神聖ローマ帝国は、ドイツ・オーストリア・チェコを中心に中央ヨーロッパに存在した多民族国家および地域のことであり、ローマ教皇に支持された皇帝が描かれたアンティークコインが発行されています。
そのなかでも有名な君主がマリア・テレジアであり、バラエティ豊かなコインが現存しています。
神聖ローマ帝国は1806年に解体されていることから、神聖ローマ帝国のコインを収集するということは、アンティークコインの収集年代に適した18世紀以前のコインに着目して収集することにつながるためおすすめの国です。
この記事では、神聖ローマ帝国のアンティークコイン特集としておすすめの金貨・銀貨を紹介します。
神聖ローマ帝国のアンティークコイン
神聖ローマ帝国は、中央ヨーロッパの他民族国家であり、ドイツ・オーストリア・チェコ・イタリア北部・フランス東部が該当し、10世紀ごろから存在した国や地域のことを指します。
しかし、時代を重ねるごとに統一国家ではなくなり、15世紀ごろからはドイツ国民の神聖ローマ帝国となり、名目だけが残り周辺地域が実質的に独立していくことになります。
1806年、ナポレオン・ボナパルトによって神聖ローマ帝国は解体され、王位はオーストリア帝国に移りました。
そのため、現在は存在しない国・地域であり、1806年以降のアンティークコインは存在しません。
しかし、10世紀ごろから存在しており、新しい金貨・銀貨でも18世紀ごろに発行されたコインであることを考えると神聖ローマ帝国のアンティークコインは全体的に年月が経っており、希少性が高まっています。
神聖ローマ帝国のアンティークコインを見ていきましょう。
神聖ローマ帝国のおすすめ金貨
神聖ローマ帝国のおすすめ金貨を紹介します。
- 神聖ローマ帝国 マリア・テレジア 10ダカット金貨 1753年
- 神聖ローマ帝国 マリア・テレジア 1ダカット金貨 1750年
- 神聖ローマ帝国 フェルディナンド3世 10ダカット金貨 1646年
それぞれ詳しく見ていきましょう。
神聖ローマ帝国 マリア・テレジア 10ダカット金貨 1753年
概要 | 内容 |
発行国 | 神聖ローマ帝国(ウィーン鋳) |
発行年 | 1753年 |
額面 | 10ダカット |
直径 | 48mm |
状態 | EF(表面)/UNC(裏面) |
マリア・テレジアはハプスブルク家カール6世の娘であり、神聖ローマ帝国皇帝にしてロートリンゲン家のフランツ1世の皇后でもあります。
即位後、間もなくオーストリア継承戦争が起こり、その後も領土であったシレジアを奪回すべくプロイセンとの戦いによる7年戦争と戦続きであり、その最中にこのコインは製造されました。
現存一品の珍品であり、状態も素晴らしく、裏面においては刻印が鮮明で未使用の状態を保った最高のコンディションです。
この10ダカット金貨はカタログに収録されておらず、世界中のオークションにも出回ることが無かった大変珍しい金貨です。
マリア・テレジアはアンティークコインにおいても有名な人物であり、神聖ローマ帝国を象徴する君主であるといえるでしょう。
マリア・テレジアの銀貨は他のアンティークコインにはない奇妙な歴史を持っています。以下の記事でその内容をまとめています。
マリアテレジアの1ターレル銀貨が200年以上使用された理由とは?
神聖ローマ帝国 マリア・テレジア 1ダカット金貨 1750年
概要 | 内容 |
発行国 | 神聖ローマ帝国(クレムニッツ鋳) |
発行年 | 1750年 |
額面 | 1ダカット |
直径 | 22mm |
発行枚数 | 132,000枚 |
状態 | EF |
マリア・テレジアは16人の子供を産んでおり、このことから入手しやすい1ターレル銀貨は安産のお守りとして使用されていました。
こちらの1ダカット金貨は、マリア・テレジアの全身が描かれた立像タイプの肖像と聖母子のマドンナ像が裏面に描かれています。
マリー・アントワネットをはじめとする数多くの子供を残したマリア・テレジアにふさわしい母子が描かれた金貨となっています。
表面・裏面において人物の全身が描かれている珍しい金貨です。
神聖ローマ帝国 フェルディナンド3世 10ダカット金貨 1646年
概要 | 内容 |
発行国 | 神聖ローマ帝国(ウィーン鋳) |
発行年 | 1646年 |
額面 | 10ダカット |
直径 | 47mm |
状態 | EF+(表面)/UNC(裏面) |
フェルディナント3世は父フェルディナント2世から読くカトリックとプロテスタントの宗教戦争である三十年戦争をヴェストファーレン条約締結を受諾し、三十年戦争を終結させた人物です。
神聖ローマ帝国のアンティークコインは、ウィーン造幣廠(Vienna Mint)、グラーツ造幣廠(Gratz Mint)、ザンクトファイト(St.Veit)、ポーランドのブレスラウ造幣廠(Breslau Mint)、チェコのプラハ造幣廠(Prague Mint)、ブリュン造幣廠(Brunn Mint)、ハンガリーのクレムニッツ造幣廠(KremnizMint)の7つの地域で発行されており、どの金貨も希少になります。
その希少性の高さから、近年のオークションでは約3,000万円の価値が付けられています。
表面と裏面で状態が変わり、裏面に関しては未使用に近い状態となっている希少な金貨です。
神聖ローマ帝国のおすすめ銀貨
神聖ローマ帝国のおすすめ銀貨を紹介します。
- 神聖ローマ帝国 マリア・テレジア 1ターレル銀貨 1780年
- 神聖ローマ帝国 フェルディナンド2世 2ターレル銀貨 1594-1595年
- 神聖ローマ帝国 ヘンリー3世 1デニール銀貨 1039-1056年
それぞれ詳しく見ていきましょう。
神聖ローマ帝国 マリア・テレジア 1ターレル銀貨 1780年
概要 | 内容 |
発行国 | 神聖ローマ帝国 |
発行年 | 1780年 |
額面 | 1ターレル |
直径 | 41mm |
重量 | 28g |
品位 | 833/1000銀 |
マリア・テレジアの1ターレル銀貨は、さまざまな事情から1780年から200年にわたって発行され続けた銀貨です。
貿易用に発行されたことからレヴァント・ターレルと呼ばれ、現在も安産のお守りとしても用いられており、神聖ローマ帝国を代表するマリア・テレジアのアンティークコインとなっています。
コインの状態や実際の発行年にも依存しますが、比較的入手しやすいことからプレゼント用のアンティークコインの定番です。
神聖ローマ帝国 フェルディナンド2世 2ターレル銀貨 1594-1595年
概要 | 内容 |
発行国 | 神聖ローマ帝国 |
発行年 | 1594年~1595年 |
額面 | 2ターレル |
直径 | 49mm |
重量 | 56.5g |
品位 | 875/1000銀 |
フェルディナンド2世は、三十年戦争においてカトリック勢力を主導した神聖ローマ帝国の皇帝です。
1634年の崩御は暗殺であるという説もあります。
表面には胸部まで描かれたフェルディナンド2世の肖像、裏面にはアルザスの盾の紋章が描かれています。
神聖ローマ帝国 ヘンリー3世 1デニール銀貨 1039-1056年
概要 | 内容 |
発行国 | 神聖ローマ帝国 |
発行年 | 1039年~1056年 |
額面 | 1デニール |
直径 | 21mm |
重量 | 0.76g |
神聖ローマ帝国には、古代コインも現存しており、こちらのコインにはヘンリー3世の肖像が描かれています。
古代コインは1つとして同じコインは存在しないことから、コレクターから根強い人気を持っています。
メインとなる年代は15世紀から18世紀になりますが、初期の神聖ローマ帝国のコインも一部流通していることがあるので目を向けてみましょう。
神聖ローマ帝国のアンティークコインに関するよくある質問
神聖ローマ帝国のアンティークコインに関するよくある質問をまとめました。
- 神聖ローマ帝国のアンティークコインを購入する方法は?
- 神聖ローマ帝国の金貨・銀貨はどこで売却できる?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
神聖ローマ帝国のアンティークコインを購入する方法は?
神聖ローマ帝国のアンティークコインは、コイン専門店を中心に取り扱いがあります。
素性の分からない個人が出品するオークションサイトでの落札は、リスクが高いので信頼できる購入先を利用しましょう。
アンティークコインの購入はコイン専門店を通して購入するのがおすすめです。
神聖ローマ帝国の金貨・銀貨はどこで売却できる?
神聖ローマ帝国の金貨・銀貨は当サイト「コインライブラリー・プリンシパル」を通して売却可能です。
神聖ローマ帝国に限らずヨーロッパ全土・世界中のアンティークコインの買取を受け付けています。
詳しくはこちらのページからお問い合わせください。
まとめ
神聖ローマ帝国のアンティークコインは、18世紀以前の古代コインを含めた希少性の高い金貨・銀貨があります。
アンティークコインの収集先として希少性も高く、ユニークなコインも揃っているので、収集先として魅力的です。
アンティークコインの購入方法についてはこちらの記事で紹介しています。