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所得税の扶養控除とは?控除額や対象家族について徹底解説します!

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アルバイトやパートをしている人は一度は耳にしたことがある”所得税の扶養控除”。

しかし、「扶養控除とはそもそも何なのか、上限はいくらなのか?」

「扶養を外れた場合、何をどのくらい支払わないといけないのか?」

など、具体的に知らない方も多いと思います。

今回はそんな所得税の扶養控除について詳しく説明していきます。

また、よく聞く“~万の壁”についてもわかりやすく説明します。

この記事を読めば所得税の扶養控除についての知識を十分に得られること間違いなしです。

所得税の扶養控除とは

所得税の扶養控除とは、

14種類ある所得控除のうちの1つで、納税者に控除対象扶養親族と認められる人がいる場合、その扶養の区分や人数に応じて、額の所得控除が受けられることを指します。

扶養控除を受けることによって、課税所得が減り、所得税を節税することができます

具体的な扶養控除の金額は次の通りです。

区分 控除額
一般控除対象扶養親族 380,000円
特定扶養親族(※1) 630,000円
老人扶養親族(※2)のうち同居老親等(※3以外) 480,000円
老人扶養親族(※2)のうち同居老親等(※3) 580,000円

※1 控除対象扶養親族のうち、その年12月31日時点において19歳以上23歳未満の人が対象

※2 控除対象扶養親族のうち、その年12月31日時点において70歳以上の人が対象

※3 同居老親等とは、納税者の直系尊属(父母や祖父母など)あるいは納税者の直系尊属で、納税者または納税者の配偶者と普段同居している人を指します。

所得税の扶養控除の種類

所得税の扶養控除の種類は大きく分けて3つあります。

  • 配偶者控除
  • 配偶者特別控除
  • 扶養控除

配偶者控除と配偶者特別控除はその名の通り配偶者が対象です。

配偶者控除と配偶者特別控除は、配偶者の所得額に応じてどちらが適用されるかが変わります

一方、扶養控除は配偶者以外の親族が対象になります。学生の扶養は一般的にこの扶養控除が適用されます。

 

所得税の扶養控除の範囲

扶養控除の対象者となる親族は以下の要件をすべて満たしていることが条件です。

  • 配偶者以外の親族で一定の要件を満たした人などであること
  • 納税者と生計を一にしていること
  • 年間の合計所得金額が38万円以下であること(給与のみの場合は給与収入が103万円以下であること)
  • 青色申告の事業専従者としてその年1年間給与を受け取っていないこと、あるいは白色申告の専従者でないこと

※生計を一にするとは、必ずしも同居しているという意味ではなく、一人暮らしや留学、長期出張等で別々に生活をしていても、生活費を援助したり、納税者や他の親族の所に戻ってきて生活を共にする機会があることです。

青色申告とは、日々の取引を所定の帳簿に記帳し、その記帳に基づいて正しい申告をすることです。

税金の面で色々と有利な特典を受けることができます

白色申告とは、青色申告の承認を受けていない者が行う申告をのことです。

次に、以下で所得税の扶養控除を受けられる範囲や、扶養控除の対象年齢についてご説明します。

対象家族の扶養控除の範囲

対象家族の扶養控除の範囲配偶者以外の親族である扶養控除の対象となるのは、6親等内の血族3親等内の姻族までと定められています。

つまり、自分の兄弟や叔父叔母、祖父母の兄弟やいとこの孫、配偶者の兄弟の子どもも含まれます

また、例外的に親族でなくても扶養控除が受けられる場合があります。

  • 都道府県知事から養育を委託された児童、つまり里子
  • 市町村から養護を委託された高齢者

このどちらかに当てはまれば、親族でなくても扶養控除を受けられるということです。

所得税の扶養控除の対象となる年齢

所得税の扶養控除の対象となる年齢は対象年の12月31日時点で16歳以上の親族が対象です。

確定申告時期に扶養控除を考える時、”確定申告をする時に何歳なのか”で判断する方がいるかもしれません。

しかし、税法では、納税者が死亡あるいは出国した場合を除き、”所得税の計算の対象となる都市の12月31日の時点で何歳なのか”で判断することになっています。

また、2010年の税制改正で15歳以下は扶養対象から外れてしまいました。

理由としては、これと併せて児童手当制度が作られ、15歳以下の扶養家族に対する配慮はそれで行われるようになったためです。

扶養の収入基準と控除額

扶養の収入基準と控除額は、納税者との関係性によって変わります。

  • 納税者の配偶者である場合
  • その他の親族の場合

の2つによって大きく分けられ、受けられる控除の種類も変わります。

これらを詳しく説明します。

配偶者の場合

配偶者の所得税の扶養控除には、

  • 配偶者控除
  • 配偶者特別控除

の2つがあります。

これらは“配偶者がいくら稼いだか”によって受けられる控除が変わってきます。

配偶者とは法律上での配偶者のことを指すため、内縁の関係ではこれらは適用されないので注意しましょう。

配偶者控除とは、配偶者が1年間で150万円以下の稼ぎがある場合に、配偶者の所得税や住民税が一定額(38万円)控除される制度です。

一方配偶者特別控除は、配偶者が1年間で151万円~201万円までの稼ぎがある場合に、配偶者の所得金額に応じて、一定額税金が控除されます。(38万円~3万円)

配偶者控除と比べ払う税金は多くなりますが、その負担額は少額であることが多いです。

控除額については、以下の図のように、納税者の所得金額によって変わってきます。

(平成30年分・令和元年分)

  控除を受ける納税者本人の合計所得金額
9,000,000円

9,000,001~
9,500,000円

9,500,001~
10,000,000円









380,000円~850,000円以下 380,000円 260,000円 130,000円
850,000円~900,000円以下 360,000円 240,000円 120,000円
900,000円~950,000円以下 310,000円 210,000円 110,000円
950,000円~1,000,000円以下 260,000円 180,000円 90,000円
1,000,000円~1,050,000円以下 210,000円 140,000円 70,000円
1,050,000円~1,100,000円以下 160,000円 110,000円 60,000円
1,100,000円~1,150,000円以下 110,000円 80,000円 40,000円
1,150,000円~1,200,000円以下 60,000円 40,000円 20,000円
1,200,000円~1,230,000円以下 30,000円 20,000円 10,000円

【参考】

(令和2年分以降)

  控除を受ける納税者本人の合計所得金額
9,000,000円以下 9,000,001~
9,500,000円
9,500,001~
10,000,000円









480,001円~950,000円以下 380,000円 260,000円 130,000円
950,001円~1000,000円以下 360,000円 240,000円 120,000円
1000,000円~1050,000円以下 310,000円 210,000円 110,000円
1050,000円~1100,000円以下 260,000円 180,000円 90,000円
1100,000円~1150,000円以下 210,000円 140,000円 70,000円
1150,000円~1200,000円以下 160,000円 110,000円 60,000円
1200,000円~1250,000円以下 110,000円 80,000円 40,000円
1250,000円~1300,000円以下 60,000円 40,000円 20,000円
1300,000円~1330,000円以下 30,000円 20,000円 10,000円

引用:国税庁

その他の親族

配偶者以外の親族の場合、年間所得の条件は38万円以下(給与所得の場合は103万円以下)

と決まっています。

※給与所得103万円は、給与所得における65万円の所得控除を考慮した額です。

38万円(基礎控除)+65万円(給与所得控除)=103万円

学生のアルバイトはこちらが適応されるので、103万円を超えると、税金の支払いをしなければなりません。

区分 控除額
一般の控除対象扶養親族(※1) 380,000円
特定扶養親族(※2) 630,000円
老人扶養親族(※3) 同居老親等以外の者 480,000円
同居老親等(※4) 580,000円

引用:国税庁

※詳細は、国税庁のページ「配偶者控除」「配偶者特別控除」「扶養控除」で確認できます。

同居老親等の扶養控除について

一般の扶養控除よりも、控除額が多いとされる同居老親等の扶養控除ですが、一つ注意しなければならないのが、”普段は同じ屋根の下で暮らしているが、一時的に別の場所に住んでいる”場合です。

例えば、長期的に入院している場合同居老親等の扶養控除は受けることができます

これは、入院はあくまでも一時的なものであり、扶養対象の人の居住地は納税者と同じ場所であるとみなされるからです。

しかし、扶養対象の人が”老人ホーム等”に移り住んだ場合、この同居老親等の扶養控除は受けることができません

理由としては、生活の拠点が納税者の家から老人ホームに移動したと考えられるからです。

共働きの場合の扶養について

所得税は、1年間の収入が多くなるにつれて高い税率が適用される、累進課税制度を採用しています。

そのため、共働きであった場合は、1年間の収入が多いほうの扶養に入るのが有利と言えます。

所得税率は次の通りです。

課税所得(円) 税率 控除額
1,950,000未満 5% 0円
1,950,000~3,300,000 10% 97,500円
3,300,000~6,950,000 20% 427,500円
6,950,000~9,000,000 23% 636,000円
9,000,000~18,000,000 33% 1,536,000円
18,000,000~40,000,000 40% 2,796,000円
40,000,000~ 45% 4,796,000円

課税所得は以下の算式により計算します。

給与収入-給与所得控除=給与所得

給与所得-所得控除=課税所得

扶養を外れるとどうなるのか

では実際に扶養範囲を超えた稼ぎをした場合、何をどのくらい支払わないといけないのでしょうか。

扶養の基準額は大きく分けて税金の壁社会保険の壁の2つに分けられます。

103万円、106万、130万円、150万円の基準額があり、103万、150万は税金の壁、106万、130万は社会保険の壁です。

それでは以下で詳しく説明していきます。

学生アルバイトの場合~103万の壁~

納税者の対象家族が1年間で103万円を超えた収入がある場合、扶養控除が認められなくなり、38万円の控除額が0になります。

また、その対象家族が19歳から22歳である場合、家庭の経済負担が考慮されて、特定扶養家族として63万円の扶養控除がありますが、これも全てなくなり0になってしまいます。

また、超過額に対して所得税と住民税が課税されます

夫や親等の家族の扶養家族である場合は、扶養家族ではなくなり、夫や親等の家族の所得税も高くなるので注意しましょう。

パートの場合~150万の壁、201万の壁~

次に150万の壁は、配偶者が一年間で150万円を超えた収入がある場合、配偶者控除がなくなり、超過額に対して所得税と住民税が課税されることを指します。

但し、先述した通り、配偶者の所得が201万円までなら、配偶者特別控除を受けることができます

配偶者の所得が201万円を超えた場合、どちらの控除も受けること出来ないため、超過額に応じて所得税と住民税を払わなければなりません

パートとして働いている主婦(主夫)の人はこちらの基準額に気をつける必要があります。

社会保険と扶養控除について

所得税と社会保険の扶養控除額や収入基準は異なりますが、社会保険においては、所得税では非課税になるものも課税対象になる為、注意が必要です。

代表例としては以下のものが対象です。

  • 遺族基礎年金 遺族厚生年金
  • 障害基礎年金 障害厚生年金
  • 雇用保険の基本手当
  • 労災保険の傷病補償給付 障害補償給付 遺族補償給付
  • 健康保険の傷病手当金 出産手当金

106万の壁

以下の条件をすべて満たす場合健康保険・厚生年金保険の”被保険者”として加入し、保険料を自分で負担する義務が生じます

  • 週に20時間以上の勤務
  • 月額8万8000円以上の収入があること(年間106万円以上)※年間の収入ではなく、1か月の収入で判断すること
  • 一年以上の勤務見込みがあること
  • 501人以上の従業員がいる企業で働いていること(但し501人未満の企業であっても労使の合意があれば適用可能)
  • 学生以外(夜間、定時制は除く)

この条件を全て満たす人が対象なので、必ずしも全員が対象というわけではありません。

また、この金額判定は残業代や通勤手当を含みません

130万の壁

扶養対象者が1年間で130万円を超えた収入がある場合健康保険の被扶養者、被保険者となり、保険料は、扶養対象者の配偶者が負担しなければなりません

つまり、扶養対象者が妻だとすると、その配偶者である夫が保険料を負担することになります。

しかし、こちらは配偶者の勤め先の健康保険組合のルールで判断基準が変わるので、確認が必要です。

また、106万円の場合と異なり、通勤交通費も収入対象となるので注意しましょう。

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まとめ

所得税の扶養控除には様々な条件や扶養対象の範囲、所得の上限等、考慮しなければいけない項目が沢山あります。

また、103万、106万、130万、160万、201万の収入の壁についても理解する必要があります。

扶養控除についての理解を深め、損をしない、効率的な稼ぎ方をしましょう。

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