ナポレオン・ボナパルトの弟であるルイ・ボナパルトの子・ナポレオン3世はあらゆる経済政策をとり、フランスの産業革命に多大に貢献しました。その中でも象徴的な政策には鉄道事業です。1840年代に干ばつによる作物の不作から工業不況に波及し頓挫していた鉄道事業で1851年時点の線路距離をナポレオン3世は退く1870年までに5倍に拡大、フランス鉄道網を飛躍的に伸ばすことで全国市場への展望を切り開きました。外交面ではイギリスに工業力でひけをとり、フランスは長い間、高い関税で自国を守っていましたがナポレオン3世は英仏通商条約を締結し、自由貿易に方向転換の結果、国際競争力をつけてフランスの経済繁栄を支えたことは紛れもない事実です。パリ造幣局長のアルバート・バレーが手掛けたこのコインのデザインは月桂樹を冠したナポレオン3世肖像と皇帝ナポレオン3世の文字を配し、裏面はナポレオン家の紋章が描かれとフランス帝国の文字が刻まれています。そしてエッジに刻まれたDIEU PROTÉGÉ LA FRANCEは「神よ、フランスを護りたまえ」という意味ですが、伯父にあたるナポレオン・ボナパルトの第一執政官時代から古く使われている言葉が配されています。
人気も高く、収集家も多いのも特徴で、オークションなどでも不落になることはほとんどない。枚数も少なく今後のコイン需要を考えても、値上がりや価格形成がされやすいコイン。品位も90%と金の割合も多く、金だけでの資産価値も高い。
5、10、20、50、100フラン金貨、更には有冠、無冠で別れており、コレクターの好みにもよりますが有冠の方がコレクターの中では人気も高く、発行枚数も少ないとされています。
年号横にA/BBの記載があり、Aはパリミント、BBはストラスブールミントにて造幣されているという意味。