ジョージ5世はエドワード7世の第二子として1865年6月3日に生まれました。ジョージ5世在位中の第1次世界大戦期には、前線に何回も訪れ兵士を奨励し、また負傷兵の見舞いにも訪れる人望が厚く評判の良い国王としてジョージ5世は在位25年という節目も全うし、1936年1月20日に崩御しました。
1910年に父王であるエドワード7世が崩御したことで、即位し1911年に戴冠を記念して5ポンド金貨からマウンディセットまでの12枚を収めたプルーフセットを制作しました。プルーフセットとして何セット作られたかは不明ですが、5ポンド金貨を2,812枚作られたという記録がありますので最大でも2,812セットということになります。そして、このセットにはクラウン銀貨が入っておりませんが、それは抜け落ちているわけではなく正式なセットとしてクラウン銀貨がないのです。なぜ無いかということについて記録はございませんが、父王エドワード7世の1902年銘の純度92.5%のクラウン銀貨が発行されてから、次に発行されたのは1927年銘の純度50%のクラウン銀貨でしたので戦時中の貴金属の価値上昇でハーフクラウンで事足りたのではないかと推測します。日本コインオークションでは戴冠記念プルーフセットは2016年以来出品されておらず、その時の落札価格は約243万円(落札手数料含む)でしたが、コンディションがEFでしたので戴冠記念セットとしては大分悪かったことから落札金額が伸びませんでした。今回ご紹介したセットはコンディションがとても良く、希少品です。