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公開日 2024.6.11更新日 2024.6.11

プラチナ投資の今後はどうなる? 価格変動の要因を徹底解説!

プラチナは希少性の高い金属として、金・銀などの代表的な金属とともに投資対象となっていますが、今後の価格変動がどうなるのか気になる方もいることでしょう。

将来的には価値がなくなってしまうといわれることもありますが、なぜ価値が認められていて、どのような理由で価格が変動するのか理解していれば今後の価値を予想しやすくなります。

ネガティブな意見だけでなく、買い時である、今の価格は安すぎると考えている投資家もいるため、プラチナ投資の現状を把握してから投資を検討したいところです。

この記事では、プラチナ投資の今後はどうなるのかを、これまでの価格推移と現状を踏まえた上で、将来的な価格変動の要因を解説していきます。

プラチナ投資のこれまでの価格推移

 

画像引用:三菱マテリアル

上記のチャートは1981年~2024年までのプラチナ価格の推移です。

青色の線のグラフが海外価格、灰色の線のグラフが国内価格となっています。

全体の価格推移をまとめると、2008年に大きく上昇した後に暴落し、その後の価格は落ち着きますが、2020年頃から上昇に転じ始めている状況です。

プラチナの最高値は2008年に1トロイオンス2200ドル、1gあたり7,589円という高値を記録し、その後は長らく最高値を更新していない状況ではあります。

また、2008年頃の価格変動が非常に大きく、この価格変動を知っている投資家からはプラチナ投資はリスクが高いといわれることがあります。

プラチナのこれまでの価格推移の歴史について、大きな出来事が起きた年に絞って解説していきます。

プラチナ投資について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。

プラチナ投資のメリット・デメリットは? 将来性とおすすめの方法を紹介

2008年:自動車産業の発展により大きく上昇するがリーマンショックにより暴落

プラチナは2000年代から自動車産業の発展により順当に上昇を続けてきました。

価格の上昇にはプラチナが自動車触媒として使用されるディーゼル車の流行があり、2008年3月に最高値の7,589円を記録します。

しかし、アメリカの投資銀行リーマン・ブラザーズの経営破綻によって引き起こされたリーマンショックにより、世界的な金融危機が訪れます。

これを受けてプラチナ価格は大きく下落し、最高値の3分の1に近い2,459円まで下落してしまいました。

リーマンショックによる暴落は、現在もプラチナがリスクの高い投資対象であるといわれる理由にもなっています。

2015年:プラチナ価格と金価格が完全に逆転する

相場の状況によっては一時的に価格が逆転することもあったプラチナ価格と金価格ではありますが、2015年までは基本的にプラチナ価格のほうが上ではありました。

希少性においてはプラチナのほうが高く、貴金属における序列においても「プラチナ>金>銀>銅」という固定観念は依然として強いものです。

クレジットカードのゴールドカードとプラチナカード、会員制度におけるゴールド会員とプラチナ会員、いずれの制度においても「金>プラチナ」になる序列は基本的に存在しません。

しかし、2015年1月を境にプラチナ価格と金価格は完全に逆転し、その差は現在も広がり続けているのが実情です。

背景には排ガス規制に関する不正によりディーゼル車離れが進み、ディーゼル車需要が減少したことにより、プラチナ価格も下落傾向となりました。

希少性の高さにおいてプラチナが金を上回っていますが、価格や価値においてはすでに金のほうが上であることは、固定観念から受け入れにくいかもしれませんが事実となっています。

金投資とプラチナ投資どちらがおすすめであるかはこちらの記事で紹介しています。

金投資とプラチナ投資はどっちがおすすめ? 特徴と価値を徹底比較!

2022年:再生エネルギー投資における新たな需要開拓が見込めれ価格が上昇に転じる

2008年に最高値をつけて以来、自動車触媒以外の分野でプラチナは需要を増やしながらも、決定的な投資材料がなかったことから低迷してきました。

2020年のコロナショックの影響で価格は下落し、金価格との差は広がるばかりでしたが、2022年頃からプラチナの価格変動に有利な材料が出てきます。

その中でも最も注目されているのは再生エネルギー分野であり、ディーゼル車の需要が減少する中で、燃料電池車(水素自動車)においてディーゼル車以上にプラチナの需要が見込まれています。

これを受けてプラチナ価格は上昇に転じており、2022年頃から右肩上がりの上昇を続けています。

プラチナ投資の今後を予測するための価格変動の要因

プラチナ投資の今後を予測するための価格変動の要因についてまとめました。

  • 経済状況
  • 産業需要の増減
  • 産出国の状況

経済状況

価格推移において、リーマンショック、コロナショックの影響を受けて下落していることから、プラチナは経済状況と連動した価格変動をします。

金は株式と逆の値動きをするといわれていますが、プラチナは自動車産業をはじめ関連する企業の株式と同じ値動きをする金属となっています。

つまり、経済状況が上向けばプラチナ価格の上昇が期待できますが、経済状況が悪化すればプラチナ価格も下落すると考えられるのです。

2020年には新型コロナウイルスの影響で経済状況が大きく悪化しましたが、現在の時点では回復しつつあり、徐々に経済状況が良くなっていくことが予測されます。

金と希少性を比較した時、現在のプラチナ価格は安すぎるという見方もあるため、相対的に価格が安い今が買い時であると考えることもできます。

産業需要の増減

プラチナはディーゼル車の需要減少により、価格が下落傾向にありましたが、新たに燃料電池車(水素自動車)の開発において注目されていることから今後は需要が増加することが予測されています。

現在の時点ではディーゼル車の需要減少のほうが目先を考えるならマイナス材料ではありますが、燃料電池車の普及とプラチナ需要が増加すれば、長期的には価格が上昇すると考えられます。

しかし、燃料電池車の普及によるプラチナの需要の増加には2つの不確定要素があるため、必ずしも価格上昇が期待できるわけではありません。

1つめは、そもそも燃料電池車が普及するかどうかであり、燃料自動車が普及しなければプラチナの需要が増加することはないということです。

2つめは、プラチナは希少性の高い金属であるため、産業の発展によってプラチナに代わる代替の金属が使用されることによって、プラチナ需要が減少する懸念が挙げられます。

水素生成装置にプラチナは必要不可欠であり、代替になる安価な金属が見つかっていませんが、今後も見つからないとは限りません。

より安いコストで同等のパフォーマンスが出せる製品を製造できるなら、希少性が高く高級な金属であるプラチナは別の金属に代用されてしまうことでしょう。

現在時点で考えられている思惑の通り、プラチナ需要が高まることがあれば、元々の希少性の高さから再び金価格とプラチナ価格が逆転することも考えられます、

しかし、不確定要素が多過ぎることからプラス材料のみを理由に投資するのは危険かもしれません。

産出国の状況

プラチナは、南アフリカ、ロシア、カナダ、アメリカを中心に採掘されており、産出国が少なく産出量のほとんどを南アフリカが占めています。

つまり、南アフリカの経済情勢などの状況にプラチナ価格は影響される可能性があるということです。

実際に南アフリカの通貨であるランドの価値が下落した際には、プラチナ価格も下落しました。

仮に南アフリカのプラチナの輸出が止まることがあれば、プラチナ価格は下落すると考えられます。

プラチナ価格が下落した上で、産業においてもプラチナの代替となる金属を探す動きが活発化し、代替金属が見つけられやすくなります。

産出国が限られていることから、産出国の輸出状況に大きく影響され、1つの国で供給が止まることがあれば悪影響を及ぼしやすいです。

プラチナ投資に関するよくある質問

コインライブラリー・プリンシパル

プラチナ投資に関するよくある質問をまとめました。

  • プラチナの価値がなくなることはありますか?
  • プラチナ価格は今後上がりますか?

それぞれ詳しく見ていきましょう。

プラチナの価値がなくなることはありますか?

プラチナは、自動車産業をはじめとする複数の産業需要、日本では結婚・婚約指輪をはじめとする宝飾需要によって成り立っています。

需要の増減に関しては不確かなものであるため、今後も同様の需要が求められることはないかもしれません。

しかし、唐突に価値がなくなるとは考えにくいほど高い希少性と需要があることから、短期的な話においてプラチナの価値がなくなることは考えられません。

プラチナ投資のリスクについてはこちらの記事で紹介しています。

プラチナ投資のリスクは? デメリットを避けるための投資方法をご紹介

プラチナ価格は今後上がりますか?

プラチナ価格は、現在の時点では再生エネルギー分野における水素生成装置に関わる思惑から期待されていますが、不確定要素も多いため、必ずしも上がるとは限りません。

目先の需要を考えるなら、ディーゼル車の需要減少のほうが問題であるため、短期的に大きな上昇が期待できる状況にはないでしょう。

しかし、長期的な価格推移であれば、プラチナ価格が今後上昇する可能性はあります。

まとめ

プラチナ投資の今後について解説しましたが、価格変動の要因において不確かな要素が多いことから、現在の時点では必ずしも上昇するとは考えられない状況にあります。

しかし、2015年頃から続くプラチナ価格と金価格の逆転や、本来であれば金よりも希少性が高いことを考えれば、相対的に安く今後の需要の増加を考えるなら買い時と考えることもできます。

金と反対の値動きをしやすいことから、金のリスクヘッジ用の資産として購入するなど、ポートフォリオを考えた上で投資するなど、様々な観点から投資を検討しましょう。

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この記事の著者

アンティークコイン ジャーナル編集部

英国王室シリーズから古代コインまで、幅広い年代のコインの紹介だけではなく、試鋳貨、造幣局による違い、彫刻家、リストライク、などアンティークコインの魅力や楽しめる知識をフラットに情報提供している。編集長は、英国王室コインと、動物コインシリーズが好き。

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