エリザベス・オブ・ヨークは、ヨーク朝のエドワード4世の娘として生まれ、テューダー朝のヘンリー7世と政略結婚をした女性です。
誕生から2度も婚約が破談となり、自身が生まれたヨーク家を終わらせた相手と結婚したことから悲劇的な人物として語られることも多いです。
この記事ではエリザベス・オブ・ヨークのアンティークコインを2種類紹介し、生い立ちと歴史を解説します。
エリザベス・オブ・ヨークの生い立ちと歴史
画像引用:https://www.englishmonarchs.co.uk/tudor_11.htm
父親 | エドワード4世 |
母親 | エリザベス・ウッドヴィル |
配偶者 | ヘンリー7世 |
家名 | ヨーク家 |
子供 | アーサー |
マーガレット | |
ヘンリー8世 | |
メアリ― |
エリザベス・オブ・ヨークはヨーク朝の王であるエドワード4世の娘として生まれ、テューダー朝のヘンリー7世の配偶者となった王族です。
エリザベス・オブ・ヨークの生い立ちと歴史を3つの章に分けて解説します。
- 2度の婚約が破談となる
- 薔薇戦争の終結とヘンリー7世との結婚
- 4人の子供を残し、出産直後に亡くなる
2度の婚約が破談となる
1466年、ウェストミンスター宮殿にて、エリザベス・オブ・ヨークは国王エドワード4世と王妃エリザベス・ウッドヴィルの間に初めて生まれた子供でした。
エドワード4世とエリザベス・ウッドヴィルは共に別の相手との子供がいたため、エリザベスには異父・異母兄弟が存在しました。
5歳のときにノーサンバーランド伯ジョン・ネヴィルと婚約しますが、ジョン・ネヴィルの父がランカスター側に寝返ったため破談となりました。
次にフランス王ルイ11世の王子シャルル8世と婚約しますが、ルイ11世により一方的に解消されました。
また、このとき後の夫であるヘンリー7世との縁談も上がっていましたが、ヨーク家の娘と結婚することでヨーク側に取り込まれることを危惧したことにより断られています。
薔薇戦争の終結とヘンリー7世との結婚
一度は縁談を断ったヘンリーですが、今度はヨーク家の娘であるエリザベスを政治的に利用することを考えます。
ヘンリーはランカスター家の一族ではあるものの王位を継ぐには疑問が残りやすい立ち位置であったため、王権をより強固なものにするためにヨーク家の娘と結婚し、ランカスター家とヨーク家を統合して支持を集めようとしました。
1483年にヘンリーはブルターニュのレンヌ大聖堂で、王位に付いた際にはエリザベスを妃に迎え入れることを宣言します。
1485年に薔薇戦争最後の戦いであるホズワースの戦いが開戦し、ヘンリーはリチャード3世を打倒し、ヨーク王朝を終わらせました。
そして、翌年にウェストミンスター大聖堂で結婚の儀が取り行われ、ヘンリー7世の王権はエリザベスとの結婚により強固なものとなりました
8人の子供を産み、出産直後に亡くなる
ヘンリー7世とエリザベス・オブ・ヨークの間には8人の子供が生まれ、4人の子供はすぐに亡くなっています。
1502年に長男アーサーが亡くなり、その翌年に最後の娘であるキャサリンを産んですぐに産褥死します。
しかし、生まれたキャサリンも数カ月後に亡くなりました。
エリザベス・オブ・ヨークの性格、人柄などは残念ながら後世にはほとんど伝わっていません。
ヨーク家の娘として生まれ、ヨーク朝を終わらせたヘンリー7世との結婚になにを思ったのか彼女の心は謎に包まれています。
当時からすれば長身の女性であったといわれており、自ら弓矢を取り狩りをおこなったという逸話が残っているので、現代の感覚では活発な人だったといえるかもしれません。
ホワイト・プリンセス エリザベス・オブ・ヨーク物語
ヘンリー7世とエリザベスが結婚し、ランカスター家とヨーク家が統一された後のテューダー朝を独自の解釈で描いています。
エリザベス・オブ・ヨークを演じるのはジョディ・カマー、全8回で日本でも吹き替え版が放送されました。
エリザベス・オブ・ヨークの希少性が高いアンティークコイン
エリザベス・オブ・ヨークに興味を持った方の多くは、ホワイト・プリンセス エリザベス・オブ・ヨーク物語で知った方や、イギリスの歴史が好きな人が多いかと思います。
発行されているアンティークコインに関しては、記念メダルがいくつか現存しています。
しかし、滅多に市場に出回るものではなく、現存しているメダルの一部は大英博物館が所有しているようです。
ここでは、大英博物館の所有品であるアンティークコインを2種類紹介します。
- エリザベス・オブ・ヨーク 銀メダル 1885年
- エリザベス・オブ・ヨーク ヘンリー7世 結婚記念金メダル
エリザベス・オブ・ヨーク 銀メダル 1885年
発行国 | イギリス |
発行年 | 1885年 |
額面 | - |
グレード | - |
直径 | 39mm |
重量 | 不明 |
品位 | 不明 |
発行枚数 | 不明 |
状態 | - |
参考:https://www.britishmuseum.org/collection/object/C_M-6780
こちらの銀メダルは後世に作られたものであり、ダニエル・フリードリッヒ・ルーズがヨーク家の末裔から受け取った版画を基に作成されました。
表面にはエリザベス・オブ・ヨークの胸像が描かれており、裏面には2つの薔薇が交差している様子が描かれています。
エリザベス・オブ・ヨーク ヘンリー7世 結婚記念金メダル
発行国 | チェコ |
発行年 | 16世紀 |
額面 | - |
グレード | - |
直径 | 55mm |
重量 | 不明 |
品位 | 不明 |
発行枚数 | 不明 |
状態 | - |
参考:https://www.britishmuseum.org/collection/object/C_1837-1030-24
エリザベス・オブ・ヨークとヘンリー7世の結婚を記念して作られた金メダルです。
大英博物館に展示されているメダルは、16世紀の終わりにチェコのプラハの金細工職人によって新たに作られたものと考えられています。
ヘンリー7世とエリザベス・オブ・ヨークが並んだ姿が描かれており、手をつなぎ向かい合っています。
エリザベス・オブ・ヨークのアンティークコインに関するよくある質問
それでは、エリザベス・オブ・ヨークのアンティークコインに関するよくある質問をまとめました。
- エリザベス・オブ・ヨークのアンティークコインを購入するおすすめの方法は?
- イギリス(イングランド)のアンティークコインの買取を依頼するには?
それぞれ詳しく解説します。
エリザベス・オブ・ヨークのアンティークコインを購入するおすすめの方法は?
エリザベス・オブ・ヨークのコインはほとんど市場に出回っておらず、博物館に展示されるほど希少価値が高いアンティークコインです。
見ることはできても手元に置くことは難しいため、資産防衛に役立つコインを探しているなら他のコインを検討するとよいでしょう。
イギリスのアンティークコインを購入するなら、信用性の低いオークションサイトを利用するのではなく信頼できるコイン業者を通して購入することをおすすめします。
古物商許可証を取得しているか、コインの真贋保証などが付いているかどうかが見極めるポイントになります。
イギリス(イングランド)のアンティークコインの買取を依頼するには?
イギリス、またはイングランドのコインは、現在のイギリス王室であるウィンザー朝のモダンコイン、テューダー朝をはじめとする古い王朝のアンティークコインが存在します。
イギリス・イングランドのコインをお持ちの方は当サイト「コインライブラリー・プリンシパル」で買取を依頼可能です。
鑑定から現金化まで丁寧にサポートし、高価買取を実施します。
お手持ちのコインを当サイトに出品することもできるので、詳しくはこちらのページを参考にしてください。
まとめ
エリザベス・オブ・ヨークは後世に作られたホワイト・プリンセス エリザベス・オブ・ヨーク物語の影響もあり人気が高まっています。
アンティークコインを保有するのは難しいですが、大英博物館が所蔵しているため鑑賞できる機会があれば鑑賞したいところです。