1527年、フェリペ皇太子は神聖ローマ皇帝カール5世(カルロス1世)とポルトガル王マヌエル1世の娘であるイザベルの間に生まれました。当時のスペインは太陽の沈まない国といわれるほど反映しており、現在のフィリピンの語源は、当時アストゥリアス公であったフェリペの名前に由来するほど強い影響力を持っていました。また、ハプスブルク家は、フェリペ皇太子が生まれた代でスペイン・ハプスブルク家とオーストリア・ハプスブルク家に分家しています。フェリペ2世は全盛期のスペイン帝国に君臨した国王ですが、イングランドの歴史にもかかわっており、メアリー1世の夫で共同統治者という立場に在りました。メアリー1世との世継ぎを残すことでイングランドを支配することを企みますが、その計画は失敗に終わり、以降はエリザベス1世の統治によりイングランドは黄金期を迎えることとなります。1550年前後、スペイン人たちはメキシコで巨大な金山や銀山を発見し、造幣局を作り、大量の金貨銀貨を発行しました。このころのコインは重量を統一させるために金銀を板状に延ばし、定められた重量で切断し、その両面に刻印したため、いびつで不揃いなコインが多く存在します。その形態から、これらのコインを「コブコイン」「コブマネー」と呼んでおります。「コブ」はスペイン語の「Cabo de Barra(棒の切れ端)」を略したものとされています。コブコインの発行は1750年頃まで続いています。