射撃祭とは、1842年から現在に至るまで、ヨーロッパ、とりわけスイスの各地で行われる夏の国民的恒例行事のことで、市町村レベル、県レベル、州レベル、全国レベルとあり、様々なレベルで開催されています。デザインも良いことから、毎年集めるなど、コレクター間で人気シリーズとなっております。
毎年、開催州をテーマに、図柄を変えて発行されるますが、連邦射撃祭の2020年大会は、スイス有数の観光都市ルツェルンにおいて開催予定でしたが、新型コロナウイルス感染症拡大により2021年に延期となりました。それに伴い、コイン表面には、上部にはドイツ語で「ルツェルン州の射撃祭2020」の銘と発行年「2021」が刻印されています。
2021年のルツェルンでのコインは、表面は現代射撃祭の歴代女神の中でも最上位に並ぶ出来のデザインと言われています。 裏面はライオンが描かれていますがこれはスイス傭兵を表しており、ライオンは盾を大事そうに抱えて横たわっています。このデザインは嘆きのライオンと呼ばれている石像がモデルでルツェルンに実際に存在します。時代背景について、フランス革命によりルイ16世はヴェルサイユ宮殿からテュイルリー宮殿に追いやられ1793年に下層民が義勇兵となってルイ16世の居城を襲撃し、マリーアントワネットら家族を守っていたスイス傭兵が多く虐殺されたことからスイス国民は傭兵達を偲び石像をルツェルンで建設したといわれています。このことから、背中を刺されて横たわるライオンはブルボン朝の紋章である盾を抱えており、背景にはスイスの紋章盾が描かれています。その中でもピエフォーと呼ばれる厚手型で、発行枚数も通常(150枚)より少なく希少性が高い。