インドネシア 10000ルピア金貨 1970 24.68gm .900Fine 独立25年記念 Fr-3 KM-30 NGC PF66 ULTRA CAMEO(Proof UNC)

このコインはインドネシア独立25周年を記念して造られた記念金貨です。独立25周年コインは金貨5枚、銀貨5枚の計10枚からなるセットですが、このコインはそのうちの一枚です。金貨は高額コインから順に25,000ルピア、20,000ルピア、10,000ルピアと続きます。

インドネシアは1945年8月17日、中央ジャカルタ東ペガンサアン通り56番地（スカルノ邸）で読み上げた「インドネシア独立宣言」により独立となりますが、実際にはオランダが承認せず、以後4年にわたる独立戦争に突入しました。オランダからの二度の大規模な軍事行動を受けたのち、国連の介入によって1949年11月にハーグ円卓会議を経てハーグ協定が成立し、インドネシア連邦共和国が誕生しました。しかしスカルノらは、連邦制はオランダの「分割して支配する方式」の産物であるとして1950年8月には一方的に連邦制を廃し、インドネシアを単一共和国に生れ変らせることに成功、独立運動に一応の終止符をうちました。

裏面に描かれたこのジャワダンサーは、国の伝統的な舞踊を表したものであり、その舞踊の背景を知ることで、このデザインに込めた想いを読み取ることができます。ジャワ舞踊はインドネシアジャワ島の宮廷舞踊で、起源は5世紀～6世紀とされています。華やかでにぎやかなバリの舞踊とは対照的に、ジャワ舞踊は抑制された「静」の動きを特徴とし、水が流れるようにすべての動きが途切れることなくガムランの演奏に合わせて踊られます。宮廷における舞踊の機能は王の権威を高めることにあり、舞踊は神に祈りをささげる行為とされ、踊り手は人間的な感情を表現することはありません。