アンゴラはアフリカ南西部にある国であり、ポルトガルの植民地であった経緯からエスクードやレアルなどの通貨が発行されてきました。
18世紀から現在まで希少なコインが発行されてきましたが、金貨がほとんど発行されていないことが特徴です。
そのため、アンゴラのアンティークコインでは銀貨を中心に探していくことになります。
この記事では、アンゴラのアンティークコイン特集としておすすめの銀貨・銅貨を紹介します。
アンゴラのアンティークコイン
アンゴラはアフリカ南西部、コンゴ川とナミビアの間にある国で、1575 年から 1975 年までポルトガルの植民地でした。
そのため、ポルトガルの通貨であるエスクードやレアルなどの通貨が発行されてきました。
アンゴラでは銀をはじめ銅・ニッケル・アルミなどのコインが多く、金貨がほとんど発行されていないのが特徴です。
アンティークコインの収集対象は、金貨と一部の銀貨またはごく一部の銅貨になることが多いため、金貨がほとんど発行されないアンゴラはコインの収集先として注目されることは稀です。
しかし、銀貨は金貨よりもアンティークコインの収集先として優れている点もあるので、金貨を発行していないことを理由にアンゴラのコインに目を向けないのはもったいないといえるでしょう。
今回は、アンゴラのアンティークコインを銀貨を中心に紹介します。
金貨・銀貨・銅貨、3種類のコインの価値や特徴をこちらの記事で紹介しています。
アンゴラのおすすめ銀貨・銅貨
アンゴラのおすすめ銀貨を紹介します。
- アンゴラ シドニーオリンピック 100クワンザ銀貨 1999年
- アンゴラ エンリケ 100クワンザ銀貨 1999年
- アンゴラ ポルトガルの海外州 20エスクード銀貨(PROVA)1952年
- アンゴラ マリア1世 12マクタス銀貨 1796年
- アンゴラ ジョゼ1世 12マクタス銀貨 1770年
- アンゴラ ポルトガル植民地時代 5センターボ銅貨 1924年
それぞれ詳しく見ていきましょう。
アンゴラ シドニーオリンピック 100クワンザ銀貨 1999年
概要 | 内容 |
発行 | アンゴラ |
発行年 | 1999年 |
額面 | 100クワンザ |
直径 | 38mm |
重量 | 25g |
発行枚数 | 10,000枚 |
品位 | 925/1000銀 |
2000年のシドニーオリンピックを記念してアンゴラで発行された銀貨です。
当時、アンゴラではインフレが発生しており、新しく発行されたクワンザが新たな第2クワンザに置き換えられる混乱期のなかで発行された銀貨です。
そのため、地銀価格としては17ドル程度となっているものの、36ドルの落札事例もあり、希少性が高まっています。
コレクションにも適したアンゴラのなかでも流通している数が多い銀貨となっています。
アンゴラ エンリケ 100クワンザ銀貨 1999年
概要 | 内容 |
発行 | アンゴラ |
発行年 | 1999年 |
額面 | 100クワンザ |
直径 | 38mm |
重量 | 25g |
発行枚数 | 10,000枚 |
品位 | 925/1000銀 |
エンリケは航海王子として知られるポルトガル王国の王子であり、アフリカの探検事業に力を尽くした人物です。
航海王子という異名を持ちながら、自らは航海をほろんど行ったことがないことがわかっており、一説では船酔いが酷かったからといわれています。
しかし、航海に対する情熱が強く、生涯を航海術の研究と航海学校の建設に捧げ、アフリカ探検を指揮しました。
ポルトガルの偉人であり、航海が盛んにならなければアンゴラは植民地になっていないため、アンゴラと関係が深い人物といえます。
右手に槍を持つエンリケ王子と航海を象徴する船が後ろに描かれているデザインです。
ポルトガル史が好きな方であれば入手したい銀貨となっています。
ポルトガルのアンティークコインはこちらの記事で紹介しています。
ポルトガルのレイス硬貨(金貨・銀貨)の歴史と価値【7種のコイン】
アンゴラ ポルトガルの海外州 20エスクード銀貨(PROVA)1952年
概要 | 内容 |
発行 | アンゴラ |
発行年 | 1952年 |
額面 | 20エスクード |
直径 | 30mm |
重量 | 10g |
ポルトガルはヨーロッパ以外にある領土をOverseas province of Portugual(ポルトガル海外州)と呼んでいます。
アンゴラがポルトガル海外州であった時代は1951年~1975年まで続き、こちらの銀貨は1952年~1955年まで発行されていたものです。
しかし、一部の銀貨は「REPÚBLICA · PORTUGUESA」と刻印されている面の上部に「PROVA」と刻印されています。
1952年では右上に、1955年では左上にPROVAと刻印された銀貨が発行されているようです。
そのため、PROVAと刻印された一部の銀貨に関してはほかの銀貨と比較してプレミア価値が高まっており、1952年の刻印入りが最も高い価値でヘリテージオークションで落札されています。
参考
PROVAの刻印がない銀貨
PROVAの刻印が左上にある銀貨
アンゴラ マリア1世 12マクタス銀貨 1796年
概要 | 内容 |
発行 | アンゴラ |
発行年 | 1796年 |
額面 | 12マクタス |
直径 | 37mm |
重量 | 17.5g |
発行枚数 | 27,000枚 |
品位 | 917/1000銀 |
マリア1世は、ポルトガル王国の女王であり、敬虔女王と呼ばれていましたが、在位中に精神に異常をきたし、ブラジルでは狂女ドナ・マリアと呼ばれるようになりました。
精神に異常をきたした原因は、革命によるルイ16世とマリー・アントワネットの処刑であり、ジョアン王子がその後は摂政をつとめました。
アンゴラで発行されたマリア1世の時代の銀貨であり、1789~1796年まで発行されており、1789年製は8,334 枚しか発行されていないため貴重です。
ポルトガル植民地時代に発行されたアンゴラの貴重なアンティークコインとなっています。
アンゴラ ジョゼ1世 12マクタス銀貨 1770年
概要 | 内容 |
発行 | アンゴラ |
発行年 | 1770年 |
額面 | 12マクタス |
直径 | 37mm |
重量 | 17.5g |
発行枚数 | 13,000枚 |
品位 | 917/1000銀 |
ジョゼ1世は、改革王と呼ばれたポルトガル王国の国王です。
しかし、実際に自身で改革を推し進めたのではなく、国政をすべてセバスティアン・デ・カルヴァーリョ(ポンバル侯爵)に委ね、ポンバル侯爵が経済・社会・植民地政策の改革を強引に推し進めたことからこのように呼ばれるようになりました。
本人はオペラや狩猟を愛し、リスボン地震の影響で重度の閉所恐怖症を患い、テントで暮らすようになったといわれています。
植民地政策を含むポルトガルが大きく変化した時代に、アンゴラで発行された銀貨です。
アンゴラ ポルトガル植民地時代 5センターボ銅貨 1924年
概要 | 内容 |
発行 | アンゴラ |
発行年 | 1924年 |
額面 | 5センターボ |
直径 | 25mm |
重量 | 8g |
20世紀のポルトガル植民地時代に発行されたエスクードの補助通貨であるセンターボの銅貨です。
こちらの銅貨も「PROVA」が刻印されたコインがあることが確認されています。
銅貨ではあるものの、オークションサイトなどを通して一部がプレミア付きで流通しています。
ポルトガルのアンティークコインはこちら
アンゴラのアンティークコインに関するよくある質問
アンゴラのアンティークコインに関するよくある質問をまとめました。
- アンゴラのアンティークコインを購入する方法は?
- アンゴラのアンティークコインを売却するには?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
アンゴラのアンティークコインを購入する方法は?
アンゴラのアンティークコインは、日本ではほとんど流通していませんが、コイン専門店などで取り扱いがあります。
オークションサイトなどで出品されることもありますが、信頼性が低いことから素性のわからない個人から落札することは推奨しません。
コイン専門店を通して探すのが良いでしょう。
アンゴラのアンティークコインを売却するには?
アンゴラのようにアンティークコインの収集先としてメジャーではない地域であっても、当サイト「コインライブラリー・プリンシパル」では買取を受け付けています。
当サイトではアンゴラに限らず世界中のアンティークコインの買取をしているため、現金化したい希少なコインがありましたら、買取を検討しましょう。
詳しくはこちらのページからお問い合わせお願いします。
まとめ
アンゴラは金貨がほとんど発行されていませんが、一部の銀貨や銅貨には希少価値があり、プレミア価格で取引されています。
ポルトガルの植民地時代が長かったため、ポルトガルのアンティークコインに興味がある方に収集先としておすすめです。
アンティークコインの購入方法はこちらの記事でチェックしてください。