エリトリアは、アフリカ大陸の北東部にあり、紅海に面するアフリカの角と呼ばれる国です。
近年までエチオピアの一部ではありましたが、1993年に新しく独立しており、エチオピアとの和平も成立しています。
エリトリアでは独自通貨のナクファ(ERN)を導入しており、1993年の独立時には恐竜を中心に動物コインが発行されました。
この記事では、エリトリアがどんな国であるかを解説し、独自通貨の種類と希少なコインを紹介していきます。
エリトリアはどんな国? ~独裁状態にあり不安定な内情が想定される~
面積(総計) | 121,320㎢ |
通貨 | ナクファ(ERN) |
首都 | アスマラ |
言語 | ティグリニャ語(共通言語にアラビア語と英語) |
主な宗教 | スンニ派イスラム、コプト、カトリック、プロテスタント |
主な民族 | ティグライ、アファール族など9民族 |
隣接している国 | スーダン、エチオピア、ジブチ |
独立 | 1993年5月24日 |
エリトリア国は、アフリカ大陸北東部に位置する独立国であり、西にスーダン、南にエチオピア、ジブチと国境を接し、北部は紅海に面しています。
エリトリア独立戦争を経て、1993年5月24日に独立したアフリカでも2番目に若い国です。
独立後は独裁状況にあり、治安は非常に悪く、インフラの整備も遅れていることから、日本から訪れるには旅行許可証が必要な国となっています。
産業としては大理石や金などの鉄鋼業を主要としていますが、輸出産業として発達していないことから、十分な収益を得られる状況にありません。
ただし、イタリアの植民地時代に築かれたアールデコ建築による美しい街並みのアスマラは、世界遺産にも登録されており、観光地としての人気は高いようです。
世界報道自由度ランキングにおいて北朝鮮とワースト1位を競っており、情報統制がなされていることから、世界でも謎が多い国の一つとなっています。
エリトリアの歴史 ~イタリアの植民地時代に現在の基盤が造られる~
年号 | 内容 |
1890年 | イタリアの植民地となる |
1942年 | イギリスの保護領になる |
1952年 | エチオピアと連邦を結成する |
1993年 | エチオピアから独立する |
1997年 | 独自通貨のナクファが導入される |
2018年 | エチオピアとの和平が成立 |
1890年、エリトリアが植民地となった経緯は、ヨーロッパとアジアを結ぶスエズ運河の開通であり、紅海周辺の価値が高まりました。
紅海に面する当時のエリトリアは、イタリアの植民地となり、現在の首都であるアスマラが快適であったことから、イタリア人によって街が造られました。
イタリアの植民地時代に現在のアスマラを中心にこの国の土台が築かれていきます。
第二次世界大戦によりイタリア軍が駆逐されると、エリトリアはイギリスの保護領となりました。
1950年代になりエリトリアの帰属が問題視されると、国際連合によりエリトリアはエチオピアと連邦を結成させられました。
実質的にエリトリアはエチオピアの支配下に置かれるようになり、不満が高まったことで解放運動が展開され、エリトリア独立戦争が開始します。
1991年、初代大統領のイサイアス・アフェウェルキにより独立宣言が行われ、その2年後の1993年に正式に独立しました。
1997年には現在の独自通貨であるナクファが導入されます。
2010年代頃からエリトリアではエチオピアとの和解の機運が高まるようになり、2018年にエチオピアとの和平が成立しました。
エリトリアの通貨の種類
エリトリアに導入されているのは独自通貨のナクファであり、補助通貨単位はセントです。
ナクファは、エリトリア独立戦争の激戦地であった同名の都市の名に由来します。
紙幣の印刷はドイツ、貨幣の鋳造はイギリスで行われているのが現状です。
エリトリアの通貨の種類を見ていきましょう。
硬貨
- 1セント
- 5セント
- 10セント
- 25セント
- 50セント
- 100セント
紙幣
- 1ナクファ
- 5ナクファ
- 10ナクファ
- 20ナクファ
- 50ナクファ
- 100ナクファ
1セント
エリトリア独立戦争の終戦を記念して発行された1セント硬貨です。右を向くアカガゼル、旗を持った5人の兵士が描かれています。
5セント
木の枝に乗ってくつろぐ、ヒョウを描いた5セント硬貨です。裏面のデザインは共通しています。
10セント
10セント硬貨では、左を向いている北アフリカのダチョウが描かれています。
25セント
左を向いているグレビーシマウマが25セントの硬貨です。
50セント
左向きに描かれたグレータークーズーが正面を向く様子が描かれた50セント硬貨です。
100セント
100セント硬貨は、親子で描かれたアフリカサバンナゾウです。
1ナクファ
エリトリアの子どもたちを描いた紙幣であり、裏面はブッシュスクールの様子が描かれています。
5ナクファ
少年から年配まで、エリトリアを生きる男性を描いており、裏面の木はシカモアイチジクです。
10ナクファ
エリトリアを生きる女性たちの肖像が描かれており、裏面はエリトリア鉄道のデザインです。
20ナクファ
3人の若い女性の肖像が描かれており、ラクダで耕作する農民の様子が裏面に描かれています。
50ナクファ
50ナクファ紙幣も3人の並んだ女性の肖像が描かれており、裏面はマッサワ港の貨物船です。
100ナクファ
3人の女性の肖像、牛で農地を耕す様子が描かれた100ナクファ紙幣です。
エリトリアのアンティークコイン ~おすすめの金貨・銀貨を紹介~
エリトリアのアンティークコインを紹介していきます。
- エリトリア 独立記念日 100ドル金貨 1993年
- エリトリア トリケラトプス 100ドル金貨 1993年
- エリトリア プテラノドン 100ドル金貨 1993年
- エリトリア ジュラシック パーク 10ドル銀貨 1997年
- エリトリア クロサイ 10ドル銀貨 1994年
- エリトリア ケープワシミミズク 10ドル銀貨 1995年
エリトリア 独立記念日 100ドル金貨 1993年
概要 | 内容 |
発行国 | エリトリア |
発行年 | 1993年 |
額面 | 100ドル |
直径 | 21mm |
重量 | 6.22g |
発行枚数 | 5,000枚 |
品位 | 999/1000金 |
エリトリアの独立を記念して発行された100ドル金貨であり、イギリスのポブジョイ・ミントで鋳造されています。
表面のデザインは、ヤシの木の下にラクダがおり、会場に帆船が浮かぶ様子が描かれています。
裏面のデザインは、月桂冠と特徴的な植物が描かれており、英語以外にもティグリニャ語とアラビア語で表記されていることが特徴です。
エリトリアの希少な記念コインは、独立後の1990年代に発行されています。
エリトリア トリケラトプス 100ドル金貨 1993年
概要 | 内容 |
発行国 | エリトリア |
発行年 | 1993年 |
額面 | 100ドル |
直径 | 21mm |
重量 | 6.22g |
発行枚数 | 5,000枚 |
品位 | 999/1000金 |
エリトリアで発行された100ドル金貨であり、恐竜の中でも代表的な種類であるトリケラトプスを描いています。
表面は独立記念コインと共通であり、裏面は正面を向くトリケラトプスです。
エリトリアの記念コインではトリケラトプスなど、恐竜を描いたコインがシリーズ化しています。
エリトリア プテラノドン 100ドル金貨 1993年
概要 | 内容 |
発行国 | エリトリア |
発行年 | 1993年 |
額面 | 100ドル |
直径 | 21mm |
重量 | 6.22g |
発行枚数 | 5,000枚 |
品位 | 999/1000金 |
トリケラトプスの次は、非常に知名度の高い翼竜であるプテラノドンです。
飛翔する2匹のプテラノドンが描かれており、下に額面の「$100」が表記されています。
恐竜では他にも硬い鱗で全身が覆われたアンキロサウルスの金貨も発行されています。
エリトリア ジュラシック パーク 10ドル銀貨 1997年
概要 | 内容 |
発行国 | エリトリア |
発行年 | 1997年 |
額面 | 10ドル |
直径 | 38.61mm |
重量 | 28.28g |
発行枚数 | 10,000枚 |
品位 | 925/1000銀 |
日本でも人気の映画『ジュラシック・パーク』をテーマにしたエリトリアの10ドル銀貨です。
右を向いたトリケラトプスに、左上にはジュラシック・パークのロゴが描かれています。
直径38mmの大型銀貨であり、同じデザインの金貨も存在しますが、コインの大きさから見栄えの良い銀貨です。
エリトリア クロサイ 10ドル銀貨 1994年
概要 | 内容 |
発行国 | エリトリア |
発行年 | 1994年 |
額面 | 10ドル |
直径 | 38.61mm |
重量 | 28.28g |
発行枚数 | 10,000枚 |
品位 | 925/1000銀 |
エリトリアでは恐竜の他に様々な動物を描いており、その中でもクロサイは広く発行されているコインです。
右を向いたクロサイの頭部を詳細に描いています。
クロサイは絶滅危惧種に指定されており、相次ぐ密猟によって絶滅の危機に追いやられています。
エリトリア ケープワシミミズク 10ドル銀貨 1995年
概要 | 内容 |
発行国 | エリトリア |
発行年 | 1995年 |
額面 | 10ドル |
直径 | 38.61mm |
重量 | 28.28g |
発行枚数 | 10,000枚 |
品位 | 925/1000銀 |
エリトリアの動物コインシリーズでは、アフリカに生息し、日本でも人気の高いケープワシミミズクを描いた10ドル銀貨もあります。
止まり木の上に立ち、正面を見すえるケープワシミミズクが描かれています。
紹介した動物コインはすべて、100ドル金貨と10ドル銀貨において同デザインが存在します。
まとめ
エリトリアは独裁状態にあり、治安も安定していないことから、日本からは正確な実情が把握しにくい国です。
アンティークコインは1990年代に発行されたものを中心に市場に流通しており、動物コインであることから一定の人気があります。
恐竜を中心に動物コインが好きなら、エリトリアのコインに目を向けてみましょう。