Saint-Gaudens と呼ばれるアメリカを代表する金貨で、その由来はこのコインのデザインを手がけたオーガスト・セントゴーデンスからきています。このコインが発行される以前のアメリカのコインはデザイン的にも精緻を極めたものがなく、大統領が洗練されたコインの製造を促すことで誕生したコインです。製造当初は美しさを求めて、彫刻家らしい発想の高浮彫(ハイレリーフ)のコインが鋳造されましたが、その鋳造技術の難しさからローレリーフ(高浮彫が複数回プレスに対して、ローレリーフは1回のプレス)に変更するなどして一般流通に至りました。この時の高浮彫のコインは、このシリーズの中でも希少とされ、人気もさらに高いデザインです。また、より細かなデザインの違いとしては、一般流通が開始されて以降、1907年から1908年には裏面の「IN GOD WE TRUST」が刻印されていないNo Mottoタイプがありますが、これは製造当初に刻印を忘れていたためで、連邦議会から明記するよう指摘を受け、それ以降のコインはMottoが刻印されています。なお、IN GOD WE TRUSTは「我々は神を信じる」という意味で、アメリカ合衆国における公式な国家の標語です。このコインのデザインとなる自由の女神(足元に国会議事堂)とアメリカンイーグル(アメリカの国鳥であるハクトウワシ)から、10ドル金貨を「イーグル」、20ドル金貨を「ダブルイーグル」と呼称されることもあります。