デンマーク領西インド諸島 クリスチャン9世(1863-1906) 4ダラー/20フラン金貨 1904 Fr-2 KM-72 NGC MS64 (UNC)

デンマーク領西インド諸島は、現在のアメリカ領ヴァージン諸島（セント・クロイ島、セント・ジョン島、セント・トーマス島など）に相当します。デンマークは1917年にこれらの島々をアメリカに売却しています。当時、ヨーロッパでの通貨統一を目的とした「ラテン通貨同盟」にデンマーク領西インド諸島は参加しなかったものの、1904年にラテン通貨同盟の基準を採用したことで、フラン表記のある4ダラー金貨が1904年と1905年に発行されました。表の肖像にはクリスチャン9世と「CHRISTIAN Ⅸ・1904」「DANSK VESTINDIEN」（西インド諸島）の文字が、裏面にはオールを片手に船に乗る女神の像と「20FRANCS」「4DALER」の文字がデザインされています。クリスチャン9世はリュクスボー朝初代のデンマーク国王です。国王となる以前、王子であった1838年には、ウエストミンスター寺院で執り行われたヴィクトリア女王の戴冠式にデンマーク王家を代表して出席しています。即位後、クリスチャン9世は3男3女の子供をもうけていますが、息子たちは各国の国王になり、娘たちはヨーロッパ諸王家に嫁いだため、「ヨーロッパの義父」と呼ばれました。ロシア皇帝ニコライ2世やイギリス国王ジョージ5世 、ノルウェー国王ホーコン7世、ギリシャ国王コンスタンティノス1世はいずれもクリスチャン9世の孫にあたります。