発行枚数46,139 直径 35mm 重量33g 0.900Gold
慶応4年の1868年3月に江戸の金座、銀座を接収した新政府は、金座・銀座の職人を京都へ移し、新政府は新たな貨幣の製造に取り組むことを始めます。この頃にイギリス・ロイヤルミントの香港支局が閉鎖となり、慶長4年4月に、横浜のオリエンタル・バンクの仲介で、香港支局の造幣機械一式を6万両(諸説ありますが今の価値で60憶円ぐらい)で購入し、大阪に造幣工場を新設することを大久保利通が決めます。この新工場設立にあたり、イギリス人技術者を8人雇い、技術指導を受けました。
明治2年の1869年2月に、造幣局を開設。翌年の明治3年(1870年)に金貨、銀貨、銅貨の製造を始めることになります。この新しい新貨のデザインを明治2年に技術指導にあたっていた英国人技術者のウォートルスたちが主導して新貨を作ることが規定路線でしたが、「加納夏雄」という彫金の天才が日本にいたことから、デザインはこの「加納夏雄」 が担当しました。。元々徳川家に仕えて刀の鞘や鍔などの彫金をしていた天才・加納夏雄は新貨の極印製作に携わることとなります。加納夏雄の彫金技術は「イギリスでもこれに勝る彫金はできまい」と英国人ウォートルスに言わせるほどの高い技術力でした。
この旧20円金貨は加納夏雄が手掛けた極印で作られた見事な金貨です。日本に近代化が訪れた明治4年に新貨条例が公布。本位貨幣である20円、10円、5円、2円、1円の5種の金貨が発行されます。旧20円金貨の「旧」とは、「新」もあり明治30年までに発行されたものを「旧金貨」、明治30年以降に発行されたものを「新金貨」と称しています。その中でも近代貨幣のトップが「旧20円金貨」です。直径は35ミリもあり大型金貨です。発行枚数はとても少なく、旧20円金貨は世界で誇ることのできる日本金貨の象徴的な存在です。今の日本貨幣で金貨といえば記念コインしかございませんので、アンティークコインの旧金貨を収集されることをおススメ致します。
今回ご紹介のコインは大変状態の良い希少な金貨です。2019年12月15日 第50回日本コインオークション NGCMS65+ (未使用品+)910万円