コイン研究家・収集家として有名であったヴィットリオ・エマヌエレ3世は自身の発行貨幣にも意欲的に携わり、古代ギリシャ・ローマ時代のコインデザインを参考に美しいコインを多数発行しました。イタリアコインと言えば「ヴィットリオ・エマヌエレ」のコインとも言われるほど人気の高いコインとなります。父はウンベルト1世、祖父はヴィットリオ・エマヌエレ2世であり、祖父の名をもらって1900年に即位しました。イタリアが王国として存在した最後の国王であり、国王ながら第一次世界大戦、第二次世界大戦に参戦し、ムッソリーニのファシスト党を後押ししましたが、連合国に敗れ王政が廃止されエジプトへ亡命しました。最後は不思議な死を遂げたと言われています。
この1912年銘の100リレ金貨は4,946枚発行されていますが、その後、第一次世界大戦が開戦したことで、多数が回収され溶解され、状態の綺麗なコインも少ないとされています。 また、特にMS63以上~数がぐっと少なくなる為、とても希少な状態のコインです。ここ最近イタリアコインが人気が出てきており、価格も徐々に上がってきている傾向にあります。
通称「豊穣の女神」と呼ばれる人気の金貨で、女神が収穫した麦を抱えたデザインになっており、表面は軍服を着たヴィットリオ・エマヌエレ3世がデザインされています。イタリアの豊作を願ったコインでもあります。このコインは、実は1912年の他に、1926年、1927年に製造・発行されていますが、1926年は40枚、1927年は30枚とごく少数が鋳造されたため、実質市場に出てくるのは1912年のみと考えるべきです。