イギリス ジョージ2世 (1727-1760) クラウン銀貨 1746 リマ鋳 オールドヘッド(第2肖像) Dav1350 S3689 KM585.3 ESC125 NGC MS62 (AU/UNC)

ハノーヴァー朝開祖ジョージ１世の子であるジョージ２世。ジョージ２世のクラウン銀貨は表面のバリエーションは４タイプですが、肖像のデザインは２タイプのみです。裏面のバリエーションは３タイプあります。銘文やLIMAがあるかないかで区別されます。金貨にはなく銀貨の面白いところです。

表面は老年のジョージ２世月桂冠肖像と共に、「神の恩寵によるジョージ２世」の銘文が刻まれており、肖像の下にLIMAと刻まれていますがこれはスペイン艦隊を撃破した際に得たリマの銀を用いて作られたクラウン銀貨であったのでLIMAと刻まれています。当時、スペインは植民地ペルーのリマという地域にポトシという有数の銀山を所有していました。イギリスとスペインが戦う背景に、神聖ローマ皇帝カール6世は男子に恵まれず長年後継者に悩まされ、娘のマリアテレジアにハプスブルク家領（オーストリア）を継がせようとした際に、フランスやプロイセン、そしてスペインがハプスブルク家領を狙い神聖ローマ帝国がそれら国と戦うことになります。イギリスのジョージ２世は選帝侯（神聖ローマ帝国皇帝を選ぶ権利を持つ特権者）であることからマリアテレジア側としてスペインと戦うことになりました。コイン裏面のデザインには４に区切られた紋章が配され、イングラン・スコットランド、フランス、アイルランドそしてハノーヴァー家の４つの紋章が描かれています。銘文には「グレートブリテン、フランスそしてアイルランドの王にして信仰の守護者、ブラウンシュヴァイクとリューネブルクの公爵、神聖ローマ帝国の選帝侯にして内務長官」と刻まれています。状態の良いコインは少なく、状態的に素晴らしく希少品です。