財形年金貯蓄とは?そのメリットや利率などを徹底解説!

財形貯蓄制度のうちの一つに財形年金貯蓄というものがあります。
今回は、その財形年金貯蓄とはどういった制度なのか、どういうメリットがあるのかを詳しく説明していきます。

目次

財形年金貯蓄とは

財形年金貯蓄は、財形貯蓄制度のうちの一つです。
他にも財形貯蓄制度には貯蓄目的が自由の「一般財形貯蓄」、貯蓄目的がマイホーム購入のためなど住宅購入に限る「財形住宅貯蓄」の二つがあります。

財形貯蓄とは簡潔に言うと「目的のために給与を天引きし、貯金する制度」です。
その貯蓄目的によって制度を使い分ける必要があります。

財形貯蓄の全体像をまとめた記事がこちらです。
財形貯蓄とは?メリット・デメリットや仕組みついて徹底解説します!

今回取り上げる財形年金貯蓄は、特に老後の資金に不安がある人は利用を考えてみると良いかもしれません。

対象となる人

 対象となる人の条件として、契約締結時に55歳未満の勤労者であることが必要となります。

ただし、勤め先が財形貯蓄制度を導入していないければ利用することはできないので注意が必要です。
また自営業や会社役員の方も利用はできません。

貯蓄の目的

貯蓄の目的は、老後の資金作りなど公的年金などを補うものである必要があります。
目的外で資金を使用した場合、以下で説明する非課税措置というメリットを利用することができなくなります。

積立期間

5年以上の期間にわたり、定期的に積立を行うことが貯蓄開始の条件とされています。
ただし引き出しは貯蓄開始から1年後から可能となります。

非課税措置

財形年金貯蓄では老後の資金という目的に対する払い出しの場合のみ、元利合計550万円を限度に、利子等が非課税となります。

この点が他の財形貯蓄制度と異なり、目的が老後の資金作りの時に限って財形年金貯蓄は税的なメリットがある制度なのです。

その他の条件

これまで挙げてきた条件に加え以下の条件も貯蓄開始時に満たす必要があります。

・ 1人1契約に限ること。
・ 年金の支払い開始までに据置期間を置く場合は、その期間が5年以内であること
・ 年金給付は、60歳以降、5年以上にわたり定期的に受け取ること

注目すべきは最後の条件である「60歳以降、5年以上にわたり定期的に受け取ること」です。
公的年金の受給年齢は65歳に引き上げられた今、60歳で退職した場合には60歳から65歳までの5年間は支給がない状態となります。

しかし、財形年金貯蓄は60歳から受給することができるのでその5年間を補うことが可能です。
定年退職後の生活が不安だと感じているのであれば、財形年金貯蓄を利用してみるのも方法の一つといえるでしょう。

財形年金貯蓄のメリット

利子分に対する非課税措置

第一のメリットとして、先ほど簡単に説明しましたが利子分に対する非課税措置があります。
この措置は、元利合計550万円を限度に利子等が非課税となるものです。
ただし老後資金としての払出し時にかかる税金に対する非課税措置であるので、それ以前に引き出した場合には適用されなくなります。

また下記の商品については、元本385万円が限度額です。この額を超えると課税対象となります。

  • 郵便貯金

  • 生命保険

  • 損害保険の保険料

  • 生命共済の共済掛け金

  • 簡易生命保険(年金商品)

給与天引き

これは財形年金貯蓄に限ったことではなく財形貯蓄全体で言えることですが、給与天引きが最大のメリットということができます。

給与天引きによって強制的に貯金されていきますので、着実に貯金していくことができます。
月ごとの貯金額も自分で設定できるので自分に合わせた額を貯蓄できます。

また簡単に引き出すことはできません
これも意思の強さが必要となるので財形貯蓄のメリットとして挙げられます。

財形給付金制度

財形貯蓄の実施を促すために設けられているのがこの財形給付金制度です。

会社は、毎年、財形貯蓄を行う社員1人につき10万円を上限として拠出を行い、7年経過ごとに拠出金と運用益の合計額を、財形給付金として社員に支給します。
会社の拠出金は、損金または必要経費として扱うことが認められています。

財形貯蓄を続けている社員への報酬という理解をしておければ大丈夫でしょう。

財形持家転貸融資

財形貯蓄を1年以上継続していて、残高が50万円以上あれば、残高の10倍まで融資を受けることが可能です。

上限は4000万円、住宅購入価格の80%まで借り入れが可能です。

頭金を貯蓄しつつ、比較的低金利でローンを借りることができるという一挙両得の制度ですので、財形貯蓄をしている方で住宅購入やリフォームを考えている方におすすめすることができます。

ただし財形年金貯蓄で契約している場合、住宅購入の目的で引き出した場合非課税措置が適用されなくなってしまうので引き出す場合には注意が必要です

財形年金貯蓄の利率

財形年金貯蓄の利率は3つの財形貯蓄制度で共通しています。

利率は銀行の定期預金と金利と同じで、どの銀行であっても0.01%となっています。(2019年2月現在)

財形貯蓄の金利については、以下のページで詳しくまとめているのでご覧ください。
 財形貯蓄でお金を貯める!気になる金利を徹底解説!

財形年金貯蓄の税金

財形年金貯蓄の税金に関しても、制度自体は3つの財形貯蓄で共通です。
貯蓄に対する利子分は、所得税がかかってしまいます。

また財形貯蓄を利用していてもほとんど税的優遇はありません。
これは利率が非常に低いことに原因があります。

財形年金貯蓄の場合には老後の資金づくりの場合には元利合計550万円までは利子分に対する非課税措置が利用できます。

しかし生まれる利子があまりにも小さいため運用によって利益を生むことは非常に難しいです。

財形年金貯蓄の解約

財形年金貯蓄にはかなりの手間がかかります。
その分、衝動的に引き出したいという欲求に駆られた際にそれを抑制することができるのです。

また、会社を退社するなどの理由で財形貯蓄を解約する場合にはそれまでに貯蓄した資金を引き出して解約することとなります。

退社による引き出しは「目的外」の引き出しとして扱われますので、利子分に対する非課税措置を受けられず財形年金貯蓄の場合、元本割れする恐れがあります。

まとめ

財形年金貯蓄を利用しているだけで将来安心して老後を過ごせるというわけではありません。
したがって、公的年金や私的年金を補填する一つの制度という位置づけで利用することが賢明です。

年金に少しでも不安があれば利用を検討してみてはいかがでしょうか。

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