セントラル・アメリカ共和国は現在のグアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドル、ニカラグア、コスタリカに相当する地域により構成されていた共和国です。1808年にフランス帝国のナポレオン・ボナパルトがスペインに侵攻し、ナポレオンはボルボン朝のフェルナンド7世を退けて兄のジョゼフ・ボナパルトをスペイン王ホセ1世としました。これに反対する民衆暴動が契機となってスペイン独立戦争が勃発、イスパノアメリカのインディアス植民地は偽王への忠誠を拒否し、フェルナンド7世への忠誠を唱えてクリオージョによるペニンスラールから権力の奪取を図り、各地で自治運動が繰り広げられました。中央アメリカでもこのような自治への動きは存在したが、結局広範な運動にはならず、独立運動にも繋がりませんでした。独立へ動いたのは1820年に王党派や保守派により反自由主義憲法が唱えられ1821年に独立を達成、その後1822年~1824年にかけて中央アメリカとメキシコの併合などを経て中央アメリカ諸州連合が成立し、1824年1月の憲法制定により、5州からなる中央アメリカ連邦共和国に改組されました。しかし存続が20年にも満たなかったためコインの発行が少なく現在では状態の良いコインはとても貴重です。その後5カ国は中央アメリカから順次独立して1839年には同共和国は完全に消滅しました。スペインの植民地支配を脱した新生共和国らしい太陽と連山、繁栄を表す樹木のデザインにて発行されています。1824年から1847年まで発行され、大型銀貨としても人気のデザインです。このコインは自然で風合いのよいトーンがのっており、この状態での現存はとても希少です。