プラチナ投資は、貴金属への投資において金投資と比較してもリスクが大きく危険な投資であるといわれることがあります。
投資方法によってはプラチナへの投資は金と比較してもリスクが大きく、デメリットが目立つかもしれません。
しかし、リスクを理解してプラチナの性質を知れば、適切な投資方法が見えてきます。
この記事では、プラチナ投資のリスクについて解説し、デメリットを避けるための投資方法を紹介します。
プラチナ投資について
プラチナ投資は、産業需要の高さと供給量の少なさから希少性が認められている金属であるプラチナを保有し、値上がりを期待する投資方法です。
具体的には、インゴットやコインなどの現物として保有する方法、投資信託や仮想通貨など投資商品として保有する方法、先物取引やCFDなどで差金決済する方法で投資します。
プラチナはディーゼルエンジンなどの自動車触媒を中心に、医療分野、電子材、石油など産業需要が最も高く、日本では結婚・婚約指輪に使用されることから宝飾需要も一定の割合を占めています。
また、供給は南アフリカ、ロシア、カナダ、アメリカ、ジンバブエなど産出国が限られている上に、金以上に供給量が少ないため、高い希少性が認められている金属です。
そのため、プラチナは貴金属として投資の対象になっており、同じ貴金属の金や銀とは異なる値動きをすると知られています。
また、値幅が大きく値動きが激しいことから、リスクが高く危険であるといわれることもあります。
プラチナ投資について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
プラチナ投資のメリット・デメリットは? 将来性とおすすめの方法を紹介
プラチナ投資のリスク
プラチナ投資で考えられるリスクは大きく分けて3つあります。
- 投資市場の規模が小さく値動きが激しい
- 産業需要に価値が依存している
- 経済状況に価格が左右されやすい
投資市場の規模が小さく値動きが激しい
プラチナの投資市場は、金や銀などの投資対象となっているメジャーな投資金属と比較すると規模は小さいです。
例えば、金は宝飾需要が最も多い金属ではありますが、全体の20%以上が投資需要になっており、投資対象として広く知られているだけでなく、市場の参加者が多いことから値動きは安定しやすい傾向にあります。
プラチナの投資需要は全体の1割にも満たず、金と比較して供給量も少ないことから、投資市場全体で流通するプラチナの量も金と比較して少なく参加者も限られるため、価格変動が大きくなります。
値動きが激しい性質であるため、過去に暴落が発生したこともあることから、プラチナ投資を敬遠するようになった投資家も多くいました。
過去の事例における暴落がリスクの大きさの根拠となっており、今でも危険であるといわれる大きな要因となっています。
金投資とプラチナ投資、それぞれを比較した内容はこちらの記事で紹介しています。
金投資とプラチナ投資はどっちがおすすめ? 特徴と価値を徹底比較!
産業需要に価値が依存している
プラチナは、需要の内訳で産業需要が大きな割合を占めていることから、産業の先行きに価値がされやすいといえます。
かつては中国を中心に宝飾需要も大きかったプラチナですが、代替する安い金属への乗り換える動きが起こったことで、宝飾需要は大きく減少しました。
プラチナは希少性の高い金属ではありますが、希少性が高い故に代替できる他の金属があるなら、代用する動きが広がりやすいということです。
また、プラチナを使用しているディーゼル車も生産台数が減少していることから、プラチナを使用した製品の需要減少にも影響を受けやすくなります。
ただし、次世代自動車として期待されているFCV(燃料電池車)ではディーゼル車以上にプラチナが使われる見込みであると言われているため、プラチナ需要の上昇が期待される材料もあります。
需要の増減については産業の発展によって、どちらに転ぶかがわからないため、将来的に需要が減少するのであれば価格は減少し、反対に将来的に需要が高まるのであれば希少性の高さから価値が大きく高まると考えられます。
現在では一定の需要があり、希少性が高く価値が認められているため、唐突に無価値になる資産とは考えられません。
しかし、産業の発展においてプラチナが必要不可欠な存在になるのか、代用する動きが増えて淘汰されていくのかはわからないことは、産業需要に価値が依存しているリスクといえるでしょう。
経済状況に価格が左右されやすい
プラチナは、産出国が一部の国に限られていますが、その上で産出量において大きな割合を占めているのは南アフリカです。
つまり、南アフリカを中心とする国の経済状況に影響を大きく受けやすく、地政学的リスクも高いといえるでしょう。
ロシアはバラジウムを高い割合で生産していた国でしたが、ウクライナ侵攻をきっかけに世界への供給が遮断されました。
そのため、バラジウムからプラチナなどの別の金属に乗り換える動きが産業で広がり、バラジウム価格の減少につながりました。
つまり、プラチナも経済状況などを理由に供給が遮断されることがあれば、価格に悪影響を及ぼし、産業における貴金属を代用する動きも広がりやすくなります。
反対に経済状況を理由にバラジウムからプラチナに乗り換える動きが広がるなどの、プラス材料が出ることもあります。
しかし、思惑などを理由に価格が上昇した後に暴落する危険性もあるため、リスクの大きい値動きが広がりやすいです。
期待できるリターンは大きい投資対象ではありますが、リスクも相応にあると考えられるでしょう。
プラチナ投資の今後についてはこちらの記事をチェックしてください。
プラチナ投資のデメリットを避けるおすすめの投資方法
プラチナ投資のデメリットを避けるおすすめの投資方法を紹介します。
- 将来性に期待して長期的な投資をする
- プラチナ以外の付加価値を持つアンティークコインに投資する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
将来性に期待して長期的な投資をする
プラチナ投資は、短期的な値動きが大きいことから、先物取引などの期間を定めた差金決済の投資方法ではリスクが高いといえるでしょう。
そのため、長期的に保有できる形で投資をするのがおすすめであり、高値で保有することないように投資額を平均化させるプラチナ積立などの投資方法が適切です。
プラチナを資産として組み入れるメリットには、金とは反対の値動きをすることが多いことから、金のリスクヘッジになりやすいことが挙げられます。
また、現在は金価格が右肩上がりに上昇しており、プラチナのほうが希少性が高いにもかかわらず、金価格がプラチナ価格と逆転して高値を付けています。
反対に言えば金価格が高騰し過ぎている、プラチナ価格が過小評価されている状況にあるとも考えられるため、リスクヘッジのためにプラチナを資産に組み入れるのも選択肢のひとつです。
プラチナ以外の付加価値を持つアンティークコインに投資する
プラチナは現物で保有する選択肢において、インゴットとコインがあり、どちらも投資用に発行されているものがあります。
しかし、プラチナのコインの中には、記念として製造されたものが存在しており、プラチナ以外の付加価値を持つアンティークコインが存在します。
プラチナコインはアンティークコインとして、金貨・銀貨と比較するとメジャーではなく、種類も少なくなっていますが、近年ではロイヤルミントからチャールズ3世とエリザベス2世の追悼を記念したプラチナコインなども発行されています。
このような記念コインは、プラチナの値上がりで価値を高めるだけでなく、アンティークコインとしての付加価値によって時間と共に価値を増していくと考えられます。
プラチナのリスク・デメリットを避ける投資方法は共通して長期投資となっていますが、その中でもプラチナのアンティークコインに投資するのはおすすめの方法です。
アンティークコイン投資に対する基本的な知識はこちらの記事で紹介しています。
アンティークコイン投資とは? 初心者もわかるメリット・デメリット
プラチナ投資のリスクに関するよくある質問
プラチナ投資のリスクに関するよくある質問をまとめました。
- プラチナ投資をやめとけと言われる理由は?
- プラチナ投資に将来性はありますか?
それぞれ詳しく解説します。
プラチナ投資をやめとけと言われる理由は?
プラチナ投資は、金と比較して投資市場の規模が小さく、値動きが激しいことからリスクが高いからです。
投資方法によっては、ハイリスクになりやすいことから、危険が高いと考えられています。
特に先物取引やCFDなどで投資する場合はリスクが大きいことから注意が必要です。
プラチナ投資に将来性はありますか?
プラチナは、産業需要の増加が期待されますが、減少も懸念される状況にあります。
今後の産業発展に左右されるところではありますが、産業が発展し、プラチナの需要が高まり続ける限りは価格上昇が期待できます。
そのため、プラチナの将来性を判断するには経済の状況を注視し、自動車業界をはじめプラチナに関わる産業の現状を理解することが重要です。
まとめ
プラチナ投資にはリスクがありますが、デメリットをできる限り避ける方法で投資をすれば、長期的にはリターンを期待しやすい投資といえます。
特に金と反対の値動きをしやすい性質があることから、すでに金に投資をしていて、リスクヘッジをしたい方はプラチナも購入するとポートフォリオのバランスを取ることが可能です。
また、投資用のインゴットやコインだけでなく、プラチナの記念貨幣に投資をするアンティークコイン投資の選択肢もあります。