ラーマ4世時代にタイで発行された大型の銀貨です。ラーマ4世時代に発行された銀貨としては4バーツに次ぐ大型サイズの銀貨で、表面は中央にモンクート王の王冠、両側に国王の日傘、裏面はチャクリー(サンスクリット語で輪の意)の中央に象の描かれたタイらしいデザインで人気のコインです。ラーマ4世はチャクリー王朝の第4代のシャム国王でありタマユットニカーイ(合理主義と厳しい戒律で知られる仏教集団・派閥)の創設者でもあり、チョームクラオやモンクットとも呼ばれています。(ただしラーマ6世もモンクットと呼ばれる名前があったようです。)元々は兄のラーマ3世よりも彼の方に王位継承権がありましたが、学業専念のために兄に王位を譲り、学問を続け、即位までの27年間は出家して寺院に属し、経文の言語であるパーリ語、サンスクリット語をマスターしたそうです。その勉学の中で、当時の国内の仏教の在り方について疑問を感じ、革新派の仏教集団「タマユットニカーイ」を創設しています。ラーマ4世は西洋との関係を重視し、イギリス人の家庭教師を招きその時の様子が映画化されたり、西洋との自由貿易を開始する中で、現在もタイの大きな輸出品目である米の輸出を開始しています。また、62人の子を残したとされていたり、独学で学んだ天文学によって日食の場所・時刻を発見し、1868年8月18日にプラチュワップキーリーカンを訪れ、予測通り観測できたといわれており、話題も多くあります。なお、観測場所に選んだサームローイヨート付近はマラリアのはびこる地帯であったため、ラーマ4世もこれに伝染し、2週間後に崩御したといわれています。