年金積立のおすすめとは?2つの年金積立を徹底的にご紹介します

老後の暮らしを豊かにするために、今からできることはたくさんあります。
その中でも今回は年金積立についてご紹介いたします。

ご紹介する2つの方法は、個人年金保険と、個人型確定拠出年金『iDeCo』です。

この記事を読めば、年金積立をするべきか否か、ご自分で判断する時の手助けになるかもしれません。

 

目次

そもそも年金積立とは

近年老後の生活は、公的年金だけでは賄いきれないとされています。
ですので、老後の日常生活資金の準備やケガと病気への備えとして、年金積立を行うという方が多いです。

年金積立の主な方法として、冒頭でも挙げた『個人年金保険』と、個人型確定拠出年金『iDeCo』を今回ご紹介しますが、これらはどちらも金融機関がそれぞれ提供する金融商品です。

まず初めに、個人年金保険について解説しますが、結論を先に言うと個人年金保険にはリスクが多く存在します。
後述する『iDeCo』のメリットとデメリットを踏まえて、どの商品を利用すべきか、また併用できるのかなど、自分に合った運用方法を検討することが重要です。

個人年金保険とは

ある期間(一般的には60歳)まで保険料を払うと、個人で決めた年齢から一定期間、または一生涯年金を受け取れるという貯蓄型の保険です。
一定期間なのか一生涯なのかという違いによって、以下の3つのタイプに分けられます。

有期年金は比較的長期間、終身年金は一生涯年金を受け取れることからお得のように見えますが、もし年金給付期間に入ってすぐに亡くなってしまった場合、年金がほとんど貰えないなんてこともあります(遺族には一時金が支払われる)。
保証期間付きのものもありますが、かなり高額の保険料を設定されていることが多いです。

確定年金であれば、被保険者の生死にかかわらないので、そういった面で損をするリスクは抑えられるでしょう。

そもそも個人年金保険に入るメリットとは何でしょう。

デメリットとともにメリットをご紹介していきます。

メリット1:確実に貯蓄ができる

将来のためにお金を貯めたいから、銀行口座に毎月1万円預金しよう!と心に決めて、それを定年退職まで続けることはとても難しいことだと思います。
途中で口座から預金を引き出したり、1万円の預金をついさぼってしまったりすることもあるかもしれません。

そこで、個人年金保険を用いることによって、口座から強制的にご自身で設定した額を積み立て、60歳になったら引き出せるようになるので、より確実な将来への資金作りが可能になります。

 

メリット2:税金の支払いが安くなる

累進課税制により働いて稼げば稼ぐほど、所得税は多くなり、同様の条件で住民税も多く払わされてしまいます。

そこで、『個人年金保険料控除』で所得控除を受けることで、税金の支払いを安くすることができます。

個人年金保険料控除とは、所得から個人年金保険の保険料を差し引くことです。
この制度により、所得が課税対象である所得税と住民税の支払いを減額することができます。
いわゆる節税というものです。

どのくらい控除されるかは以下の通りです。

また、個人年金保険料控除は他の所得控除、例えば生命保険や医療保険などとは別枠ですので、これらを組み合わせてより大きな節税効果が得られます。

個人年金保険料控除を受けられる要件として次の4つが挙げられます。
これらを満たしていない場合控除を受けることができないので注意が必要です。

・ 年金の受取人が保険料支払人もしくはその配偶者であること。

・ 年金の受取人が被保険者であること。

・ 保険料払込期間が10年以上であること。

・ 年金の支払開始が60歳以上で、支払期間が10年以上であること。

 

デメリット1:解約すると損してしまう

個人年金保険を契約した後、解約したくなった場合、契約した期間に応じた解約返戻金を受け取ることができます。

しかし、この解約返戻金は多くの場合、支払った保険料を下回ります(原本割れ)。
解約返戻金が100%を上回る、つまり解約したとき得をする時の契約期間はおよそ20年~30年です。

何十年にもわたる長期間契約することを踏まえて、よりお得な個人年金保険と契約するよう考えることが必須です。

長期間契約し続けなければ得をしないということは、裏を返せば、将来への貯蓄を実現する原動力となるはずです。
確実な貯蓄ができるというメリットにもつながります。

 

デメリット2:60歳以前の出費への資金にはできない

個人年金保険で積み立てた年金は、60歳になるまで引き出すことができません。

当然積み立てた年金を60歳以前に発生する様々な出費(住宅購入、養育費など)に充てることはできないので、個人年金保険への加入に際し、計画的に将来のライフプランを考える必要があります。

 

デメリット3:インフレに弱い

前提知識として、現在の日本は超低金利でほぼ0%です。
これ以上金利が下がることはあまり考えられません。

そのような状況の中で、資産運用をするとき、固定金利であるのと変動金利であるのとではどちらが良いかというと、変動金利の方になります。
なぜなら固定金利だと現在の上昇の余地だけを残した限りなく0に近い低金利で固定してしまうことになるからです。

そのことを踏まえて日本でインフレが起きたとしましょう。
個人年金保険は、固定金利の金融商品です(一部変動型もあり)

固定された金利よりも物価の上昇率(インフレ率)の方が高い場合、お金の価値は低下します。
例を挙げると、100万円の個人年金が30年後に利息含めて110万円になったとします。しかし100万円の物が30年後にはインフレのせいで200万円になり、購入できない、ということもあるかもしれません。

節税効果でその不足を補えるかというとそこまでの大金を節税ではカバーできないので、インフレには弱いと言えます。

デメリット4:倒産したら損をする

個人年金保険に加入している保険会社が、もし倒産したら、保険会社の責任準備金の最大9割が返ってきます(責任準備金とは、保険会社が大方予測されるリスクに備えて保険料から積み立てている資金のことを言う)。
自分の支払った保険料や年金自体の9割ではありませんので、ご注意ください。

また、保険契約自体は、生命保険契約者保護機構などにより救済措置が取られるため継続されます

個人年金保険のまとめ

個人年金保険を用いた年金積立のメリット・デメリットをご紹介してきました。

結論として現在個人年金保険に加入するのは、リスクの方が多いと言えます。

おすすめは個人型確定拠出年金『iDeCo』

元々個人型確定拠出年金制度というものはありましたが、2017年より『iDeCo』という名称に変わりました。
制度にも改変があり、対象を広げ公務員や主婦も加入できるようになったことで国民全員が加入可能な制度となりました。

その影響もあって最近よく耳にするようになりました。

なぜ年金積み立てを行う時にiDeCoがおすすめなのでしょう。
それは個人年金保険にはないメリットが存在しているからです。

では具体的にiDeCoとはどのようなものなのでしょうか。

 

iDecoってなに

iDecoとは、毎月一定額を積み立てて(拠出して)、そのお金を掛け金として運用し、掛け金とその運用益の合計額に基づいて年金を受け取れるという制度です。

『拠出→運用→年金受取』という3つの工程について、1つずつ解説していきます。

拠出について

自分で設定した掛け金を拠出し、毎月積み立てていきます。
設定できる金額は、下限は共通して5,000円ですが上限については被保険者の加入区分によって異なります。
加入区分と設定上限額については以下の表の通りです。

※ 企業型DCとは企業型確定拠出年金であり、原則個人型と企業型との併用は認められていますが、企業型の規定で併用可とあれば、可能です。

運用について

掛け金を拠出し、その積み立てたお金で、金融商品を運用していくことで利益を得ます。

その方法は大きく分けて2つあり、元本確保型と元本変動型と呼ばれるものです。

 

投資信託等の運用方法については、別記事を見ていただければと思います。

投資信託(投信)とは?基本的な仕組みを紹介!

年金受取について

60歳以上になると、掛け金と運用で得た利益を基にした年金を受け取れるようになります。
iDeCoの年金を受け取るときに、一定期間分割して受け取るか、一時金として一括で受け取るか、一部を分割し一部を一時金で一括で受け取るという3つの方法があります。

これらには受け取ったお金にかかる控除の種類に違いがあります。

※控除額上限は、加入年数が20年以下の場合「40万×加入年数」、20年超の場合「800万+70万×(加入年数-20)の式で求められる。

 

iDeCoのメリット・デメリット

メリット1 掛け金が全額所得控除

個人年金保険のメリット2でご紹介した節税の話とほぼ同じですが、iDeCoの場合、保険料の多さによる控除額の違いなどは特にありません。

これは非常に大きなメリットです。

あくまで掛け金が全額所得控除になるので、運用結果は影響しません。

分かりやすく節税効果が表れるでしょう。

メリット2 運用利益に税金がかからない

せっかく色々勉強して投資信託の運用に成功したにもかかわらず、利益の一部を税金として持っていかれてしまうのは、不満ですよね。

本来投資信託の売却益および分配金、定期預金の利息などには税金がかかりますが、iDeCo利用の際には運用利益に税金はかかりません。

税金で取られてしまっていたかもしれない分を、運用に回せると考えるとこれもまた大きなメリットと考えることが出来ると思います。

メリット3 年金受取時に様々な形の控除を受けられる

年金受取の際に分割受取なら公的年金控除、一括受取なら退職所得控除を受けられるという話は先ほどご紹介しました。

この制度は個人年金保険には無い、iDeCo特有のものです。
なぜなら個人年金保険の年金は、年金として受け取った場合公的年金控除は受けられず、一時金として受け取った場合一時所得扱いとなり、退職所得控除は受けられないためです。

デメリット1 手数料、維持費がかかる

個人年金保険と違って、iDeCoを始める際口座開設手数料約2,800円と口座維持費約170円がかかります。

しかしこの手数料および維持費は、扱う会社によってまちまちです。
取扱会社の選び方次第では高い料金を払わされることもあるかもしれませんし、得をする場合もあります。

iDeCoは原則中途解約できない長期間付き合うものですので、慎重に選べばこのデメリットは軽減されるでしょう。

どうやって選べばいいの?

いくら勉強しても、資産運用いきなりをするのは不安になるでしょう。
そのため調べて出てきた会社に即決して、窓口の人に任せっきりになってしまっては損をするかもしれません。

ですので、しっかりとしたiDeCo取扱金融機関選びを行わなければなりません。

iDeCoを選ぶときに注意する点は3つあります。

まず運用商品についてです。
投資信託などでの運用を考えているとき、信託報酬はコストとなります。
信託報酬が低く安全なものがあるか、チェックするのがよいでしょう。

次に口座手数料と維持費についてです。
信託報酬同様これらはコストですので、できるだけ抑えられるようにするのが利益を上げるうえで必要になります。

最後に安心感を得られるかです。
iDeCoという制度自体難しい金融用語が多く、分からないことが多くあると思います。
しかし、公的年金だけでは老後の生活が賄いきれないかもしれないというのは、万人に共通して言えることです。
ですので、各金融機関のHPや電話及び店頭での説明を聞いて、わかりやすく客のメリットとリスクを丁寧に解説してくれるかどうかというのも、判断基準として重要だと思います。

まとめ

年金積立方法の主である、個人年金保険とiDeCoの紹介し、違いなどを詳しく紹介してきました。

結果としておすすめなのはiDeCoとなりますが、iDeCoも早期に始めないと大きな利益を得られるか、分かりません。

自分には年金積立が必要だと感じた人、やってみたいと感じた人は、リスクを分かった上で、早いうちから年金積立を行い、豊かな老後の資金を形成しましょう。

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