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所得税の源泉徴収とは?源泉徴収制度について一から解説!

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所得税の基本的な事柄については以下の記事で取り扱っています。
よろしければご参照ください。
所得税とは?所得税の仕組みについてわかりやすく解説します!

仕事をして給料をもらう度に登場する「源泉徴収」。
私たちが生きていく上ではもはや切っても切れない関係にあります。

しかし、その詳細についてしっかりと把握されていますか?
もしかしたら知らないが故に損をしてしまっている、なんてことも。

本記事は源泉徴収の「げ」の字から丁寧に解説し、理解が深まるような構成になっています。

所得税の源泉徴収とは

ここではまず、源泉徴収について基本的な事柄から解説します。

一般に、会社は業務を遂行する際に人を雇い、そして給与を支払います。
そして、会社に限らず個人でも同様なことは起こります。

例えば、ある漫画家が漫画を効率よく描くためにアシスタントを5人雇い、給与を支払うといったような場合です。
このとき、この会社や漫画家は従業員やアシスタントに給与を支払う前に、給与から所得税(2018年現在では復興特別所得税もこれに加算されます)を差し引きます。
そして、その差額を給料として従業員などに与えます。

このように元の給与から所得税などを差し引き、そして最後に国に納める制度のことを源泉徴収制度と言います。
また、元の給与から源泉徴収された所得税のことを源泉所得税といいます。

以下の図で今までの説明をもう一度振り返りましょう。

 

所得税の源泉徴収はいつおこる?

源泉徴収が起こる基本的な場合

先述した通り、雇用主は従業員の元の給与から所得税を差し引きます。
したがって、基本的に源泉徴収は給与を支払う場面に発生します。
しかし、給与などのお金を働いてもらった人に支払う全てのケースが、このような単純な図式で終わるわけではありません。

以下では源泉徴収が発生する場合ついてもう少し掘り下げて説明することにします。

源泉徴収の必要性の有無が問題になるのは、特に源泉徴収義務者が個人の場合です。
以下の場合ですと、源泉徴収義務者は源泉徴収をする必要がありません。

ア)常時、2人以下の家事使用人(例えば、家政婦などが該当します。)だけに給与や退職金を支払っている人

イ)給与や退職金の支払がなく、弁護士報酬などの報酬・料金だけを支払っている人(例えば、給与所得者が確定申告などをするために税理士に報酬を支払っても、源泉徴収をする必要はありません。)

上記のア)、イ)以外の状況では基本的に源泉徴収が発生するということになります。

しかし、源泉徴収をする上でもう一点、問題になるケースがあります。
それは、「報酬、料金」と源泉徴収の関係です。

先ほどご説明した、イ)とも関係があるので次にその説明をすることにします。

 

どのような場合に報酬や料金から源泉徴収をするのか?

プロの小説家を目指すAさん。日々の執筆活動の努力が実を結び、小説コンテストで入選して3万円の賞金を手に入れました。
さてこのような場合、コンテストの主催者はAさんに渡す賞金から所得税を引く必要はあるのでしょうか?
(答えは、その必要はありません。

このように「報酬、料金」と源泉徴収の関係は私たちにとって意外にも身近です。
以下でこのことについて詳しく解説します。

報酬や料金が源泉徴収されるかどうかは、それを受け取る主体が個人法人かで異なります。
この内、受け取る主体が法人である場合、原則的に源泉徴収は必要ありません。

したがってここでは、受け取る主体が個人である場合について簡単に解説します。

〇報酬や料金の支払いを受ける人が個人のとき
以下の場合では、源泉徴収をしなくてはなりません。

α)原稿料や講演料など

※ただし、懸賞応募作品等の入選者に支払う賞金等については、1人に対して1回に支払う金額が5万円以下であれば、源泉徴収をしなくてもよいことになっています。

β)弁護士、公認会計士、司法書士等の特定の資格を持つ人などに支払う報酬・料金

この他にも該当するケースはありますが、一般的に見ると特殊なケースであると思われるため、割愛します。
詳しくはこちらのURLを参照して下さい。

国税庁のホームページ

さて、ここで指摘したい点はβ)です。
一見すると先述したイ)と矛盾するように思えます。
この点についてもう少しだけ説明を加えておこうと思います。

税理士や公認会計士、弁護士の業務に対する報酬や料金は原則として源泉徴収をすることになっています。
ただし、以下の2点の場合においてはこの限りではないとされています。

 

①弁護士等に支払う金銭等であっても、支払者が国等に対し登記、申請をするため本来納付すべきものとされる登録免許税、手数料等に充てるものとして支払われたことが明らかな場合

②通常必要な範囲内の交通費、宿泊費等を支払者が直接、交通機関やホテル等に支払う場合

 

特に①について解説します。
これがイ)を認める事項となっていることが分かります。

すなわち、例えば確定申告などの場合、本来であれば当事者が本来納税額などを計算して、然るべき手続きに移行しなければなりません。

しかし、そういったプロセスが複雑で面倒であるが故に税理士といった特定の資格をもつ人物に業務を委託し、報酬や料金を支払うといった場合も想定できます。

この時、報酬や料金の支払者は源泉徴収をする必要はない、ということになるのです。

所得税の源泉徴収税額を計算する

会社はもちろんのこと、個人であっても従業員に給与を支払う場合は源泉徴収を基本的にしなければなりません。
ここでは、源泉所得税の計算方法を

Ⅰ.給与支払いの場合

Ⅱ.報酬、料金支払いの場合

上記、2点に分けて説明することにします。

 

Ⅰ.給与支払いの場合

恐らく、多くのケースがこちらに該当すると思われます。
給与から源泉徴収を行う場合、まず給与から厚生年金保険料、健康保険料及び雇用保険料などの社会保険料等を控除します。

(給与)-(健康保険料などの社会保険料等)・・・(a)

(a)のようにして求めた金額を国税庁が公表する給与所得の源泉徴収税額表を用いて求めることができるのです。以下の図で説明しますのでご覧ください。

例1)
〇給与(月額)…650,000円
〇社会保険料等…48,000円
〇扶養親族等の数…3人

例2)
給与(月額)…75,000円
社会保険料等…なし

甲欄とは給与所得者の扶養控除等申告書の提出がある時に用いられるもので、一方の乙欄とはその提出がない時に用いられるものです。
※日額表を用いた場合も同様にして源泉徴収税額を求めることが可能です。

Ⅱ.報酬、料金支払いの場合

これまでに、報酬や料金を支払う場合においても源泉徴収をする必要があるケースについて確認してきました。この時、実は給与支払いの場合とは源泉所得税の計算の仕方が異なっているのです。
ここでは、先ほどの説明に合わせて支払いの内容が原稿料や講演料の場合、弁護士や司法書士等の特定資格者に報酬等を支払った場合について説明します。

ⅰ.報酬、料金が原稿料や講演料である、ないし弁護士や税理士等に報酬等を支払う場合

源泉徴収税額は以下のようにして求めることが可能です。

支払金額(A) 源泉徴収税額
100万円以下 A×10.21%
100万円超え (A-100万円)×20.42%+102,100円

例)支払金額が150万円である場合

(150万円-100万円) × 20.42% + 102,100円 = 204,200

以上より、源泉徴収税額は204,200円と求めることができます。

ⅱ.司法書士等(土地家屋調査士、海事代理士も含まれます。)に報酬等を支払う場合

この場合、源泉徴収税額は以下のようにして求めることが可能です。

{(1回の支払金額)-10,000円}×10.21%

例)1回の支払金額が5万円である場合

(50,000 - 10,000) × 10.21% = 40,000 × 10.21% = 4,084

以上より、源泉徴収税額は4,084円と求めることができます。

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まとめ

最後にこの記事で触れた重要な点について、再度図にして確認しましょう。

自らの給料に関わることでもあり、源泉徴収を理解していくことは必須です。皆さんのご理解の一助になれば幸いです。

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