表面には、スイスを象徴する寓意的な女性ヘルヴェティアの横顔が描かれ、その左側には力強さと勇気、権威を象徴するライオンが描かれています。裏面には、1814年のティチーノ州4フラン銀貨に描かれた武装兵士のほぼ完全な複製が描かれ、その両側にはスイスとの盾が描かれています。額面の上には、イタリア語で「祭典で兌換可能」という文字が記されており、この金貨の法的地位を示しています。射撃祭の起源は15世紀の旧スイス連邦時代にさかのぼり、ウィリアム・テルの伝説にも通じるクロスボウによる射撃大会がその始まりとされています。こうした歴史ある行事を記念して、19世紀から続く伝統に基づき、特製の記念金貨・銀貨が毎年発行されています。「ティチーノ州射撃フェスティバル」という名称からは一見、ティチーノ州内の地域的なイベントのように思われがちですが、実際にはスイス全土からの参加者を広く歓迎する全国規模の射撃大会です。特にドイツ語圏スイスやロマンディ地方といった他の地域からも、多くの射撃愛好家がこのイベントを目指して来場します。2025年には、スイス国内で計3つの射撃フェスティバルが開催される予定ですが、その中でもティチーノ州で行われるこのフェスティバルは、特に注目を集める一大イベントとなることでしょう。参加者数は約8,000人から9,000人にのぼると見込まれており、地域を超えて多くの人々が一堂に会する、スイスの射撃文化を象徴する貴重な機会となります。