イギリス ジョージ3世 (1760-1820) クラウン銀貨 1818(LVIII) 月桂冠像 Spink-3787 ESC-211 Bull-2005 Dav-103 KM-675 NGC AU58（Toned EF+/AU）

ジョージ3世はハノーヴァー家第三代のイギリス国王で、一時期グレートブリテン国王兼アイルランド国王でもありましたが、両国が合同してから崩御するまでの期間は、グレートブリテンおよびアイルランド連合国国王でありました。また同時に、神聖ローマ帝国のハノーファー選帝侯でもあり、1814年10月以降はハノーファー王ゲオルグ3世に昇格しました。ジョージ3世の寿命と治世の長さはそれまでの全てのイギリス国王よりも長く、ヨーロッパからアフリカ、アメリカ、アジアまで拡大した多くの軍事紛争に彩られました。治世初期にはグレートブリテン王国が七年戦争でフランス王国に勝利、北アメリカとインドにおけるヨーロッパ諸国の勢力の間で支配的な勢力となっています。しかし、アメリカ独立戦争では敗北して13植民地はじめ北米の多くの植民地を失いました。1793年からは革命時期とナポレオンの帝政時期のフランスとの戦争に突入し、1815年のワーテルローの戦いまで続いています。今回のコインはジョージ3世の月桂冠像と、裏面は「聖ジョージの竜退治」 が描かれています。「聖ジョージの竜退治」の意匠は、ジョージ3世の治世以降、全ての歴代国王の治世を代表するソブリン金貨裏面の主要な題材として今日なおも脈々と受け継がれているベネデット・ピストゥルッチによる傑出した作品です。