投資信託(投信)をNISAで購入するメリット・デメリット(リスク)とは?

NISAは個人投資家の為の制度で、投資信託や株式から発生する利益が非課税になります
この制度を利用するのに最もおすすめの金融商品は投資信託と言われています。

では、なぜ投資信託がNISAを利用する上で最もおすすめな金融商品なのでしょうか?
この記事では、投資信託をNISAで購入するメリットについて解説していきます。

目次

NISAとは?

NISAは2014年から始まった、金融商品から得られた利益を非課税にする制度です。
この制度は個人投資家の為の税制優遇制度であり、制度を利用すると、NISA口座が開設され、毎年120万円の非課税投資枠を得ることが出来ます。

制度を利用し、NISA口座を開設する条件は20歳以上である事です。
しかし、2016年からジュニアNISA制度が始まった為、20歳未満でもNISAを利用する事が可能です。

ただし、通常のNISAと比較して非課税投資枠は毎年80万円に引き下げられます
また、口座の管理は親権者が行う事になりますが、原則として口座の資格者が18歳以上になるまで引き出す事が出来ない点にも注意が必要です。

NISAで購入できる金融商品

では、具体的にNISAで購入できる金融商品にはどの様なものがあるのでしょうか?
下の図に購入できる金融商品と購入できない金融商品をまとめました。

NISA 金融商品

 

購入できる金融商品には、株式、株式型投資信託、ETFとREITは国内であっても海外であっても購入可能です。
一方、購入できない金融商品には、債券、債券型投資信託、FX(外貨)、金・プラチナが挙げられます。

ここで注意するべき点は、投資信託であっても債券を投資対象とする債券型投資信託の場合はNISAで購入は出来ないと言う事です。
ただし、株式と債券の両方を含む投資信託の場合はNISAの対象になる事があります

NISAを利用する前に購入する予定の金融商品が購入できるかどうか確認しておきましょう。

NISAとつみたてNISAの違い

口座資格者の年齢によって、NISAとジュニアNISAの2つの種類に分かれますが、NISAにはもう一つ種類があります。
それは、2018年から始まったつみたてNISAと言う制度です。

つみたてNISAはNISAよりも少額で長期投資をしたい個人投資家を支援する税制優遇制度です。
非課税枠は毎年40万円が上限ですが、非課税期間はNISAが5年に対して、つみたてNISAは最長20年になります。

また、NISAでは株式やREITなどの金融商品が購入できるのに対して、つみたてNISAは長期で投資がしやすい投資信託とETFに限定され、その中でも金融庁が定めた銘柄のみを購入する事が出来ます

これらの点がNISAとつみたてNISAの大きな違いとなりますが、NISAとつみたてNISAの違いについてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
従来NISAと比較した、つみたてNISA(積立NISA)とは?いつから始まるのか?

NISAは5年、つみたてNISAであれば10年以上かけて投資する事が前提である為、長期投資向けの金融商品を購入するのに向いています。
その為、NISA口座で購入するのにおすすめの金融商品は長期で積み立てやすく分散投資もしやすい投資信託になります。

ここからは投資信託をNISAで購入するメリットについて解説していきます。

投資信託をNISAで購入するメリット

投資信託をNISAで購入する場合、3つのメリットがあります。

  1. 分配金や売却益を非課税で受け取る事が出来る
  2. 少額投資でNISA枠を100円単位で最大限に使える
  3. つみたてNISAで非課税で長期投資が可能

また、投資信託と言う金融商品について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
投資信託(投信)とは?基本的な仕組みを紹介!

分配金や売却益を非課税で受け取る事が出来る

投資信託で発生する利益には、分配金や売却益が挙げられます
NISAで投資信託を購入する場合、これらの利益を非課税で受け取る事が出来ます。

ただし、NISA口座には非課税期間があり、この非課税期間が過ぎてしまうと投資信託は自動的に通常の口座に移動します
通常の口座に移動すると、NISAで購入した投資信託であっても課税の対象になります。

NISAにはロールオーバーと言う制度もあり、ロールオーバーをする事で非課税期間を延長する事も出来ます。
投資信託を保有し続ける場合、非課税期間が終了する前にロールオーバーする事を忘れないようにしましょう

小額投資でNISA枠を最大限に使える

NISAは1年間で120万円、つみたてNISAは1年間で40万円まで投資する事が出来ます。

しかし、株式をNISAで購入する場合、100株辺り安くても1万円から10万円以上の費用が必要であり、NISAの投資枠の額を最大限に使う事が困難です。
株式を購入しようと考えた時、NISAの投資枠が足りずNISAで購入できない事も起こる可能性があります。

投資信託は銘柄によって異なる事もありますが、100円単位で申し込む事が出来る場合が多いです。
つまり、100円単位であれば、NISAの投資枠を最大限に使いやすくなります

例えば、NISAの残りの投資枠が2,500円であった場合、他の金融商品を購入する事は難しいですが、投資信託ならこの残りの投資枠を使い切る事が出来ます

NISA枠を最大限に使える事は、NISAの対象となる金融商品には様々な種類がありますが、その中でも投資信託がおすすめである理由の一つです。

つみたてNISAで長期投資が可能

つみたてNISAは投資信託とETF(上場投資信託)に投資する為の制度です。
その為、長期投資を前提とした投資信託に合わせて、非課税期間は最長で20年になります。

つみたてNISAで1年間に投資できる額は40万円ですが、20年最大限に使った場合の投資額は800万円になります。

NISAで投資信託に投資する場合、自分の1年間の投資額を計算して、つみたてNISA、あるいは通常のNISAを利用した自分に合った投資の計画を立てましょう。

投資信託をNISAで購入するデメリット

一方、投資信託でNISAを購入する場合、デメリットも存在します。
投資信託をNISAで購入するデメリットは2つ挙げられます

  1. 損益通算が出来ない為、損をした時に税金を多く払う場合もある。
  2. つみたてNISAに購入したい投資信託がない事がある。

節税においてメリットの大きいNISAですが、デメリットもある事を認識しておきましょう。

損益通算が出来ない

損益通算とは、株式や投資信託において発生した損失を申告する事で、他の所得金額に対する課税を減らす事が出来ます。
しかし、金融商品をNISAで購入した場合、発生した損失は損益通算の対象にする事は出来ません

NISAで損失を発生させた場合は、結果的に税金を余分に払ってしまう事に繋がる可能性があります

しかし、投資信託は長期投資向けの金融商品であり、仮に一時的に損失を出してしまった場合でも、長期間での投資であれば損失を取り戻し、利益に繋げていく事が出来る場合が多いです。

短期、中期を前提とした株式投資の場合、このリスクは無視できませんが、投資信託においてはこのリスクは軽減されます。

つみたてNISAに購入したい投資信託がない事がある

つみたてNISAの対象の金融商品は投資信託とETFですが、その中でも金融庁が定めた金融商品をつみたてNISAで購入できます
つまり、購入したい投資信託が対象となっていない場合、つみたてNISAで購入する事は出来ません

つみたてNISAで購入したい投資信託がある場合、その銘柄をつみたてNISAで取り扱っているかどうかしっかりと確認しておきましょう。

NISAにおすすめの投資信託の選び方

NISAで購入するのにおすすめの金融商品が投資信託である事は理解していただけたでしょうか?
では、NISAで投資信託を購入する際、おすすめの銘柄の選び方について解説していきます。

NISAは得られる利益が非課税になる為、より利益を得る為には信託報酬と呼ばれる投資信託を運用する上でのコストを抑える必要があります。
つまり、信託報酬の安い投資信託がNISAで購入するのにおすすめの投資信託と言う事です。

しかし、信託報酬の差がどれだけ投資信託の運用成果を変える事になるのでしょうか。
下の図において、信託報酬が0.5%の投資信託Aと信託報酬が2.0%の投資信託を年率3%で500万円をそれぞれ10年間運用した結果を表にしました。

信託報酬が0.5%の投資信託Aであれば、10年後の資産は639万円、信託報酬が2.0%の投資信託Bであれば、10年後の資産は549万円になります。
つまり、1.5%の差で90万円の差が生まれる事になります
信託報酬において、1%の差は運用結果を大きく変えてしまうほど重要です。

結論としては、NISAで投資信託を購入する際は0.1%でも安い投資信託を選ぶ事をおすすめします

つみたてNISAの代表的な投資信託

次につみたてNISAで投資信託を購入する際の知識についてご紹介します。
つみたてNISAで購入できる投資信託は金融庁が定めた銘柄のみであり限られています。

その中でも代表的な3つの投資信託について詳しく説明していきます。

楽天・全米株式インデックスファンド

楽天・全米株式インデックスファンドは楽天投信投資顧問が運用する投資信託です。
CRSP USトータル・マーケット・インデックス(米国株価指数)に連動した投資信託になります。

信託報酬は2019年3月11日現在で、0.1296%であり、つみたてNISAの投資信託の中でも信託報酬が安い銘柄です。
基準価格は10,921円になります。

この投資信託は世界的シェアがナンバーワンである事もあり、人気の高い商品です。

さらに詳しく楽天・全米株式インデックスファンドについて知りたい方は下記のサイトをご参考にして下さい。
楽天・全米株式インデックスファンド- 楽天投信投資顧問

eMAXIS Slim 先進国株式インデックス

eMAXIS Slim 先進国株式インデックスは三菱UFJ国際投信が運用する投資信託です。
MSCI Kokusai Index(日本を除く先進国の株式市場)の値動きに連動します。

信託報酬は2019年3月11日現在で、0.1177%であり、つみたてNISAの投資信託の中でも最も信託報酬が安い銘柄です。
基準価格は11,586円になります。

信託報酬が最も安い銘柄なので、信託報酬の安さで銘柄を選ぶのであればこの投資信託を選択する事になります。

さらに詳しくeMAXIS Slim 先進国株式インデックスについて知りたい方は下記のサイトをご参考にして下さい。
eMAXIS Slim 先進国株式インデックス | eMAXIS

三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド

三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンドは三井住友アセットマネジメントが運用する投資信託です。
TOPIX(東証株価指数)に連動した投資信託になります。

信託報酬は2019年3月11日現在で、0.1728%です。
基準価格は23,974円です。

基準価格が高く、日本株が対象のため、為替リスクがない利点もあります。

さらに詳しく三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンドについて知りたい方は下記のサイトをご参考にして下さい。
概要/三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド - 三井住友アセットマネジメント

代表的なつみたてNISAの対象の投資信託はこの3つの銘柄になります。
信託報酬の安さ、為替リスク、基準価格を参考に、NISAで購入する投資信託を選びましょう。

まとめ

投資における節税の手段であるNISAと、NISAで投資信託を購入する利点について理解していただけたでしょうか?

NISAは個人投資家が長期的な資産形成を行う上で必要な制度です。
この記事を参考にNISA口座を持ちたいと考えた方は証券会社から口座を開設するにあたっての資料を貰い、手続きを行いましょう。

NISAで投資信託を購入するメリットを活かし、より計画的な投資を行っていきましょう。

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