エリザベス2世は、1952年から2022年まで在位した歴代最高の在位期間を持つ女王であり、在位期間中に発行されたエリザベス2世のコインであるエリザベスコインの種類も多くなっています。
発行した目的も大きさも額面も異なるエリザベスコインの種類は、数多くあり、それぞれの価値も異なります。
崩御したことにより今後新たに発行されるコインは少なくなることが予想されますが、中には時と共に価値が増していくコインも出てくるかもしれません。
この記事では、エリザベスコインの金貨・銀貨に分けてバラエティ豊かな代表的なコインを紹介します。
エリザベスコインの種類について
エリザベスコインの種類に関して以下の観点から解説します。
- 発行目的による種別
- 大きさによる種別
- 額面による種別
それぞれ詳しく見ていきましょう。
発行目的による種別
エリザベスコインの発行目的は、主に記念コインと投資用コインの2種類があります。
1952年当時は金本位制が廃止されており、銀の価値が上がったことから通貨にも銀が使用されることが少なくなりました。
そのため、金貨・銀貨の発行目的は、なんらかのイベントやお祝い事を記念して発行されるか、投資用に発行される純金・純銀のコインが主になっています。
記念コインはイギリスを中心に発行されていますが、投資用コインはイギリスだけでなくイギリス連邦加盟国を中心に発行されている知名度の高いエリザベスコインもあります。
大きさによる種別
同じ種類のコインであっても異なる大きさで発行されることがあります。
記念コインは大型のコインのほうが見栄えがいいことからコレクターに好まれやすいです。
投資用コインであれば投資額を幅広くするために、1オンス(oz)を基準に主に1、1/2、1/4、1/10オンスの4種類のエリザベスコインが発行される仕組みです。
それぞれの直系とグラムについて下記の表にまとめました。
オンス(toz) | 直径 | グラム(g) |
1オンス | 30mm | 31.1035g |
1/2オンス | 25mm | 15.5517g |
1/4オンス | 20mm | 7.7758g |
1/10オンス | 16mm | 3.1103g |
投資用の金貨を日本で売買する場合は、グラムと円を基準にした金価格をもとに手数料を含めた販売価格と売却価格を決めて取引するのが一般的です。
額面による種別
記念コインは5ポンド金貨が最も有名であり、エリザベスコインの5ポンド金貨はアンティークコインの収集テーマとなっています。
エリザベスコインは異なる額面を持つコインが多数発行されてきた歴史があり、一部には1,000ポンドの額面を持つ大型金貨が発行されたこともあります。
また、記念コインで金貨と銀貨が発行される場合は、銀貨のほうが低い額面で発行され、金貨の額面は高いことが多いことが特徴です。
エリザベスコインの金貨の種類
エリザベスコインの金貨の種類を紹介します。
- エリザベス2世 5ポンド金貨
- エリザベス2世 メイプルリーフ金貨
- エリザベス2世 カンガルー金貨
- エリザベス2世 マン島キャット金貨
- エリザベス2世 ウナとライオン 1/2ソボレン金貨
- エリザベス2世 即位70周年記念プラチナジュビリー 5ポンドプルーフ金貨
エリザベス2世 5ポンド金貨
概要 | 内容 |
発行国 | イギリス |
発行年 | 1982年 |
額面 | 5ポンド |
直径 | 36.02mm |
重量 | 39.94g |
品位 | 金917/1000 |
状態 | Proof FDC |
エリザベス2世の金貨のなかでも最も知名度が高い金貨がこちらの5ポンド金貨です。
若き日のエリザベス2世と聖ジョージの竜退治のデザインが描かれた金貨は、アンティークコインに対する知識のある方であれば多くの人が見たことがある図柄であることでしょう。
エリザベスコインの5ポンド金貨は、記念コインが多く発行されていることからアンティークコインの収集テーマとなっており、スタンダードとなるのがこちらの金貨になります。
エリザベス2世の5ポンド金貨について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
エリザベス2世の5ポンド金貨おすすめ10選!希少性のあるコインを紹介
エリザベス2世 メイプルリーフ金貨
概要 | 内容 |
発行国 | カナダ |
発行年 | 2011年 |
額面 | 10ドル |
直径 | 20mm |
重量 | 7.7758g(1/4oz) |
品位 | 金999/1000 |
メイプルリーフ金貨は、イギリス連邦加盟国であるカナダで発行される投資用金貨で、投資用の金貨として信頼性が高く広く取引されています。
表面のサトウカエデの葉が特徴的ですが、裏面にエリザベス2世の肖像が描かれています。
今後も投資用の金貨として広く発行されることが予測されますが、裏面の図柄は新たなイギリスの君主に変わることが予測されることでしょう。
エリザベス2世 カンガルー金貨
概要 | 内容 |
発行国 | オーストラリア |
発行年 | 2022年 |
額面 | 100ドル |
直径 | 30mm |
重量 | 31.1035g(1oz) |
品位 | 金999/1000 |
カンガルー金貨は、同じくイギリス連邦加盟国である西オーストラリア州政府により発行される投資用金貨です。
1989年の発行開始から毎年デザインが変化しているのが特徴であり、投資用金貨ですが人気の高い動物であるカンガルーが描かれることからコレクター需要も高い金貨となっています。
カンガルー金貨は毎年図柄が更新される投資用金貨であるため、エリザベスコインであることよりもカンガルーの図柄が変わることに注目されやすいです。
エリザベス2世 マン島キャット金貨
概要 | 内容 |
発行国 | マン島 |
発行年 | 1988年 |
額面 | 1/2Crown |
直径 | 30mm |
重量 | 15.5g |
品位 | 金999/1000 |
マン島キャット金貨は、マン島と呼ばれるイギリスの君主が保有する自治島で発行された投資用金貨です。
こちらの猫は尻尾がないマン島特有のマンクスキャットと呼ばれる品種であり、猫の図柄は毎年、異なる品種の猫に変更されました。
エリザベスコインの中でもアクセサリーの加工に人気が高く、2012年に発行が終了してから、加工されるコインが多いことから少しずつ希少性が上がっています。
エリザベス2世 25ポンド金貨 ピーターラビット
概要 | 内容 |
発行国 | イギリス |
発行年 | 2016年 |
額面 | 25ポンド |
グレード | PF70(NGC) |
直径 | 22mm |
枚数 | 500枚 |
ピーターラビットの産みの親であるビアトリクス・ポターが2016年に生誕150周年を迎えたことを記念に作られたのがこちらの記念金貨です。
ピーターラビットが描かれていることから、同作品が好きな方にもおすすめできる1枚となっています。
発行枚数はわずか500枚ですべてが完売しており、希少性も高い金貨です。
エリザベス2世 ウナとライオン 1/2ソボレン金貨
概要 | 内容 |
発行国 | イギリス |
発行年 | 1989年 |
額面 | 1/2ソボレン |
直径 | 18mm |
状態 | UNC+ |
ウナとライオンは世界で一番美しい金貨と呼ばれますが、裏面の図柄を発行当時のヴィクトリア女王ではなく、エリザベス2世にして発行されたコインもあります。
イギリスのジブラルタル王室造幣局で発行された金貨であり、ウナとライオンとエリザベス2世の組み合わせから人気の高いエリザベスコインです。
エリザベス2世 即位70周年記念プラチナジュビリー 5ポンドプルーフ金貨
概要 | 内容 |
発行国 | イギリス |
発行年 | 2022年 |
額面 | 5ポンド |
直径 | 38.61mm |
重量 | 39.94g |
品位 | 金999/1000 |
発行枚数 | 400 |
2022年2月6日にプラチナジュビリーを迎えたエリザベス2世を記念して作られた5ポンド金貨です。
若き日の女王の乗馬姿が描かれており、過去に発行された馬上のエリザベスを参考に新たにデザインされた図柄です。
完成度が非常に高く、近年に発行されたコインではありますが、長期的に価値が高まることが期待されます。
エリザベスコインの銀貨の種類
エリザベスコインの銀貨・銅貨の種類を紹介します。
- エリザベス2世 ブリタニア銀貨
- エリザベス2世 1ドル銀貨(オタワ鋳)
それぞれ詳しく見ていきましょう。
エリザベス2世 ブリタニア銀貨
画像引用:https://www.royalmint.com/invest/bullion/bullion-coins/silver-coins/britannia-2023-1-oz-silver-bullion-coin/
概要 | 内容 |
発行国 | イギリス |
発行年 | 2023年 |
額面 | 2ポンド |
直径 | 30mm |
重量 | 31.1035g(1oz) |
品位 | 銀999/1000 |
ブリタニア銀貨は、イギリスの投資用銀貨であり、投資用銀貨としてはトップクラスに人気が高く、高い信用力を持ちます。
イギリスの擬人化であるブリタニアの図柄とエリザベス2世の肖像が特徴であり、2023年に発行される銀貨に関してはエリザベス2世の図柄がそのまま描かれます。
2024年以降は新国王に変わるのではないかと予測されるため、2023年の銀貨がエリザベス2世が描かれる最後のブリタニア銀貨になるかもしれません。
エリザベス2世 1ドル銀貨(オタワ鋳)
概要 | 内容 |
発行国 | イギリス |
発行年 | 1966年 |
額面 | 2ドル |
グレード | MS64 |
直径 | 36mm |
重量 | 23g |
枚数 | 9,912,178枚(485枚) |
品位 | 銀800/1000 |
カナダの首都であるオタワで作られたエリザベス2世の1ドル銀貨であり、オタワはメイプルリーフ金貨を製造している造幣局になります。
こちらの銀貨は9,912,178枚発行されているので、発行年も新しいことから通常のタイプには希少性はほとんどありません。
しかし、上記の銀貨のようにふちを飾るビーズが小さい銀貨は、485枚しか発行されていないことから一定の希少性を持ちます。
エリザベスコインの種類に関するよくある質問
エリザベスコインの種類に関するよくある質問をまとめました。
- エリザベスコインはどの種類がおすすめ?
- 記念コインのエリザべスコインを購入する方法は?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
エリザベスコインはどの種類がおすすめ?
エリザベス2世のコインを収集するにあたって、どの種類がおすすめであるかはコインの収集目的にもよります。
コレクション目的であれば、今回紹介したコインのなかで気になったものがあればそのコインを購入するのがおすすめになります。
しかし、アンティークコイン投資や金投資・銀投資などの場合は、前者であれば基本的には記念コイン、後者であれば投資用コインから投資対象を探す必要があるので注意が必要です。
記念コインのエリザべスコインを購入する方法は?
記念コインや一部の希少性が認められている投資用コインに関しては、コイン専門店で取り扱いがあります。
エリザベス2世のコインを取り扱っているコイン専門店には「コインライブラリー・プリンシパル」があります。
エリザベス2世を含めたイギリス王室のコインを幅広く取り扱っており、今回紹介したコインも取扱経験がある専門店です。
また、イギリスのコインだけでなく世界中のコインを対象に幅広く買取も受け付けているので、売却したいエリザベスコインがあれば買取に出すこともできます。
詳しくはこちらのページからお問い合わせお願いします。
まとめ
エリザベスコインの種類を紹介しましたが、お気に入りのコインは見つかりましたか?
今後はエリザベス2世が描かれたコインが発行されなくなることが予測されますが、同時に現存するコインは状態を保ちながら保管することで、価値を増していくことが期待されます。
コレクションにも投資にもおすすめのエリザベスコインを知って、自分に合ったコインを探していきましょう。