フランス 第1共和制(1792-1804) 5フラン銀貨 AN・12 パリ鋳 ボナパルト第一執政 Gad-577 Dav-82 KM-659.1(VF)

ナポレオン1世の肖像が描かれた最初の大型銀貨です。皇帝即位前であるためコインの称号は第一執政となっており、皇帝の象徴となる月桂冠をつけていない肖像です。

コインに刻印され、コインの名称にも含まれている「AN12」とはフランス革命暦、共和暦と呼ばれAN14までのおよそ12年間、フランス及びフランス衛星国で使用されていました。それまではグレゴリオ暦を使用していましたがフランス革命政府はグレゴリオ=カトリックの影響を拭い去るため新たな暦法を制定しました。グレゴリオ暦は1582年ローマ教皇グレゴリウス13世がユリウス暦を改良して暦法を作ったことからこの名が付いています。明治に日本もグレゴリオ暦が採用されました。

フランス第一共和制とはフランス史上初の共和政体であり、フランス革命を起因としたブルボン王政打倒を経て国民公会によって王政廃止が宣言され、1792年9月21日から、ナポレオン1世の下で帝政が宣言された1804年5月18日まで存続しました。ナポレオン・ボナパルトは統領政府を樹立して自ら第一統領に就任し、事実上の軍事政権を始めました。これは単なる軍事力の支配ではなく、兵士の供給源である農村と都会のブルジョワジーの支持を背景にした支配であり、国民の過半数の支持を得ることに成功しました。