英国の前女王エリザベス2世 Elizabeth II (1952-2022) のヤングタイプのソブリン金貨です。裏面は英国の伝統的な聖ジョージの龍退治のデザインが描かれています。エリザベス2世は記憶にも新しいイギリス王室最高齢かつ最長の在位期間を誇る女王でもあります。「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」を含む16か国の君主 (第4代ウィンザー朝女王)で、父であり前国王のジョージ6世の急逝の連絡をケニアにて受け、わずか2日後に25歳の若さで王位継承を宣言しました。諸外国への公式訪問を数多くこなし、イギリス王室の存在を世界に広めるとともに友好関係を築きました。エリザベス2世といえば、女王としての在位の長さとともに夫婦としても長く連れ添ってきたことが有名です。フィリップとの婚姻は即位より前の1947年7月に、当時海軍大尉であるフィリッポスとの婚約として発表されましたが、婚約に至るまでの経緯は消して順風満帆とは言えなかったそうです。二人は、共に高祖母がヴィクトリア英女王で、エリザベス王女の高祖父かつフィリッポスの曽祖父がデンマーク国王クリスチャン9世であることから、遠戚関係にありました。しかし、フィリッポスはギリシャから亡命した現役のイギリス海軍士官であり、資産を所有していなかったこと、外国生まれであることのほか、フィリップの姉がナチスとの関係を持ったドイツ系貴族と結婚していたことにより、特に母エリザベス王妃は、ドイツ系の出自であることに反対し、英国内の高位貴族(又はその長子)と結婚することを望んでいました。それでもついにはエリザベス2世の父であり当時の国王ジョージ6世は二人の婚約を認めます。これに先立ちフィリッポスはイギリスへ帰化し、母の実家の家名である「マウントバッテン」を姓として選択、また、ギリシャ正教会からイングランド国教会への改宗を行い、さらに形だけとなっていたギリシャ王子及びデンマークの王子の地位を放棄することを宣言しました。