ホーム コラム ジブチはどんな国? 使用される通貨・代表的なアンティークコインをご紹介!

公開日 2024.7.12更新日 2024.10.7

ジブチはどんな国? 使用される通貨・代表的なアンティークコインをご紹介!

ジブチ コイン

ジブチは、アフリカの角と呼ばれる北東部の角に位置する国であり、かつてはフランス領ソマリランドと呼ばれ、1977年に独立した国です。

国章は、月桂樹の枝で縁取られており、真ん中に槍と盾、短剣を持った両腕がデザインされており、アファル人とイッサ人を表しています。

フランス領であった時代が長いことからフランスの通貨単位であるフランが流通しており、フランスを象徴する女神マリアンヌとウォーターバックが描かれたコインが有名です。

この記事では、ジブチについて詳しく解説したうえで、代表的なアンティークコインを紹介します。

ジブチはどんな国? ~港湾事業によって経済的な発展を遂げている~

ジブチ 国旗

面積(総計) 23,200㎢
通貨 ジブチ・フラン(DJF)
首都 ジブチ市
言語 フランス語・アラビア語
主な宗教 イスラム教(9割以上)
主な民族 ソマリア系イッサ族、エチオピア系アッファール族
隣接している国 エリトリアエチオピア、ソマリア
独立 1977年6月27日

ジブチ共和国は、アフリカの角になる北東部に位置し、エリトリア、エチオピア、ソマリアと国境を接し、紅海、アデン湾に面しています。

船の停泊場所になることから、港湾事業が盛んであり、アジアとヨーロッパにおける海上輸送路の拠点となっています。

世界でも有数の酷暑となるジブチでは農作物がほとんど育たないことから、かつては遊牧民として水や草を求めて移り住んで暮らしてきましたが、現在ではジブチ市を中心に港湾事業がメインに行われています。

ジブチはフランスの植民地であったことから公用語はフランス語となっており、イスラム教徒が9割以上であることからアラビア語も公用語です。

ジブチの歴史 ~フランス領ソマリランドからジブチとして独立するまで~

ジブチ市

年号 内容
1896年 フランス領ソマリランドとしてフランスの植民地となる
1945年 アフリカ諸国の独立が進むが民族間の対立によりフランスの海外県に留まる
1967年 独立に関して投票が行われるが引き続きフランス領であることを選択(アファル・イッサへの改称)
1977年 再び投票が行われたことでジブチ共和国として独立

1896年、イッサ族とアッファール族がそれぞれフランスと条約を結ぶことでジブチ共和国の前身となるフランス領ソマリランドが成立します。

スエズ運河が開削されたことでフランスが進出して植民地とし、当時からジブチの港の需要は高いものでした。

第二次世界大戦が終結する1945年頃から独立の是非を問う投票が行われましたが、当初は独立を支持するイッサ族とフランス領の留まることを望むアッファール族との間で対立が起き、独立することはありませんでした。

1967年にはフランス領アファル・イッサに改称され、アッファール族の勢力が強い時代が続きます。

しかし、市民権法が改正され、イッサ族の政治参加が拡大した結果、状況が変わり1977年に再び投票が行われたことでジブチ共和国として独立を果たします。

ジブチの通貨 ~ジブチ・フラン(DJF)~

ジブチ・フランは、ジブチの通貨であり国債標準化機構(ISO)の発行するコードはDJF、サンチームという補助単位も存在します。

しかし、インフレーションにより現在ではサンチームという通貨は発行されていません。

ジブチで発行されたジブチ・フランは以下の通りとなっています。

1ジブチ・フラン

ジブチ 1フラン 表ジブチ 1フラン 裏

2ジブチ・フラン

ジブチ 2フラン 表 ジブチ 2フラン 裏

5ジブチ・フラン

ジブチ 5フラン 表 ジブチ 5フラン 裏

10ジブチ・フラン

ジブチ 10フラン 表 ジブチ 10フラン 裏

20ジブチ・フラン

20ジブチフラン 表20ジブチフラン 裏

50ジブチ・フラン

50ジブチフラン 表50ジブチフラン 裏

100ジブチ・フラン

100ジブチフラン 表 100ジブチフラン 裏

500ジブチ・フラン

500ジブチ・フラン 表 500ジブチ・フラン 裏

紙幣

  • 1,000ジブチ・フラン
  • 2,000ジブチ・フラン
  • 5,000ジブチ・フラン
  • 10,000ジブチ・フラン

共通して表面にジブチの国章が描かれており、1・2・5ジブチ・フランにはウォーターバックが描かれています。

10・20ジブチ・フランには、帆船と奥に定期船が描かれており、港湾事業が盛んなジブチらしいコインです。

100・500ジブチ・フランには、2匹のヒトコブラクダが休んでいる様子が描かれており、500ジブチ・フランは月桂樹の枠に500FRANCSと描かれたシンプルなデザインです。

ジブチの代表的なアンティークコイン ~金貨・銀貨を中心にご紹介~

ジブチから発行された希少性のある代表的なアンティークコインを紹介します。

  • ジブチ ダイアナ妃 100ジブチ・フラン金貨 2022年
  • ジブチ ポルトガル船 250ジブチ・フラン金貨 1996年
  • ジブチ ダチョウ 250ジブチ・フラン銀貨 2018年
  • ジブチ シマウマ 100ジブチ・フラン銀貨 1994年
  • フランス領ソマリランド マリアンヌ 5フラン 1965年

ジブチ ダイアナ妃 100ジブチ・フラン金貨 2022年

ジブチ ダイアナ妃 100ジブチ・フラン金貨 2022年 表ジブチ ダイアナ妃 100ジブチ・フラン金貨 2022年 裏

概要 内容
発行 ジブチ
発行年 2022年
額面 100ジブチ・フラン
直径 11mm
重量 0.5g
発行枚数 5,000枚
品位 999/1000金

イギリス王室において悲劇の死を遂げたダイアナ妃の肖像が描かれたジブチで発行された小型の100ジブチ・フラン金貨です。

ダイアナ妃の生まれから死去する年(1961年~1997年)が描かれており、2022年がダイアナ妃の死から25年が経過した年であったことから、バラに25と刻まれています。

ダイアナ妃の死は今でも世界中で悼まれており、世界中で金貨が発行されています。

ジブチ ポルトガル船 250ジブチ・フラン金貨 1996年

ジブチ ポルトガル船 250ジブチ・フラン金貨 1996年 表 ジブチ ポルトガル船 250ジブチ・フラン金貨 1996年 裏

概要 内容
発行 ジブチ
発行年 1996年
額面 250ジブチ・フラン
直径 13.95mm
重量 1.24g
発行枚数 25,000枚
品位 999/1000金

1996年に発行された古いポルトガル船を描いた小型の金貨となっています。

ジブチで船を題材にした航海の歴史というテーマでコインを発行しており、他にもフリゲート艦のデザインのコインもあります。

ジブチ ダチョウ 250ジブチ・フラン銀貨 2018年

ジブチ ダチョウ 250ジブチ・フラン銀貨 2018年 表 ジブチ ダチョウ 250ジブチ・フラン銀貨 2018年 裏

概要 内容
発行 ジブチ
発行年 2018年
額面 250ジブチ・フラン
直径 50mm
重量 31.1g
発行枚数 7,500枚
品位 999/1000銀

ライオン、キリン、ミーアキャットなどアフリカで人気の動物を描く銀貨のシリーズの中でも、ダチョウを描いた250ジブチ・フラン銀貨です。

こちらの銀貨は共通して動物のシルエットの形でコインが切り抜かれていることが特徴になります。

アフリカに住む動物たちのコインをコレクションしたい方におすすめです。

ジブチ シマウマ 100ジブチ・フラン銀貨 1994年

ジブチ シマウマ 100ジブチ・フラン銀貨 1994年 表 ジブチ シマウマ 100ジブチ・フラン銀貨 1994年 裏

概要 内容
発行 ジブチ
発行年 1994年
額面 100ジブチ・フラン
直径 38.75mm
重量 31.47g
発行枚数 15,000枚
品位 925/1000銀

シマウマは種類によっては絶滅危惧種に指定されているため、ジブチでは絶滅危惧種の野生動物を描くコインでシマウマを描いています。

2匹のシマウマがサバンナを駆けている躍動感のあるデザインが特徴的です。

フランス領ソマリランド マリアンヌ 5フラン 1965年

概要 内容
発行 フランス領ソマリランド
発行年 1965年
額面 5フラン
直径 31mm
重量 3.5g
発行枚数 200,000枚
品位 アルミニウム95%、マグネシウム5%

フランス領ソマリランド時代に発行されていた5フラン銀貨であり、現在のジブチの5ジブチ・フランと比較すると違いが一目瞭然です。

国旗の代わりにフランスを象徴する女神であるマリアンヌが描かれており、裏面は現在の通貨と共通しています。

金・銀を使用しない古銭ではありますが、人気が高くジブチのコインの中でも広く取引されています。

まとめ

ジブチは、他のアフリカの国よりも独立が遅く、フランス領であった期間が長い国でしたが、港湾事業を中心に行うことで周辺諸国では経済が豊かな国となっています。

フランス領であったことから、過去にはマリアンヌが描かれたコインも発行されており、現在も通貨単位はフランです。

国の背景や歴史を理解しながら、古銭・希少なアンティークコインを収集してください。

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この記事の著者

アンティークコイン ジャーナル編集部

英国王室シリーズから古代コインまで、幅広い年代のコインの紹介だけではなく、試鋳貨、造幣局による違い、彫刻家、リストライク、などアンティークコインの魅力や楽しめる知識をフラットに情報提供している。編集長は、英国王室コインと、動物コインシリーズが好き。

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