アルジェリアでは、オスマン帝国・スペイン帝国の進出や、フランス領時代を経ていることからさまざまなアンティークコインが発行されているのが特徴です。
アラビア語で書かれた碑文のコインだけでなく、フランス共和国を象徴する女性であるマリアンヌの銀貨などがあります。
アルジェリアはコインの発行国として有名ではないため、価値がほとんど高まっていないことから、知る人ぞ知る秀逸なデザインのコインや、今後価値が上昇する可能性があるコインも眠っているかもしれません。
この記事では、アルジェリアのアンティークコイン特集としておすすめの金貨・銀貨を紹介します。
アルジェリアのアンティークコイン
アルジェリア民主人民共和国は北アフリカのマグリブに位置する共和制国家であり、世界全体でも10位に入る領土面積を持つ国でもあります。
地中海を隔ててスペインやフランスと向かい合っていることから、かつてスペイン帝国が進出しており、フランス帝国領であった地域でもあります。
アンティークコインからもその影響を読み取ることが可能であり、アルジェリアではかつてスペインのレアルとフランスのフランが発行されていました。
アンティークコインの収集先では有名な国ではないため、コインの価値が高まっておらず、デザインの良いコインや希少性の高いコインがあっても知名度が高まっていないことから、過小評価されている傾向にあります。
アルジェリアのおすすめ金貨・銀貨を紹介します。
アルジェリアのおすすめ金貨
アルジェリアのおすすめ金貨を紹介します。
- アルジェリア マシニッサ 5ディナール金貨 1991年
- アルジェリア アブデルカデル 2ディナール金貨 1996年
- アルジェリア マフムト2世 1スルタニ金貨 1820~1830年
アルジェリア マシニッサ 5ディナール金貨 1991年
概要 | 内容 |
発行 | アルジェリア |
発行年 | 1991年 |
額面 | 5ディナール |
直径 | 27.5mm |
重量 | 16.12g |
品位 | 920/1000金 |
マシニッサとは、古代ローマによる呼称であるヌミディア国の王であり、現在のアルジェリアに位置します。
第二次ポエニ戦争でカルタゴに協力していましたが、後にローマに寝返り、ザマの戦いでカルタゴ軍を後方から攻撃することでローマ軍の勝利に貢献しました。
こちらの金貨は、表面にはマシニッサの肖像と、裏面にはゾウが描かれており、アルジェリアの起源とも呼べるヌミディア国に関連するデザインです。
アルジェリアで発行された数少ない金貨の種類のひとつであるため、注目したいコインといえるでしょう。
アルジェリア アブデルカデル 2ディナール金貨 1996年
概要 | 内容 |
発行 | アルジェリア |
発行年 | 1996年 |
額面 | 2ディナール |
直径 | 21mm |
重量 | 6.45g |
品位 | 920/1000金 |
首長アブデルカデルは、アルジェリアの宗教的および軍事的指導者であり、19世紀初頭にフランス植民地による首都アルジェ侵攻に対する闘争を主導しました。
アルジェリアでは有名な偉人であり、一部のフランスの作家は彼をヌミディアの王であった「現代のユグルタ」と形容し、聖人と称されるようになりました。
首長アブデルカデルの肖像と生誕の年と没年が西暦とヒジュラ暦で書かれており、裏面には額面と発行年が同様に刻まれています。
アルジェリアの偉人であるアブデルカデルが描かれた希少な金貨です。
アルジェリア マフムト2世 1スルタニ金貨 1820~1830年
概要 | 内容 |
発行 | アルジェリア(オスマン帝国領) |
発行年 | 1820年~1830年 |
額面 | 1スルタニ |
直径 | 25mm |
重量 | 3.25g |
マフムト2世は、オスマン帝国の第30代皇帝であり、アルジェリアがオスマン帝国領であった時代に発行されています。
アラビア語の碑文が書かれており、表面には「陸のスルタンと海の皇帝、スルタン、スルタンの息子」、裏面には「スルタン マフムード カーン、1243 年にアルジェで 勝利を収められますように」と書かれています。
ヒジュラ暦の1243年は西暦に直すと1828年、この時代のアルジェリアは砲撃を受けるなど戦乱の世が続いており、1830年にはフランスに完全に占領されました。
アルジェリアの歴史を語るうえで意義のあるアンティークコインといえるでしょう。
アルジェリアのおすすめ銀貨
アルジェリアのおすすめ銀貨を紹介します。
- アルジェリア ウアリ・ブーメディアン 10ディナール銀貨 1994年
- アルジェリア ユグルタ 10ディナール銀貨 1994年
- アルジェリア マリアンヌ 100フラン銀貨 1950年
アルジェリア ウアリ・ブーメディアン 10ディナール銀貨 1994年
概要 | 内容 |
発行 | アルジェリア |
発行年 | 1994年 |
額面 | 10ディナール |
直径 | 31.5mm |
重量 | 14.6g |
品位 | 835/1000銀 |
ウアリ・ブーメディアンは、アルジェリアの大統領であり、アルジェリア独立戦争にも参加した陸軍大佐でもあります。
現在のアルジェリアの成立に大きく貢献した人物であり、首都アルジェにある空港がウアリ・ブーメディアン空港であるのも、彼の名にちなんでいます。
現在のアルジェリアにも大きな影響を与える偉人が描かれた銀貨となっています。
アルジェリア ユグルタ 10ディナール銀貨 1994年
概要 | 内容 |
発行 | アルジェリア |
発行年 | 1994年 |
額面 | 10ディナール |
直径 | 31.5mm |
重量 | 14.6g |
品位 | 835/1000銀 |
ユグルタは、マシニッサがザマの戦いで勝利してから北アフリカで勢力を拡大した後に、ヌミディアの王になった人物です。
ユグルタはローマとの繋がりを有力者に賄賂を贈ることで強化し、ユグルタ戦争によりローマ軍に反旗を翻しました。
賄賂でローマを操り、ローマ軍の弱点を的確についたことからローマとヌミディアの争いは、ローマ軍が非常に苦戦することになりました。
ユグルタ自身は処刑されましたが、ユグルタの身柄確保の貢献を巡ってマリウスとスラの間に不和が発生するなどの後に尾を引く問題を残します。
アルジェリアの起源とも呼べるヌミディアを語るのに欠かせない人物であるユグルタの左向き肖像が描かれた銀貨です。
アルジェリア マリアンヌ 100フラン銀貨 1950年
概要 | 内容 |
発行 | アルジェリア(フランス領) |
発行年 | 1950年 |
額面 | 100フラン |
直径 | 30mm |
重量 | 30.08g |
アルジェリアがフランス植民地であった時代に発行された100フラン銀貨です。
描かれているのはフランス共和国を象徴する女性であるマリアンヌであり、フランスを擬人化する女神として知られています。
フリジア帽と呼ばれる帽子を被っているのが特徴です。
そのため、フランス共和国のさまざまなコインで採用されているデザインとなっており、こちらのマリアンヌはフランスの彫刻家であるピエール・トリノによって描かれています。
発行されているフランの銀貨はこちらのデザインのみとなっていますが、フランスのアンティークコインを収集している方は注目したい銀貨です。
フランスのアンティークコインを知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
フランス アンティークコインの歴史と価値【12種のコイン・メダル】
アルジェリアのアンティークコインに関するよくある質問
アルジェリアのアンティークコインに関するよくある質問をまとめました。
- アルジェリアのアンティークコインはどこで購入できる?
- アルジェリアの金貨・銀貨を売れる場所は?
それぞれ詳しく解説します。
アルジェリアのアンティークコインはどこで購入できる?
アルジェリアのアンティークコインは、一部のコイン専門店を通して購入できます。
個人が簡単に出品できるオークションサイトでも一部のコインの出品が確認できますが、素性のわからない個人からコインを購入する場合は注意が必要です。
初心者が安心してアンティークコインを購入するなら、信頼できるコイン専門店を通して購入することをおすすめします。
アルジェリアの金貨・銀貨を売れる場所は?
アルジェリアの金貨・銀貨が売れる場所は、当サイト「コインライブラリー・プリンシパル」があります。
当サイトでは、アルジェリアのアンティークコインを含む世界中のコインの買取を受け付けています。
現金化したい希少な金貨・銀貨の売却が可能となっているので、詳しくはこちらのページからお問い合わせお願いします。
まとめ
アルジェリアの金貨・銀貨の種類は他の国と比較して、けっして多いわけではなく、収集先として有名ではありませんが、秀逸なデザインのコインが発行されています。
日本の市場ではあまり見ることはありませんが、フランス領自体の100フラン銀貨は流通しやすい傾向にあるため、アルジェリアのなかでも収集しやすいコインといえるでしょう。
アンティークコインの購入方法はこちらの記事で紹介しています。