神聖ローマ帝国 マリアテレジア(1740-1780) 1ドゥカート金貨 1757 ウィーン鋳 胸像タイプ Fr-406 NGC AU58 (EF)

このコインが発行された時代は、マリア・テレジアがハプスブルク家を率いて神聖ローマ帝国を治めていた時期です。彼女は1740年から1780年まで女王として統治し、神聖ローマ帝国、オーストリア、ハンガリー、ボヘミアなどの多くの領地を支配しました。彼女の治世は、戦争や改革の時代であり、オーストリア継承戦争（1740-1748）や七年戦争（1756-1763）など、大規模な戦争を通じて帝国の存続と権威を守るために尽力しました。63歳でなくなるまで、皇帝フランツ1世シュテファンとの間に16人の子供をもうけ、その中にはマリー・アントワネット（フランス王妃）など、のちのヨーロッパの歴史に深くかかわる人物もいます。表面には、マリア・テレジアの右向き胸像が描かれています。彼女の威厳と高貴さを象徴するこの胸像は、帝国を強固に支配した女王としての姿を強調しています。彼女の頭には王冠が乗り、身にまとう装飾はハプスブルク家の豊かな権威を示しています。裏面には、神聖ローマ帝国の象徴である双頭の鷲が大きく描かれています。この双頭の鷲は、帝国の二重の統治権（教会と世俗、東と西の権力）を示すと同時に、オーストリア・ハプスブルク家が広大な領地を支配していたことを象徴しています。鷲の胸には、オーストリア、ボヘミア、チロル、ドイツ、ハンガリーなどの紋章が描かれ、これらの地域がマリア・テレジアの統治下にあったことを示しています。