カナダの首都オタワで作られたコインです。オタワ造幣局では現在は通貨発行をしていますが、日本人にもなじみのあるメイプルリーフ金貨なども製造しています。カナダで通貨発行する以前まではイギリスのロンドンに位置する王室造幣局、バーミンガムに位置するヒートン造幣局でカナダの貨幣は製造されていました。カナダで通貨が発行されるようになったのは1908年1月2日からで、それがオタワ造幣局でした。
このコインのタイプは1948年からジョージ6世崩御の年である1952年まで製造されましたが、1948年は発行枚数が特に少なく、コンディションにおいても希少な状態です。
ジョージ6世は映画「英国王のスピーチ」で取り上げられた国王です。1895年にジョージ5世の次男として生まれたジョージ6世は兄エドワード8世がいた為、王室の次男として軍務に服していました。ジョージ5世崩御により兄エドワード8世が1936年に王位継承しますが、アメリカ出身のウォリス・シンプソンと駆け落ちに近い形で結婚し、エドワード8世はそのまま退位します。そのため、同年にジョージ6世は即位することとなりました。この経緯によりジョージ6世は、イギリス王室に対する国民の信頼が極めて低いときに、王位に就かねばなりませんでした。さらにその治世中、国民は戦争の困窮に耐え偲ばねばならず、その後大英帝国の威光はなくなっていきました。しかしながら、ジョージ6世は誠実な家庭人で、かつ責任感の強い国王であり、個人的な勇気を示すことによって、イギリス国王の信頼感を取り戻すことに成功しました。