新国王チャールズ3世初の肖像画(彫刻家 Martin Jennings デザイン)と、裏面には国と国民のために人生をささげたエリザベス2世の肖像が描かれています。
チャールズという名を持つ歴代3番目の国王となったチャールズ3世ですが、1世と2世の治世の下に制作されたコインに付されていた碑文にはラテン語の王名「Carolus=チャールズ」が刻まれていました。しかし、それらの数百年後に誕生した今回の作品の王名部分はより親しみやすい英語名で「Charles」と刻まれており、現代に即した配慮を感じさせます。また、それに続く「神の恩寵による国王」と「忠誠の擁護者」の部分はこれまで通りラテン語で記されており、長い歴史を誇るロイヤルミントならではの伝統に対する敬意を感じさせます。チャールズ3世の治世初のリリースを記念するこの公式コインポートレートは、ロイヤルミントに所属する実力派デザイナーで英国を代表する彫刻家の一人として知られるマーティン・ジェニングスの手による21世紀ならではの秀作です。コイン裏面は前国王エリザベス2世の追憶に捧げられています。在りし日のエリザベス2世の右向きの横顔を刻むその格調高い裏面は、イギリス連合王国と連邦に捧げられた女王の生涯に対する歴史的なオマージュでもあります。「エリザベス女王」を意味するラテン語碑文に続いて女王の生年と没年が西暦で記されています。この情感豊かで優美な肖像は、ロイヤルミントのもう一人の才人、ジョン・バーグダールが想像力の限りを尽くして新たに制作した肖像で、新国王自身の承認を得て公表されたものであることが伝えられています。望の新国王の治世下初のリリースとなる当コインですが、そこには今日まで1100年以上もの長大なる年月をひたすらコイン制作に捧げてきたロイヤルミントのみが到達し得た卓越の技と美意識を感じ取ることができます。