となる制度ということができます。

もう一点相続放棄との違いがあり、それは相続放棄が相続人個人単位で利用できる制度対して、限定承認は相続人全員の合意に基づいて行われるということです。
相続人Aは限定承認で、相続人Bは単純相続とはできないので注意が必要です。

 

制度内容の説明を終えたところでこの二つの制度の申告期限ですが、相続放棄、限定承認ともに相続開始から3か月以内に家庭裁判所に申告しなければなりません。

このとき「相続開始」とは被相続人の死亡をもって起点とされます
なお、この期限内に申告を行わなかった場合単純承認となります。

 

被相続人の準確定申告

準確定申告とは被相続人が所得税の納税義務があった際に、当人に代わって相続人がその確定申告をしなければならないというものです。
申告すべき対象は死亡した年の1月1日から死亡した日までの所得です。

申告期限は相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内とされています。

相続税の申告・納税

相続で申告すべきもののうち最も関心が高いものは相続税なのではないでしょうか。
相続税の控除や必要書類、計算方法は以下の記事にて説明していますのでご確認ください。

遺産相続の法定相続分について!相続の割合・計算の解説付き
相続手続きで必要な書類について相続別に5分で解説!

今回は期限にフォーカスして説明していきます。
相続税の申告期限は被相続人の死亡した日の翌日から10か月以内と定められています。
基本的に期限内に納めることがよいのですが、様々な事由により現金を集められないこともあるかと思います。
この時に「延納」という制度を利用することができます。ただし利用するには以下の条件を満たす必要があります。

 

(1) 相続税額が10万円を超えること。

(2) 金銭で納付することを困難とする事由があり、かつ、その納付を困難とする金額の範囲内であること。

(3) 延納税額及び利子税の額に相当する担保を提供すること。  ただし、延納税額が100万円以下で、かつ、延納期間が3年以下である場合には担保を提供する必要はありません。

(4) 延納申請に係る相続税の納期限又は納付すべき日(延納申請期限)までに、延納申請書に担保提供関係書類を添付して税務署長に提出すること。

※国税庁資料から引用

 

担保とありますが、国債や所有不動産などが該当します。
また延納すると利子が発生してしまいます。
計算方法は省略しますが、延納はリスクある制度である認識をもったほうが賢明かと思われます。

また延納によっても納税することが困難な事由があるときには、相続税に限っては「物納」をすることができます。
どうしても納めることができない場合には利用することも検討してはいかがでしょうか。

遺留分減殺請求

「遺留分」とはなにか、と聞かれて答えられる方は少ないのではないでしょうか。

例えば自分の親が全く血縁関係のない近所の友人に全財産を相続させるという旨の遺言を残したとしましょう。
民法では法定相続人として配偶者および血縁者が規定されていますが、必ずしもその通りに遺産分与する必要はないので遺言が優先されてしまいます。

したがって子である自分は親から一銭たりとも財産を相続することができないという事態に陥ってしまいます。

そこで「遺留分」という法定相続人に最低限度の相続分を保証するというものが生まれました。これにより部分的ではありますが一程度の相続財産が法定相続人に譲渡されます

さて遺留分とは何か、概要は理解いただけたのではないでしょうか。

次に申告期限のある遺留分減殺請求について説明します。
この請求は簡単に言うと「法定相続人が遺留分を請求すること」を意味します。
対象となる財産授受は遺贈、死因贈与、生前贈与の3つが挙げられます。
これらに該当する贈与があった際に法定相続人は受贈者に対してこの遺留分減殺請求をすることができます。

この請求の申告期限ですが民法1042条で以下の通りに定められています

 

減殺の請求権は、遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間行使しないときは、時効によって消滅する相続開始の時から10年を経過したときも、同様とする。

 

請求権の行使とは具体的な意思表示を起こすことです。
この手段は訴訟や郵便によって受遺者および受贈者に請求の存在を知らせることとされています。
相続開始1年以内に意思表示をしたのかはその後のやり取りの中でとても重要となることですので確実に履行することが望ましいといえます。

 

生命保険会社への申告

亡くなった方が生命保険の被保険者である際、死亡保険金を受け取ることができます。
受け取りを指定されている人はその会社に請求する必要があります。

この時の申告期限が被相続人の死亡を起点として3年以内(簡易保険は5年)とされていますので受け取り忘れないよう注意しましょう。

 

期限外申告によるペナルティ

申告することにより相続人が利益を得るものに関しては申告しなかったとしても自己責任として終わるかもしれませんが、納税期限に関してはそうはいきません。

すでに説明した準確定申告と相続税申告は期限内に申告がないと税率が上がっていきます
これを「延滞税」と呼び、期限の最終日から二カ月以内の場合は原則7.3%、それ以降は14.6%の税率で加算されます。

またこれらは申告期限内に期限内に納められない旨を申告した場合であり、税務署に何も申告書せず期限を超えてしまった時には「無申告加算税」を納めなくてはなりません。

納付税額が50万円以下の場合は納付税額に対して15%、納付税額が50万円超の場合は、50万円を超える部分の納付税額に対して20%の税金が課せられます。
申告期限を遵守することの大切さがお分かりいただけたのではないでしょうか。

相続で申告期限のないもの

遺産分割協議

相続人が会議を行ってどのように財産分与をするかまとめたものが遺産分割協議書と呼ばれるものですが、この書類は申告する必要はありません。
ただしどのように相続をするかという計画書でありますので早期にまとめあげる必要は必然的にあるといえます。

相続登記

相続登記がどのような制度かということは先ほど紹介した記事にて説明しています。
相続登記をしなくても罰せられることはありませんが将来を見据えた際にトラブルを回避するために実施すべきと考えられます。

初心者向け資産運用セミナー(参加費無料)

収入・将来の夢、社会の動き、そして幅広い金融商品(投資信託、生命保険、損害保険、不動産、海外投資、アンティーク資産、ヘッジファンド等)のメリットやリスクから、節税、社会保障制度、就業規則にいたるまで、自己の資産形成に必要な幅広い事柄から、あなただけの「賢い資産運用法」を導き出す参加費無料の初心者向け資産運用セミナーを開催しております。

下記より、セミナー一覧ページへジャンプします。

まとめ

相続で申告すべきものは多く、集めなくてはならない書類もたくさんあります。

相続人で協力して、申告すべきものは期限内に提出できるように相続発生前から概要を知っておく必要はあるのではないでしょうか。

関連記事

-相続, 税金
-,

Copyright© 資産運用完全ガイド , 2020 All Rights Reserved.