株式を売るタイミングとは? 株初心者でも実践できる3つのタイミング

株式 売る タイミング

株式取引において株式を売るタイミングは株式を買うタイミングよりも重要です。
何故なら、最終的な損益は株式を売却した際に決定するからです。
では、大きな損をしない為の株式の売却タイミングの見極め方とはどの様なものでしょうか。
この記事ではリスクが低く、確実である株式の売るタイミングについて説明していきます。

目次

株式の長期保有と株式の短期保有

株式を良いタイミングで売るには、株式を保有するおおよその期間をあらかじめ決めておく必要があります。
この株式は長期間保有するのか、短期間で売却するのか、購入の前に決めておきましょう。

株式を正しいタイミングで売却できないケースには購入した際に保有する期間や、どれくらいの金額で売却するのか目標が定まっていない場合が多いです

株式の売るタイミングを見極めるには短期保有を前提とした投資であるか、長期保有を前提とした投資であるかによって大きく異なります。

 

長期保有について

長期保有は基本的に1年以上保有期間を定めず株式を保有することを言います。
基本的に目先の値動きだけで長期保有が前提の株式は売却しません
年単位の保有期間で売却するタイミングを見極め、売却する事になります。

長期保有のメリット

長期保有のメリットは売却による利益だけでなく、保有している期間の間に受け取った配当や株主優待も利益になることです。
また、企業の成長によって配当が増配される事もあり、更に利益が得られる可能性もあります。

二つ目のメリットとしては、長期投資を前提とした投資スタイルであれば、売買の回数は減るので売買手数料が安くなるのも魅力の一つです。

長期保有のデメリット

長期保有のデメリットには、短期保有よりもすぐに利益に繋がらない事があげられます。
1年以上株式を保有する事になるので、その間は株式を発行した企業に資産を拘束される事にも注意が必要です。

二つ目のデメリットには、保有している株式の発行元の企業の経営の悪化、不祥事の発覚、倒産によって大きな損失が出る場合があります。
長期保有をする場合、発行元の企業の信用性を確認しておきましょう。

株式の長期保有が向いている人は、余裕資金が十分にあり、企業に対する分析をしっかり行う人に向いています。
長期投資向けの銘柄の選び方としては、業績が安定している事増配や優待に積極的な企業である事株価が業績に比べて割安である事が基準になります

短期保有について

株式の短期保有は1日から2週間程度、長くても2カ月程度の保有期間で株式を保有する事を言います。
短期保有は1日の値動きを見極めて株式を売却する事を前提にします。
購入も企業の成長性よりも、企業の話題性を元に購入する場合が多いです。

短期保有のメリット

短期保有のメリットは、すぐに利益に繋がる点にあります。
保有期間が1日、場合によっては1時間以内で利益のある売買が成立する事もあります。
また、1度の売買で得られる利益は少ないですが、多くの取引を成立させる事で1日に多くの利益が得られる事もあります。

二つ目のメリットとしては、株式をすぐに売却する為、倒産によって保有している株式の価値が無くなってしまうリスクを負う事も少ないです。

短期保有のデメリット

短期保有のデメリットは、値動きの激しい株式に投資する事になるので、株価が急落した場合、損をする可能性も高いです
売買回数が多くなると言う事は売るタイミングを見極める回数も多くなると言う事なので、リスクも大きくなります

二つ目のデメリットとしては、売買の回数が多くなれば当然売買手数料も高くなります
売買手数料は証券会社によって異なるので、短期保有をする場合は売買手数料の安い証券会社で取引する事が必要になります。

株式の短期保有が向いている人は、企業の話題性や値動きを基に株式を購入する人に向いています。
短期投資向けの銘柄の選び方としては、1日における値動きが激しい銘柄である事、話題性の高い銘柄で取引を行う事があげられます。

株式を初心者が売る時の3つのタイミング

保有している株式が長期保有か短期保有かを明確にした上で、売却するタイミングについて説明していきます。
まず、株式を売るタイミングには多くの基準があります。
しかし、株式を売るタイミングに絶対の正解はありません

ただし、次に説明する3つのタイミングは多くの基準の中でも最も指標になりやすいタイミングとなります。

目標株価に到達した時に売る

目標株価は株式を購入する前に、あらかじめこの価格になったら売却すると定める基準の事です。
株式の長期保有、短期保有、どちらの場合であっても共に指標になりやすい基準となります。

しかし、銘柄の状況によっては目標株価よりも株価が高騰する可能性があると考えられる場合があります。
例えば、800円で購入した株式が目標株価の1,000円に到達したとします。
ところが、株価の高騰が早く、1,200円になるまで待っても良いのではないかと考え、目標株価を1,200円に修正してしまいます。

この時、目標株価になっても売却しない事は初心者が株で陥りやすい失敗の一つです

目標株価の修正後、株価は950円に下がってしまいました。
これを鑑みて、目標株価を1,000円に引き下げたとしても株価はそのまま下がり続けます。
ついには、700円になり、損をしてしまうと言うケースです。

これを避ける為には、最初に定めた1,000円と言う目標株価を変えない事が重要です。
初心者が株を売る際は最初に定めた目標株価に対して忠実に売却する事が重要になります。

しかし、目標株価に到達してからも株価が上がり続けるケースもあります。
仮に売却した銘柄の株価が上がっていた場合でも売却のタイミングとして失敗したわけではありません
何故なら、目標株価に到達した時点で株式を購入する時点で得たいと考えていた利益は既に得ているからです。

売却の理想的なタイミングは購入前に決めておきましょう

損切りするタイミングを決めておく

損切りとは損失が発生している株式の被害を最小限にとどめる為に売却する事です。
株式の短期保有をする場合に必要な売却タイミングになります。

例えば、1,000円で購入した株価が950円、900円と下落してしまいました。
このままではより損失は拡大してしまうかもしれません。
そこで損切のタイミングとして損失が10%になった場合、損切をすると言うルールを決めておきます。

これに従って購入価格が1,000円の株式を損切するのであれば、900円になった時点で売却すれば損失は必ず10%に抑えられると言う事です。

しかし、損切りをした後に上がるかもしれないと考えてしまうと損切が出来ないのも初心者が陥りやすい株式の失敗です。

ここで損切りをしないと最悪、株価は800円、700円、600円と下がってしまい損失は拡大してしまいます。

特に700円や600円になってしまうと売るにも損失が大きすぎて売れず損失を抱えた株式を保有し続ける事になります。

しかし、損切りをした後に株価が上がり、保有していれば利益を得られたにも関わらず、損切りで損を確定させてしまうケースもあります。
短期売買をしていく以上、損失を抱えた株式を保有し続ける事は資産が拘束されてしまうと言う事にもなります。
とにかく売買回数を多くして利益を得る短期売買では、資産の拘束によって新しい株式を購入できる回数が少なくなってしまう事にも繋がるので、数字の損失よりも大きな損失になってしまう場合があります。

短期保有を前提に株式を売買する場合は、損切りをする基準は必ず決めておきましょう

ニュースを参考にして売る

株価に関わるニュースとは、決まった時期に企業から報告される決算報告メディアで報道される不祥事などの事です。
主に長期保有をしている株式を売却するタイミングとなります。

例えば、企業からの決算報告で業績の成長性を確認した上で、購入した企業の業績が悪化した事が分かったとします。
長期保有であれば、業績が良く成長性があると言う事を前提に株式を購入したわけですから、購入した理由がなくなってしまった事になります
株式を購入した理由がなくなったのであれば、1つの売却のタイミングであると言えます。

また、万が一にも保有している株式の発行元の企業の不祥事が発覚したとします。
この場合、株価の暴落、事と次第によっては会社が倒産する可能性もあります。
株式の発行元の企業が倒産してしまうと株式の価値もなくなってしまうので、リスクを避ける為に売却する必要があります

長期投資を前提に株式を売買する場合は、常に保有している株式の発行元の企業のニュースをチェックしておきましょう。

株式投資についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
株式投資とは?株式投資の仕組みと始め方を徹底解説!

株式は決算前に売るべきか?

株式は決算発表後になると値動きが激しくなる場合が多いです。
決算発表の結果によっては、株価が急落してしまうリスクもあります。

株式の売るタイミングとしてはリスクを避ける指標にはなりますが、必ずしも決算発表後に株価が落ちるわけではありません
また、決算発表前に決算発表後の株価の推移を予想する事は非常に難しいです。

何故なら、好決算であっても株価が急落するケースもあるからです
一方、悪い決算内容であっても株価が上昇するケースもあります

長期保有では、このリスクを避ける事は難しいです。
しかし、短期保有である場合、決算発表直前の銘柄を買わない様にする事でリスクを避ける事は出来ます。

決算発表は基本的には年に1回ですが、企業によっては複数回行う場合があります
また、時期としては毎年3月末に行う企業が多いです。
株式を購入する前に決算の時期は何時であるのかしっかりと確認しておきましょう

株式を権利確定日に売る場合

株式を権利確定日に保有していれば、株主優待や配当が貰えます。
権利確定日は月末に設定されている事が多いです。
また、株主の権利を得る為には、権利確定日に株主として株主名簿に載っている事が条件になります。

株式を権利確定日に売却の注文をした場合でも株主優待や配当を受け取る事が出来ます

株式において配当と優待を受け取る為に知っておくべき3つの日付があります。
1つ目は権利付き最終日、2つ目は権利落ち日、3つ目が先ほど説明した権利確定日です。

日付 概要
権利付き最終日 この日までに株式を購入する事で株主の権利を得られる最終日
権利落ち日 この日以降に株式を購入しても次の権利確定日に権利が得られない
権利確定日 株主優待、配当が貰える権利が確定する日

権利付き最終日は、その日までに株式を購入する事で優待や配当を得る事が出来る最終日の事です。
株式の実際の売買は3営業日後に行われています。
必ずしも3日後ではありません。何故なら営業をしていない休日や祝日を挟んでしまう可能性があるからです。

つまり、権利確定日の3営業日前に株式の購入の注文を行えば、権利確定日に株式が購入されるので、権利確定日に株式を保有している事になります。

次に、権利落ち日は、この日以降に株式を購入しても次の権利確定日に優待や配当を得る事が出来ない日付の事です。
権利落ち日は、権利付き最終日の翌日の営業日であり、この日以降に株式を売却する事で株主優待や配当を受け取る事が出来ます。
権利落ち日に売却注文をすれば、3営業日後の権利確定日の翌日に売却する事になるので株主の権利が得られると言うわけです。

実際の売買が3営業日後である事が最も重要な事です。

では、実際にどのタイミングで購入すれば次の権利日に権利が得られて、どのタイミングで売却すれば次の権利日に権利が得られるのでしょうか。
株式を購入する事で次の権利確定日に株主の権利が得られるタイミング
について下記の図を用いて解説します。

株式は権利付き最終日までに購入すれば株主の権利を得る事が出来ます
しかし、権利落ち日以降に購入しても次の権利確定日に株主の権利を得る事が出来ません
よって、権利確定日に株式を購入しても権利を得る事は出来ません

株式を権利確定日前に購入して、配当や株主優待を得たい場合は権利付き最終日以前に購入する様にしましょう

次に、株式を売却しても次の権利確定日に株主の権利が得られるタイミングについて解説します。

株式は権利落ち日以降に売却する事で株主の権利を得る事が出来ます
権利付き最終日以前に売却してしまうと配当や株主優待を受け取れなくなってしまうので注意が必要です
つまり、権利確定日に売却しても株主としての権利を得る事が出来るのです。

改めて、この配当と優待に関する3つの日付の関係を図にまとめると下記の様になります。

株式の売却のタイミングとして、権利落ち日に売却するのも一つのタイミングと言う事になります。
ただし、権利落ち日には売り注文が多くなり、株価も下がりやすいです。

しかし、この仕組みを知っていれば、配当を受け取りながら利益を得る事も可能です
株式の権利確定日について十分に理解をしておきましょう。

配当や優待を得る為にはもう一つ条件があります、その条件についてはこちらの記事をチェックしてください。
株式の単元(売買単位)とは? 単元変更についても詳しく解説!

まとめ

株式の売るタイミングについて理解して頂けたでしょうか。

株式を売るタイミングに絶対の正解はないので、初心者にも分かりやすく確実である売却タイミングについて紹介しました。
まずは、株式を購入する前に短期保有であるか長期保有であるかを決めた上で今回の売却のタイミングを参考にして頂ければと思います。

株式を上手く売買する為には、自分の中にルールを作り、そのルールに従って売買するのが確実です。
最初にしっかりと自分の中にルールを定めて、途中でルールを変えることなく売却を行いましょう。

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