住民税 税金

住民税の均等割と所得割とは?年収と非課税の基準について解説!

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今回の記事は住民税がテーマです。下記に記事のポイントをまとめました。

ポイント

  • 住民税とは?
  • 住民税の均等割、所得割とは?
  • 住民税が免除(非課税)になる場合はどのような時?

これら住民税というトピックの中でも、特に基本となる内容に焦点をあててご説明いたします。

住民税は、所得税と同じように私たちにとって非常に身近な税金です。
しかし、身近であるにも関わらず上記に挙げた疑問は良く見受けられます。

この記事を読み、住民税の基礎事項についてしっかりと理解することが余分な税金を払わなくて済む、そして節税といったテクニックの土台になっていきます。

住民税の基礎事項を理解することを目指し、まずは住民税とはどのような税金であるのかをご説明いたします。

住民税とは?

皆さんの耳に馴染み深い住民税ですが、実は住民税は2種類存在します。

住民税の種類

  1. 法人住民税
    企業などの法人に課せられる住民税です。
    その法人の事業所がある地方自治体に納めます。
  2. 個人住民税
    個人に対して課せられる住民税です。
    一般に私たちが住民税と呼んでいるものは、この個人住民税のことを指します。

以下、この記事を含め当サイトでは個人住民税について解説いたします。

さて、この個人住民税(以下、住民税と呼びます。)ですが以下の2つの税金の総称であることに注意しましょう。

住民税の内訳

  1. 市町村民税(東京都23区等は特別区民税)
  2. 都道府県民税

東京都における住民税の均等割と所得割

ご自身がお住いの都道府県や市区町村ごとに応じて各々、都道府県民税市町村民税が決められています。

例えば、東京都 新宿区にお住まいなら都民税特別区民税が課せられています。

これら2つの税金を総称が住民税です。

このような住民税ですが課税金額の計算方法が、均等割所得割という2つの方法が存在し、これら2つの方法で算出された税額を合計したものが住民税額となります。

均等割と所得割、それぞれに都民税と特別区民税の額や税率が指定されているので東京都在住の方は下記の計算式で税金を支払います。

東京都における住民税

均等割(都民税額+特別区民税額)+所得割(都民税額+特別区民税額)=住民税

次に、これら2つの課税方法について詳しく見ていくことにしましょう。

住民税の均等割と所得割について

先述したように、住民税は均等割所得割という2つの課税金額の計算方法を採用しています。
そして、これら2つの方法で算出した税額を合計したものが住民税額でした。

以下では、それぞれの課税方法に分けて内容や計算方法などをご説明いたします。

個人の均等割について

均等割は「全ての住民一律に、一定額の税金を課す」方法です。

個人住民税の均等割の標準税率は、市町村民税及び特別区民税ですと3,500円、都道府県民税ですと1,500円に設定されています。

したがって、住民税全体としては均等割の標準税率は5,000円ということになります。

※あくまで標準税率なので実際の均等割額は都道府県や市区町村によって異なる可能性があります。

  市町村民税・特別区民税 都道府県民税 均等割額の合計
標準税率 3,500円 1,500円 5,000円

法人の均等割について

法人税は基本的に赤字であれば負担する必要がありませんが、赤字であっても一律に一定の税金が課されるのが法人の均等割です。

法人の均等割も地域によって均等割額が異なることがありますが、東京都を例に法人の均等割をまとめていきます。

法人の均等割は以下の3つの条件によって額が異なります。

法人の均等割の条件

  • 都内の特別区に事務所等を有する法人
  • 都内の市町村に事務所等を有する法人
  • 都内の特別区と都内の市町村に事務所等を有する法人

都内の特別区に事務所等を有する法人

都内の特別区とは東京都の23区のことです。特別区に事務所を有する法人の均等割額を下記にまとめました。

資本金等の額 従業員数 主たる事務所 従たる事務所
1千万円以下 50人以下 7万円 5万円
51人以上 14万円 12万円
1千万円超~1億円以下 50人以下 18万円 13万円
51人以上 20万円 15万円
1億円超~10億円以下 50人以下 29万円 16万円
51人以上 53万円 40万円
10億円超~50億円以下 50人以下 95万円 41万円
51人以上 229万円 175万円
50億円以上 50人以下 121万円 41万円
50人以上 380万円 300万円

主たる事務所とは法人の本拠地のことではありません

特別区に事務所が複数ある場合、2つ目以降の事務所を従たる事務所と呼ぶので、都内の特別区に1つしか事務所がない場合は、本拠地が別の地域にあっても主たる事務所です

公共法人、公益法人の場合は一律して、主たる事務所には7万円、従たる事務所には5万円の均等割が課されます。

都内の市町村に事務所等を有する法人

特別区ではない都内の市町村に事務所がある場合は、道府県分の均等割額を支払う必要があります。

資本金等の額 道府県分
1千万円以下 2万円
1千万円超~1億円以下 5万円
1億円超~10億円以下 13万円
10億円超~50億円以下 54万円
50億円以上 80万円

公共法人、公益法人の場合は、一律に2万円の均等割額が課されます。

都内の特別区と都内の市町村に事務所等を有する法人

都内の市町村に対応する道府県分の均等割額と特別区の均等割額を合算します。

資本金等の額 道府県分 従業員数 特別区分
1千万円以下 2万円 50人以下 5万円
51人以上 12万円
1千万円超~1億円以下 5万円 50人以下 13万円
51人以上 15万円
1億円超~10億円以下 13万円 50人以下 16万円
51人以上 40万円
10億円超~50億円以下 54万円 50人以下 41万円
51人以上 175万円
50億円以上 80万円 50人以下 41万円
50人以上 300万円

公共法人、公益法人の場合は、道府県分の均等割額が2万円、特別区分の均等割額が5万円です。

所得割について

一方、所得割は「各住民の所得に応じて税金を課す」方法です。

所得割額は、課税される年の前年の1月1日から12月31日に得た所得を元に算出されます。
※課税される年の所得を元に計算する所得税と異なっている点が特徴です

所得割額の計算方法について具体的に言いますと、

所得割額 = (所得 - 必要経費 - 所得控除)× 税率 (基本は10%)- 税額控除

という形で計算します。
必要経費や所得控除、税額控除は別の記事で詳しく説明いたします。
今の段階では、必要経費やこれらの控除項目は、概ね所得税の控除と同様と考えていただいて差し支えございません。

さて、所得割の標準税率は、市町村民税及び特別区民税ですと6%、都道府県民税ですと4%に設定されています。
したがって、住民税全体としては所得割の標準税率はこれら2つの税率を足した10%ということになります。
※あくまで標準税率なので実際の所得割額の税率は都道府県や市区町村によって異なる可能性があります。

  市町村民税・特別区民税 都道府県民税
標準税率 6% 4%

 

年収ごとの所得割額

年収ごとの所得割額の目安を確認してみましょう。

年収800万円を例にあげるなら、課税所得金額が467万円の場合、467万×10%=46.7万円の所得割が課されます。

年収 所得割額の目安
500万円 約25万円
600万円 約30万円
700万円 約37万円
800万円 約46万円
900万円 約54万円
1000万円 約63万円

上記はあくまで所得割額の目安です

所得割額の税率や、給与収入に対する課税所得金額、節税制度の利用による税額控除によって所得割は変化します

ここまで、均等割と所得割についてご説明いたしました。

本記事ではこれに加えて、より均等割や所得割について理解していただくために実際の都道府県や市区町村を1つ取り上げてご説明いたします。
今回は兵庫県神戸市を例に挙げて見ていくことにしましょう。

住民税の均等割と所得割が標準税率ではない場合

上記で見てきた例は、住民税の標準税率になりますが、それに当てはまらない市町村もあります。
例えば、標準税率ではない兵庫県神戸市を例にとりながら均等割と所得割、それぞれの場合をご説明いたします。
神戸市:市県民税の計算について

前提

まず、住民税は「市町村民税・特別区民税」「都道府県民税」に分かれていました。

兵庫県神戸市にお住まいであれば兵庫県に納める県民税、神戸市に納める市民税をそれぞれ納めます。
※納税する際は、市町村民税・特別区民税を納める自治体に都道府県民税も併せて納税します。

均等割

兵庫県神戸市在住の場合、均等割額は以下の表のようになっています。

  平成25年度まで 平成26年度から
市民税 3,000円 3,500円
県民税 1,800円 2,300円
合計 4,800円 5,800円

「平成26年度から」という列の金額をご覧になって分かるように、市民税は標準税率と同額になっていますが、県民税が標準税率の1,500円より800円ほど高くなっています。

このように、各都道府県や市区町村で均等割額が標準税率と異なることが多々あります。

また、「平成25年度まで」の列の金額と比較して市民税、県民税とも増加しています。
これは、東日本大震災を教訓として、緊急事態に備えるための事業資金を各自治体が調達するという流れによるものです。

所得割

兵庫県神戸市の所得割について、税率を確認してみましょう。

  市民税 県民税
税率 8% 2%

こちらは市民税、県民税が標準税率の6%、4%とそれぞれ異なってはいるものの、合計の税率が10%であるという点では同じであることが見て取れます。

上記のケースを通して言えることは、

「均等割、所得割とも標準税率が決まっているものの、実際の値は各自治体によって異なることが多々ある。」

ということです。
今一度、ご自身の住民税がどのような均等割額、所得割額になっているのかを確認していただくと良いかと思います。

住民税が免除(非課税)になる場合

ここでは住民税が免除(非課税)になる場合について取り上げます。
まず、これと関連した言葉として「住民税非課税世帯」が挙げられるでしょう。

世帯員全員の住民税が非課税になった場合にこの肩書が適用されますが、住民税非課税世帯になることで様々な優遇措置を受けることができます。(詳細は以下で解説します。)

このように住民税が免除されるかされないかは私たちの生活に大きな影響を与えます。
住民税が免除(非課税)される仕組みについて、まずは均等割と所得割に分けてご説明します。

均等割、所得割が免除(非課税)になるのはいくらから?

具体的にいくらからであるかに関しては、世帯人数によって異なります。

住民税の免除(非課税)要件としては、均等割と所得割でそれぞれ条件が設定されています。
以下の条件を満たしますと、均等割や所得割が免除ということになります。

非課税の条件

  • 均等割の場合
    所得金額 ≦ 45万円 × 世帯人員数 + 21万円
  • 所得割の場合
    所得金額 ≦ 45万円 × 世帯人員数 + 32万円

    ※所得金額 = 収入金額 - 給与所得控除 (給与所得者の場合)
    ※世帯人員数は本人、控除対象配偶者及び扶養親族の合計数
    ※均等割の21万円や所得割の32万円を加算するときは世帯人員数が2人以上のとき
    ※均等割の非課税限度額は生活保護基準の級地区分によって、自治体ごとに異なる

このようにしてみると、均等割と所得割とでは均等割の方が免除の条件が厳しいことが分かります。

よって、年収によっては所得割は免除されても、均等割が免除されないことがあります

したがって、均等割が免除されていれば自ずと所得割も免除となり、住民税が非課税ということです。

よって、均等割の非課税限度額に焦点をあてながら住民税非課税世帯になるモデルケースをご紹介いたします。

住民税が免除(非課税)となる年収モデルケース

ここでは、住民税が免除(非課税)となる年収の目安を具体的な世帯を想定し、ご紹介いたします。(世帯主は給与所得者を想定しています。)

また、このモデルケースを計算するうえで先ほどご紹介した「非課税限度額制度」「給与所得控除」がカギなります。
以下でそれらについて簡単にご紹介いたします。

  • 住民税が免除(非課税)になる条件(非課税限度額制度)
    所得金額 ≦ 45万円 × 世帯人員数 + 21万円・・・(a)
  • 給与所得控除額早見表
給与の収入金額(A) 給与所得控除額
162万5,000円以下 55万円
162万5,000円超180万円以下 (A)×40%-10万円
180万円超360万円以下 (A)×30%+8万円
360万円超660万円以下 (A)×20%+44万円
660万円超850万円以下 (A)×10%+110万円
850万円を超える場合 195万円
    これらを踏まえた上で具体的なモデルケースを見ていくことにしましょう。

「単身世帯」や「控除対象配偶者」、「扶養親族」の場合

この場合、世帯人員数は1なので、21万円の加算額は発生せず、(a)式から所得金額が45万円以下なら住民税が免除です。

これを年収に換算する場合、所得金額に給与所得控除額を足せば求まります。

したがってこの場合は、上記の表から所得金額に給与所得控除額55万円を足して、年収が110万円以下であれば住民税が免除ということが分かります。

「夫婦」や「1人親で子供が1人いる」など、2人世帯の世帯主の場合

この場合、世帯人員数は2なので、21万円の加算額も発生し、(a)式から所得金額が111万円以下なら住民税が免除になります。

これを年収に換算してみましょう。この場合、上の表の第3行が適用され、年収が170万円以下であれば住民税が免除になります。

(求めたい年収をRとおきR-(0.3R+8)≦111を解くことで上記の年収額が得られる。)

「夫婦で子供が1人いる」など、3人世帯の世帯主の場合

この場合、世帯人員数は3なので、21万円の加算額も発生し、(a)式から所得金額が156万円以下なら住民税が免除になります。

これを年収に換算してみましょう。この場合、上の表の第3行が適用され、年収が234万円以下であれば住民税が免除になります。

「夫婦で子供が2人いる」など、4人世帯の世帯主の場合

この場合、世帯人員数は4なので、21万円の加算額も発生し、(a)式から所得金額が201万円以下なら住民税が免除になります。

これを年収に換算してみましょう。この場合、上の表の第3行が適用され、年収が298万円以下であれば住民税が免除になります

住民税が免除(非課税)になるための年収額条件

今まで述べてきたことを表形式にしてまとめると以下のようになります。

世帯構造 or 課税対象者 年収額
単身世帯・扶養控除対象者・扶養親族 110万円以下
2人世帯の世帯主 170万円以下
3人世帯の世帯主 234万円以下
4人世帯の世帯主 298万円以下

以上が住民税が免除となる条件です。
これらの条件を世帯員全員が満たすことで住民税非課税世帯になることができます。

またこの他に住民税が免除される条件は下記の通りです。

その他の免除条件

  • 生活保護を受給している人
  • 障害者、未成年者、寡婦又は寡夫で、前年の合計所得金額の合計が125万円以下の人(前年の所得が給与所得のみの場合は収入金額が2,044,000円未満の人)

住民税の均等割のみを支払う年収額条件

念のために所得割が免除され、均等割のみを支払う年収額条件も確認しておきましょう。

ただし、単身世帯の場合は、均等割と所得割が免除される条件が同じであるため、均等割のみ課される状況は発生しません。

世帯構造 or 課税対象者 年収額
2人世帯の世帯主 171万円~185万円
3人世帯の世帯主 235万円~250万円
4人世帯の世帯主 299万円~314万円

限定的な条件ではありますが、上記のようなケースもあるので気をつけましょう。

さて、こういった条件を世帯員全員が満たし、住民税非課税世帯になると冒頭で述べた通り様々な優遇措置を受けることができます。

最後に、こういった優遇措置は具体的にどのようなものがあるのか、簡単にご紹介いたします。

住民税非課税世帯になると

住民税非課税世帯になると、例えば以下の優遇措置を受けることができます。

優遇措置

  • 国民保険料の免除
    世帯所得により、国民保険料が2割から7割減額になります。
  • 高額医療費の負担軽減
    1か月の高額医療費の負担上限額が35,400円になります。
  • NHK受信料の免除
    住民税非課税世帯でかつ、その世帯に障がい者手帳を持つ人が1人でもいる場合免除になります。

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まとめ

以上、住民税の均等割や所得割、免除になる場合などについて取り上げご説明いたしました。
これらの基本的なことを理解しておくだけで、私たちの暮らしに深く関わる住民税非課税世帯について理解できることがお分かりいただけたかと思います。

そして、住民税非課税世帯になることで、私たちが普段負担していた様々な支出が大幅に減っていくことも分かりました。
住民税の理解は、私たちが日々を暮らしていく中でとても重要であることを改めて強調しておきます。

この記事が、皆さんの住民税のご理解の土台になれば幸いです。

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