チベットは、チベット高原を中心とする地域を指し、中華人民共和国の自治区が存在して実効支配されています。
事実上の独立国であった時代もあり、対立も多い政治的に不安定な地域ではありますが、コインが発行されていた歴史もあります。
中国を含むアジアのコインは近年注目が集まっており、その価値も高まっていることから、希少性の高いアンティークコインの保有を検討しているならチベットのコインにも注目したいところです。
この記事では、チベットのアンティークコイン特集としておすすめの金貨・銀貨を紹介します。
チベットのアンティークコイン
チベットは、チベット高原を含む東経77から105度、北緯27から40度に至る地域のことを指します。
中華人民共和国の西蔵と呼ばれる管轄自治区が存在し、実質的に実行支配されている地域でもありますが、主権と領有についてはチベット亡命政府と対立しています。
日本では基本的にチベットを指す場合は、中国の西蔵の自治区に限定せず、チベット全域を指すことが一般的です。
辛亥革命により清国が滅亡した後に、チベット・モンゴル相互承認条約により独立の道を歩んでいた歴史がありましたが、この時代に発行されていた金貨・銀貨があります。
今回は、この時代にチベットで発行されたコインに焦点を当てて紹介していきます。
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チベットのおすすめ金貨
チベットのおすすめ金貨を紹介します。
- チベット 八吉祥文様 1タンカ金貨 1910年
- チベット 雪獅子 20スラン金貨 1918~1921年
- チベット 光緒帝 1/2 ルピー金貨 1905年
それぞれ詳しく見ていきましょう。
チベット 八吉祥文様 1タンカ金貨 1910年
概要 | 内容 |
発行 | チベット |
発行年 | 1910年 |
額面 | 1タンカ |
直径 | 26mm |
重量 | 5.12g |
こちらの金貨は、仏教の八吉祥文様(宝傘、金魚、宝瓶、蓮、白法螺貝、吉祥結、勝幢、法輪)が描かれたコインです。
表面は、装飾的なデザインで囲まれたチベット文字を含む正方形に囲まれた華やかな蓮のデザインであり、裏面には花びらの中に仏教の八吉祥文様を描く八枚の花びらの蓮の花を描いています。
これらのコインは修道士への献上用に鋳造され、後に一般に流通しました。
日付は記載されていませんが、1910 年初頭のモンラム祭中に配布されたことがわかっています。
こちらは銀貨が主流であり、金で打たれたコインは非常に希少性が高いです。
チベット 雪獅子 20スラン金貨 1918~1921年
概要 | 内容 |
発行 | チベット |
発行年 | 1918~1921年 |
額面 | 20スラン |
直径 | 28mm |
重量 | 10.91g |
チベットでは神聖な動物とされている雪獅子(カンセンケ)を描いた希少な金貨になります。
中心に描かれているのが雪獅子であり外側には八吉祥文様のシンボルが描かれており、その裏には中心に花とそれを囲むようにチベット語が彫られています。
その希少性の高さからヘリテージオークションでも近年に出品されたことがあり、1万ドルを超える高い価格で落札されました。
チベット 光緒帝 1/2 ルピー金貨 1905年
概要 | 内容 |
発行 | チベット |
発行年 | 1905年 |
額面 | 1/2 ルピー |
直径 | 24mm |
重量 | 9.38g |
光緒帝は、清の第11代皇帝であり、帽子と花柄のガーメントを着た光緒帝の左向きの胸像が描かれていることが最大の特徴です。
こちらは四川ルピーと呼ばれ、インドルピーに代わる通貨としてチベットで流通しました。
裏面の表意文字は反時計回りに描かれており、中心と文字を囲むように花が描かれています。
こちらの金貨も正確な発行枚数はわかっていませんが、オークションなどで高値で取引されることもある希少性の高い金貨です。
チベットのおすすめ銀貨
チベットのおすすめ銀貨を紹介します。
- チベット 康定(タチエンルー/ルクアン) 1ルピー銀貨 1902~1903 年
- チベット カイラス山の雪獅子 3スラン銀貨 1935~1946年
- チベット 乾隆帝 0.15スラン銀貨 1735~1796 年
それぞれ詳しく見ていきましょう。
チベット 康定(タチエンルー/ルクアン) 1ルピー銀貨 1902~1903 年
概要 | 内容 |
発行 | チベット |
発行年 | 1902~1903 年 |
額面 | 1ルピー |
重量 | 11.53g |
チベットの康定の付近で発生した銀貨であり、19 世紀にチベット東部と四川西部で使用されていたインドルピーに代わるコインです。
四川ルピーが流通する前に特定の地域のみで流通していた銀貨と考えられています
表面には中国語の表意文字、裏面にはチベット語が描かれています。
銀貨でありながら非常に希少性が高いと考えられており、数万ドルで落札されたこともある銀貨です。
チベット カイラス山の雪獅子 3スラン銀貨 1935~1946年
概要 | 内容 |
発行 | チベット |
発行年 | 1935-1946年 |
額面 | 3スラン |
直径 | 31mm |
重量 | 12.50g |
チベットでは雪獅子をデザインしたコインが複数発行されており、こちらはカイラス山と雪獅子を描いた銀貨です。
表面にはカイラス山の正面で左を向いた雪獅子、裏面には仏教で縁起の良いシンボルとされている宝花瓶が描かれています。
こちらの銀貨は発行枚数が多いと考えられることから、状態の良さにもよりますが、入手しやすい銀貨です。
チベット 乾隆帝 0.15スラン銀貨 1735~1796 年
概要 | 内容 |
発行 | チベット |
発行年 | 1735~1796 年 |
額面 | 0.15スラン |
直径 | 30mm |
重量 | 5.60g |
清王朝の時代、第6第皇帝の乾隆帝の名前が刻まれたチベットで使用されていた銀貨です。
中国語とチベット語で反時計回りに読むように刻まれた乾隆帝の文字が特徴です。
チベットでは清王朝の時代からコインが発行されており、希少性の高いコインがいくつも存在しています。
チベットのアンティークコインに関するよくある質問
チベットのアンティークコインに関するよくある質問をまとめました。
- チベットのアンティークコインはどこで購入できる?
- チベットの金貨・銀貨を売却できる場所は?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
チベットのアンティークコインはどこで購入できる?
チベットのアンティークコインは、アンティークコインを専門に取り扱うコイン専門店で取り扱われることがあります。
オークションサイトで落札する場合は、出品者の信頼性やコインの真贋、相場に沿った価格であるかに注意して落札するようにしましょう。
コインの真贋の判別や相場が正確にわからない場合は、信頼できるコイン専門店で購入するほうが安心です。
チベットの金貨・銀貨を売却できる場所は?
チベットの希少性の高い金貨・銀貨は、当サイト「コインライブラリー・プリンシパル」で売却可能です。
チベットに限らずアジアのコインを含む世界中のアンティークコインの買取を行っています。
詳しくはこちらのページからお問い合わせお願いします。
まとめ
チベットは、オークションでも高値で落札される金貨・銀貨が存在することから、資産運用を目的にアジアのアンティークコインを保有したい人はチェックすべきコインの収集先です。
アジアのコインは近年注目が高まっていることから、アンティークコイン投資などでも価値の序章が期待されています。
アンティークコインの購入方法はこちらの記事で紹介しています。