極楽鳥(ゴクラクチョウ)はニューギニアとその周辺の島に生息しており、魅力的なことから、かつては剥製目的の狩猟者に狙われ、絶滅させられた種もあります。楽園の鳥として一般的に知られているフウチョウ科(極楽鳥)には、40種類以上存在し、多くの種は、黄色、青、緋色、緑などの色鮮やかで綺麗な羽を持っているのが特徴的です。オスの場合は、鮮やかな羽毛のラフト、ワイヤーそしてストリーマーと呼ばれる驚くほど細長い羽毛を持つケースが多く、種類によっては、頭部をとても大きな羽毛で飾られ、胸元などにも目立つ美しい色合いの羽根で自分自身を飾っています。
この素晴らしいデザインのコインは、ドイツ領ニューギニアで1894年から1895年にかけて発行されたもので、全9種類のコインが、金貨、銀貨そして銅貨で発行されました。その美しさと希少性から、コイン業界では古くから有名で、非常にコレクション性の高いものとなっており、コレクターに大変人気の高いものとなります。また、国際的にも人気が高く、その人気は日本だけでなく極東、中国、オーストラリア、アメリカ、ロシア、そしてもちろんドイツにまで広がっています。
今回、復刻版としてパプアニューギニアから新発行貨として認定・発行されました。近年では、こういった人気の高いコインの復刻版が人気で、過去「ウナとライオン」「スリーグレイセス」など発行と同時に人気が爆発するコインもございます。今回、人気の高いオルダニーのウナとライオンやスリーグレーセスを手掛けたCommonwealth Mint & Philatelic Bureau Ltdは、このコインを最高のコレクターズアイテムにするために、細部にまでこだわって作り上げました。造幣局は英国王立造幣局であり、造りは非常に素晴らしいものとなっております。有名な貨幣デザイナーであるシュルツ&ワイガンド社の片割れである彫刻家オットー・シュルツがデザインしたものです。同様に復刻版として過去発行されたものもございますが、刻印の再現度が全く違うため、今回のものが圧倒的に細部までこだわっていることが分かります。
オリジナルの極楽鳥は、金貨は10マルク20マルクの2種しか発行されておらず、Proof貨となると発行枚数不明で限られたものとなります。2021年3月25日~27日に行われた Heritage Auctionにて10マルク金貨(PR65)が93,000USD(約1,000万円)で落札されています。