1838年製アメリカ5ドル金貨(ダロネガ鋳造)は、アメリカ初期の歴史に深く根ざした貴重な一品です。「D」の刻印が見られ、これはダロネガ造幣局で製造されたことを示しています。ダロネガ造幣局はいまは存在しない鋳造所であり、このクラシックヘッドの1838年のダロネガ鋳はクラシックヘッドとしての最終年号かつ、ダロネガ鋳としては初年号の鋳造コインです。ジョージア州北部に位置するダロネガは、ネイティブ・アメリカンの言葉で「黄金」を意味する「Dalonige」から転訛して名付けられた町であり、アメリカ初のゴールドラッシュの地の一つです。1828年に金鉱が発見されたことで、多くの人々が金を求めてこの地に集まりました。ダロネガ造幣局は1838年に設立され、このコインはまさにその時期に造られたものです。ダロネガのゴールドラッシュは1840年代には衰退し、1861年の南北戦争中に造幣局が閉鎖されたため、この地で造られた金貨は限られた期間しか存在せず、非常に希少です。表面にはLiberty(自由の女神)の肖像が描かれています。Libertyの髪はヘッドバンドでまとめられ、その周囲には13個の星が配されて、アメリカ独立当時の13州を象徴しています。裏面には、アメリカの象徴である鷲が翼を広げ、オリーブの枝と3本の矢を持ち、盾を抱えた姿が刻まれています。さらに、「In God We Trust」のモットーが導入される前のデザインであるため、当時の宗教的な象徴が含まれていないシンプルなスタイルが特徴です。