表面に描かれている「アルシノエ2世」は、プトレマイオス2世の妻であり、実の姉でもあった。また、プトレマイオス朝エジプトの女王であり、クレオパトラ7世と並んで、プトレマイオス朝の女傑ともされており、外交や戦略など策をめぐらせることに長けていたと言われています。多くの都市に自らの名をつけていることからも、権力を広く知らしめていたことがわかります。紀元前270年に亡くなりますが、死後は神格化され、多くのコインに描かれており、このコインも死後描かれたものとなります。
プトレマイオス8世は肥満であったと言われており、フェスコン(太鼓腹)ともあだ名されたプトレマイオス朝エジプトのファラオ。戦ののちエジプトに戻った際は、先王の妻でもあったクレオパトラ2世と結婚し、同時にその娘であるクレオパトラ3世とも結婚したとされる。しかし、母娘と同時に結婚したことや、相次ぐ戦争と重税とで人気を落としたプトレマイオス8世は民衆から支持されず、暴動さえ起こって叛徒が宮殿を囲むこともあり、次第に権力をなくしていき、宮廷内ではプトレマイオス8世とクレオパトラ2世、3世の権力争いが続き、結果クレオパトラ2世が治めることとなった。その2年後には体制を立て直し、エジプトに攻め入り、再びエジプトを統治することになる。
表面にアルシノエ2世、裏面にコーヌコピア(コルヌコピア)が刻印されています。コーヌコピアは豊かさのシンボルとしてギリシャ神話に登場し、神々が人間に与えた贈り物の象徴でもあり、後に、あらゆるものの繁栄を意味するようになりました。額面はオクタドラクマ金貨(8ドラクマ金貨)となります。