クヌート1世はノルマン系デーン人で、イングランド王、デンマーク王、ノルウェー王を兼ねた王です。デンマーク王としてはクヌーズ2世で、他にカヌート、クヌット、大王などとも称されました。クヌートのイングランド統治は、グレートブリテン島とアイルランド島の間の海域への重要な結び付きをデーン人に与えました。彼は父親のスヴェン1世と同様にその地域へ強い関心を持ち、ノース系ゲール人(英語版)に大きな影響力を及ぼしています。1026年にノルウェーとスウェーデンを打ち破った後、神聖ローマ皇帝の戴冠式に出席してローマから帰る途上に、援助のために臣下へ書かれた書簡の中で、自身を「全イングランドとデンマーク、ノルウェー人、そしてスウェーデン人の一部の王」 だと伝えていました。アングロ・サクソンの王らは 「イングランド人の王(king of the English)」 という称号を用いましたが、クヌートはealles Engla landes cynning「全イングランドの王(king of all England)」 でした。中世を専門とする歴史家ノーマン・カンターは彼を 「アングロ・サクソン史において最も印象的な王」 と見なしました。シルバーペニーはのちのイングランドの通貨の基準となる通貨で、757年~796年に在位したイングランド王であるオファ王が造幣を開始、普及させたものとされていますが、今回のコインはグレーディング評価はもとより、この時代のコインとしては非常に良好な状態となっております。