南太平洋の赤道直下の島パプアニューギニアは地上最後の秘境と呼ばれることも多い楽園として知られています。森林に覆われた島全体が野生動物の宝庫であり、海に囲まれた地理的条件から、多彩な魚類の生息も確認されています。主に17世紀以降、ヨーロッパの列強諸国による海外領土の獲得とそれらの植民地化推進の歴史の中でも、この南太平洋の最後の楽園への列強の進出は比較的遅く、19世紀末になって初めて、かつてのドイツ帝国が領土としたことが始まりです。ドイツによる植民地政策が推進されていた19世紀後半から20世紀初頭にかけてのギニアですが、それによって島が温存する大自然とその景観が損なわれることはありませんでした。現在の21世紀においても、パプアニューギニアの名の下に地球上最大の自然の宝庫として世界的な注目を集めています。この地球最後の秘境には固有の進化を遂げた不思議な動物があふれており、中でも特に目を惹くのは、世界で最も美しい鳥として知られている「森の精霊」こと、極楽鳥です。この美しい鳥はニューギニア島とオーストラリアの北東部のみで生息が確認されている野生動物です。現在までのところ、全部で42種が確認されていますが、その内32種がパプアニューギニアに生息しているとのことです。
コインのデザインではよく、その時代の君主の肖像や国章を用いることが多い中、ドイツ本国の鷲の紋章の使用許可が得られず、ニューギニアの国鳥であり、富と幸福と親善のシンボルである極楽鳥がデザインとして採用されました。銀貨ならではのトーンが、時の流れを感じさせてくれる一枚です。デザイン性の美しさや人気から2020年には復刻版も発行されたほどで、額面違いでコレクションしてみるのも一興です。こちらのコインは下部にミントマーク「A」が刻印されており、ベルリン造幣局で鋳造されたことがわかります。ドイツの造幣局の場合、他にD(ミュンヘン)、F(シュトットゥガルト)、G(カールスルーエ)、J(ハンブルク)を見つけることができます。