ポルトガル統治下のブラジル(リオデジャネイロ)で発行された金貨。
マリア1世統治時代のポルトガルは太陽の沈まない国と称された時代から凋落へと遷移した時代です。1795年は、いよいよナポレオン・ボナパルトがフランスで台頭し、彼とマリア1世は戦うことになり、講和の道をポルトガルはフランスと進めようとしますが、叶わずその後、ポルトガル本国の領土はフランスとスペインにより侵入され、マリア1世は宮廷をブラジルへ移転し1816年にリオデジャネイロで死去。ブラジル金貨では有名なミナスジェライス金貨20000レイスがあるが、その時代は繁栄期であったため20000レイスまで額面があったとされる。逆にマリア1世の時代は衰退期であったことから、マリア1世の金貨の最高額面は6400レイスであり、本コインは1000レイスとなる。
裏面:マルタ十字を中心にして間にロゼット。ロゼット(rosette)は「バラ状の」という意味であり、バラ(rose)に由来する、日本の菊花紋章のように放射状に広がる紋章を学術的には「ロゼット紋」という。周りには「IN HOC SIGNO VINCES」の銘が刻まれています。これは「汝この印のもとに勝利す」という意味でローマ帝国皇帝コンスタンティヌス1世を戦いで勝利に導いたとされる言葉です。