サンマリノ共和国はイタリア半島の中東部に位置する共和制国家で、国土の周囲はすべてイタリアに囲まれ、国土面積は61.2平方キロメートル(日本の東京都世田谷区や十和田湖(青森県・秋田県)とほぼ同じ)の、世界で5番目に小さな国家です。また、現存する世界最古の共和国と考えられており、同国もそれを誇りとし、1700年間一度も戦争をしたことがありません。その始まりは301年、イタリア半島の対岸ダルマツィア地方出身の石工マリヌス(聖マリーノ)が、ローマ帝国の皇帝ディオクレティアヌスによるキリスト教迫害を逃れるために、仲間とともにチタン山(現在のサンマリノ市のティターノ山)に立てこもり建国したといわれています。文献上で初めてサンマリノの存在が現れたのはその後951年からだそうです。
サンマリノは1943年以来、紙幣の発行を行っておらず、イタリアの通貨が自由に流通し、1972年以降は独自のコイン(サンマリノ・リラ)を発行して、コインコレクターの人気を集めています。サンマリノの観光産業としてコインや切手の発行は基幹産業であり、そのユニークな歴史や景観、買い物を目的とした観光客が多く集まります。ティターノ山頂とその周辺にあるサンマリノ市の歴史的市街と3つの棟、山の斜面の一部、山麓のボルゴ・マッジョーレの市場地区が世界遺産として登録されています。なお、2022年時点でサンマリノ在留日本人は7人、2023年現在の日本在留サンマリノ人は3人、日本訪問サンマリノ人は年間12人だそうです。男性女性ともに平均寿命が長い長寿国でもあるそうです。
このコインのデザインは、表面が左向きの女神頭像、裏面がティターノ山の頂上に建つ砦(グアイダ、チェスタ、モンターレ)とその上に刺さるダチョウの羽です。スクディはスクードの複数形で、16~19世紀にイタリアで使われた通貨単位や、金貨・銀貨そのものを指します。現在ではユーロが発行されるようになりました。