希少性の高い代表的な貴金属として知られる金とプラチナですが、投資するにあたってどちらのほうが資産価値・希少性が高いのか気になるところです。
注目したいことは、希少性の高い金属と資産価値の高い金属が必ずしも一致するわけではないことです。
金とプラチナの価値の構造を理解することで、今後どちらを買うべきか判断するための予測を立てられるようになります。
この記事では、金とプラチナの資産価値・希少性の高さについて根拠を詳しく説明したうえで、今後の予測も解説します。
この記事のポイント
・今後は金とプラチナのどちらを買うべきかを解説
金とプラチナの資産価値・希少性はどっちが高い?

金と白金、ゴールドとプラチナは、どちらも高級貴金属として広く知られ、宝飾品・投資・産業用途など幅広い分野で利用されています。
希少性は地球上の埋蔵量や採掘量が少なく入手困難であること、資産価値は金融市場における価格の評価を指します。
よって、資産価値の高さと希少性の高さは必ずしも一致するものではなく、別の概念として考えるべきです。
結論をいえば、希少性はプラチナが上回りますが、資産価値では金が圧倒している状況です。
それぞれの根拠を見ていきましょう。
希少性はプラチナが高い
希少性の観点ではプラチナは金よりも上であり、地球上に存在する量、採掘の難易度、産出地域の限定性など、あらゆる側面でプラチナが優れます。
| 項目 | 総採掘量 | 年間産出量 |
| 金 | 約21万トン | 約3,000トン |
| プラチナ | 約8,000トン | 約200トン |
参考①:World Gold Council
参考②:Sprott
金の年間産出量はおよそ3,000トン前後で、南アフリカ、中国、ロシア、オーストラリアなど世界各地で採掘されています。
これに対し、プラチナの年間産出量はわずか約200トン前後と、金の1/15程度しかありません。
つまり、純粋な希少性でいえば、プラチナは金よりも圧倒的に少ない金属です。
さらに、産出国の偏りもプラチナの希少性を高めています。
プラチナの約7割以上は南アフリカ共和国で産出されており、残りはロシアやジンバブエなどごく一部の国に限られている状況です。
また、プラチナ鉱石は金鉱石よりも深い地層にあり、採掘コストが高く、精錬にも時間と技術を要します。
そのため、1グラムのプラチナを取り出すには、1グラムの金の数倍の労力が必要であるため、あらゆる面からプラチナのほうが希少性が高いです。
金の埋蔵量・採掘量の詳細なデータはこちらの記事にまとめています。
金の埋蔵量はどれくらい? これまでの採掘量と産出量をあわせて紹介
資産価値は金が高い
希少性でプラチナを下回る金ですが、資産価値ではプラチナを大きく上回ります。
記事執筆時点での金価格・プラチナ価格は以下のとおりです。
| 項目 | 価格 |
| 金 | 20,486円 |
| プラチナ | 8,168円 |
金価格とプラチナ価格には、約12,000円以上の開きがあることがわかります。
プラチナは希少性では金を上回るにもかかわらず、金の半値以下で取引されている現状です。
プラチナより金の資産価値が高い理由

プラチナより金の資産価値が高い理由を解説します。
- 需要構造に明確な違いがある
- 希少性よりも安定性が評価されている
- 中央銀行が外貨準備として保有している
- 有事の際に買われる安全資産の認識がある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
需要構造に明確な違いがある
金は世界的に見て投資需要と宝飾品需要が強く、プラチナは工業用金属としての需要が強いことから、需要構造に明確な違いがあります。
金の大部分は資産保有・宝飾品としての需要であり、金融市場の動向によっては積極的に買われることがあります。
プラチナの具体的な需要は、自動車の排ガス浄化装置の触媒にあり、自動車産業の動向と連動しやすいです。
化学・電子・医療などの産業用途もあるため、株式が購入される場面でプラチナの需要が高まることもあります。
このように需要構造に明確な違いがあり、資産としての需要が高い金のほうが価値が上がりやすい傾向です。
希少性よりも安定性が評価されている
投資・資産運用における資産価値を考える時、単純な希少性よりも安定性が重要です。
金は世界各国で産出され、中国、オーストラリア、ロシア、カナダなど複数の地域から安定的に供給されています。
一方で、プラチナは、供給源の偏りが極めて大きく、世界の産出量の約7割以上を南アフリカ共和国が占めています。
政治的リスクや鉱山ストライキ、電力不足などによって供給が不安定になる可能性もあるでしょう。
この供給リスクは短期的な価格高騰を生む場合もありますが、長期的に保有する資産としては信頼性を損なう要因です。
また、市場規模にも大きな差があります。
金市場は世界で最も取引量が多い貴金属市場であり、ロンドン、ニューヨーク、東京など主要市場における金の流動性は高いです。
インゴットや金貨などの現物だけでなく、投資信託・ETF、先物取引、仮想通貨などの取引手段が豊富である点も強みになります。
一方で、プラチナ市場は規模が小さく、取引参加者も限られています。
投資家は投資対象の単純な希少性よりも安定性を重視する傾向にあるため、安定性の高い金が投資対象に選ばれていることが現状です。
中央銀行が外貨準備として保有している
金がプラチナなどのほかの金属とは決定的に異なる点は、各国の中央銀行が外貨準備資産として金を保有していることです。
金は国家レベルで信用できる資産と認められており、各国中央銀行が保有する金の合計は約36,000トンに達しています。
金は信用リスクを持たない実物資産であり、どの国の通貨にも依存せず、国際取引の最終的な裏付けとして機能します。
ドルやユーロなどの紙幣は、発行国の信用に基づいていますが、金は純粋に価値が認められている資産であるため、通貨価値が下落しても影響を受けません。
プラチナは金とは異なり、価格変動が激しく、長期保有に不向きであることから、国家的な保有対象にはなっていません。
中央銀行の保有は金の資産価値を長期的に支えており、プラチナには存在しない需要構造です。
有事の際に買われる安全資産の認識がある
金は有事の金と呼ばれるほど、世界的な事件のたびに買われてきた歴史を持ちます。
戦争、金融危機、感染症の流行、インフレなど、不安定な状況になると投資家や国家が資金を金に避難させるために購入します。
例えば、2008年のリーマンショックでは、株価や原油価格が暴落するなかで金は上昇しました。
一方、プラチナは工業用金属としての性格が強いため、経済危機や景気後退のときには需要が減り、価格が下がる傾向があります。
特に自動車産業の不振や環境規制の変化があると、プラチナ需要は落ち込みます。
つまり、有事の際に買われるどころか売られる側に回ることも多いです。
金は数千年にわたり、人類が価値を託してきた信頼の象徴であり、戦乱や通貨崩壊、経済不安のたびにその価値が証明されてきました。
プラチナが高く評価されたのは平時の景気拡大期であり、危機の時代には貴金属のなかで金のみが底堅い値動きとなりました。
金がなぜ「有事の金」といわれるのかについてはこちらの記事で紹介しています。
有事の金とは? なぜ金が安全資産として買われるのか理由を徹底解説!
金とプラチナの価格推移の歴史
金とプラチナの1978年から現在に至るまでの価格推移の歴史を示したチャートは以下のとおりです。
【金価格】

画像引用:https://gold.mmc.co.jp/market/gold-price/#gold_longspan
【プラチナ価格】

画像引用:https://gold.mmc.co.jp/market/platinum-price/#platinum_longspan
1980年代から2000年代まではプラチナが優位
1980年代から2000年代初頭にかけては、金よりもプラチナの価格が高い時代が長く続きました。
当時の市場では「白い金属(ホワイトメタル)」としてのプラチナ人気が非常に高く、宝飾品需要と工業需要の両面から強い追い風を受けていたのです。
1980年代の金価格は、70年代のインフレ高騰の反動で落ち着きを取り戻していました。
1979年〜1980年にかけてイラン革命や原油危機を背景に一時的に高騰し、1オンス=800ドルを超えました。
しかし、その後は落ち着き、1980年代中盤には400ドル台へと下落し、以降は長期的な安定期に入りました。
一方、プラチナはこの時期に工業金属としての需要が急増します。
特に自動車の排ガス規制が各国で強化され、排ガス浄化触媒として不可欠なプラチナの需要が急伸しました。
また、1980年代後半〜1990年代にかけては日本のバブル景気でプラチナジュエリーが大流行し、結婚指輪をプラチナ製にする文化が定着したことも価格上昇を後押ししました。
その結果、1980年代後半のプラチナ価格は1オンス=600ドル〜700ドル前後、同時期の金は400ドル〜450ドル台で推移しており、プラチナが常に上回っていました。
希少性と実需の強さが評価され、プラチナは高級貴金属の象徴として金と比較しても高値で取引される時代でした。
プラチナは景気拡大の恩恵を受けやすい成長型金属として注目されており、金は安全資産として価値を保ちながら物価安定期は鈍い動きが続きました。
金とプラチナの資産価値が逆転したタイミング
金とプラチナの価格が逆転したのは、2008年のリーマンショックを契機とした世界金融危機がきっかけです。
この出来事を境に、金は現在の安全資産としての地位を確立し、プラチナは景気に左右される工業金属として性質が明確化しました。
2000年代半ばまでは、プラチナは好景気と自動車需要の増加に支えられ、一時的に1オンス=2,000ドルを超える高値をつけました。
当時、金はまだ1,000ドル前後であり、プラチナのほうが倍近い価格を維持していました。
2008年9月、リーマン・ブラザーズの破綻によって世界経済が混乱すると、自動車販売が急落し、プラチナの需要は一気に縮小。
半年足らずで価格は2,000ドルから800ドル以下まで暴落しました。
一方、金はこの時期に逆に買われ、安全資産としての需要が急増します。
このとき初めて、金がプラチナを上回る価格となります。
以降、金とプラチナの価格の逆転現象は一時的なものではなく、恒常的な構造変化として定着することになりました。
2020年以降は価格差が大きく拡大
2020年以降、金とプラチナの価格差はさらに拡大していくことになります。
背景にあるのは、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大と、それに続く地政学的リスクの増加です。
2020年春にコロナショックが発生した際、世界の株式市場が急落するなかで、投資家は一斉に資金を金に避難させました。
金価格は急上昇し、史上最高値の1オンス=2,070ドル前後を記録。
一方でプラチナは、パンデミックによる工場停止や自動車販売の落ち込みで需要が激減し、600ドル台まで急落しました。
その後、世界経済が徐々に回復するにつれてプラチナ価格も持ち直しましたが、価格差が縮小することはありません。
金がプラチナより高い水準で価格を維持する状況が常態化しました。
世界経済が不安定であればあるほど、金の価値は再評価され続け、金とプラチナの価格差は広がっていきます。
将来的な金価格の予測はこちらの記事で詳しく紹介しています。
金価格は今後どうなる? 10年後の相場を予測するための考え方を解説
金とプラチナの価格が上昇する要因

金とプラチナはいずれも貴金属でありながら、価格が上昇する背景は大きく異なります。
金は世界的な不安やインフレをきっかけに買われる安全資産であるのに対し、プラチナは景気の拡大や産業需要の増加によって上昇します。
つまり、金が上がるのは経済が悪いとき、プラチナが上がるのは経済が良いときと言い換えられるでしょう。
それぞれの価格が上昇する要因を詳しく解説します。
金価格が上昇する要因
金の価格が上昇する最大の要因は、通貨や金融への不安とインフレ圧力です。
金は国家や企業の信用に依存しない実物資産であり、紙幣の価値が下がる局面では相対的に価値を高めます。
これは世界共通の現象であり、古代から現代まで一貫して信用が揺らぐと金が買われるという歴史を繰り返してきました。
インフレになると紙幣の購買力が落ち、現金や預金を持っていても実質的な価値が目減りします。
投資家は価値を保てる資産へ資金を移すため、金の需要が急増します。
特にドル建てで取引される金は、ドルの実質価値が下がる局面で強く買われる傾向があります。
1970年代のオイルショックや、2020年代のインフレ局面では、金が高値を更新してきました。
地政学リスクや金融危機も金上昇の引き金になります。
また、中央銀行の金保有拡大も長期的な上昇要因です。
各国の金融当局は外貨準備として金を保有しており、2020年代に入ってからはドル資産への依存を減らす目的で金の購入を増やしています。
金ETFなどの投資手段の普及も価格上昇を後押ししています。
かつて金の取引は地金や金貨などに限られていましたが、現在は証券口座からETFを通して簡単に金を買えるようになりました。
これにより個人・機関投資家ともに金投資へのアクセスが広がり、世界的な需要増加につながっています。
総じて言えば、経済が混乱し、金融システムへの信頼が揺らぐほど、金の価値は高まる構造です。
プラチナ価格が上昇する要因
プラチナの価格が上昇する主な要因は、世界経済の拡大と産業需要の増加です。
金が不安で上がる資産だとすれば、プラチナは成長で上がる資産といえます。
プラチナは装飾品や投資対象としても用いられますが、その最大の特徴は工業用金属である点にあります。
つまり、景気が上向き、生産が活発になるときに需要が増え、価格が上がるのです。
もっとも大きな要因は自動車産業の動向です。
プラチナは排ガス浄化触媒の材料として欠かせない金属であり、ディーゼル車やハイブリッド車などの排気ガス処理に使用されます。
自動車の生産台数が増えれば、その分だけプラチナの需要も拡大します。
特に2000年代のヨーロッパでは、ディーゼル車の普及とともにプラチナ価格が急騰し、1オンス=2,000ドルを超える水準に達しました。
また、景気回復や産業活動の活発化もプラチナ価格を押し上げます。
電子部品、化学触媒、医療機器など多くの産業でプラチナが使われているため、世界経済が拡大すると需要が増加します。
将来的には、水素エネルギー関連技術もプラチナ価格の上昇要因になると考えられています。
プラチナは水素燃料電池(FCV)や電解装置の触媒としても重要であり、クリーンエネルギー社会が進展すれば新たな需要が生まれます。
金が不安を糧に価値を高めるのに対し、プラチナは成長を背景に輝きを増す、まったく性格の異なる貴金属です。
今後は金とプラチナのどっちを買うべきか
金とプラチナはいずれも長期的な資産価値を持つ貴金属ですが、今後の相場動向を考えるとどちらを買うべきかは投資目的によって異なるでしょう。
安定性を重視するなら金、将来の値上がりを狙うならプラチナという棲み分けが基本となります。
世界経済の先行きに不安がある状況では金が有利ですが、長期ではプラチナを再評価してもいい段階にあると考えられます。
どちらを買うべきか、今後の予測も含めて詳しく見ていきましょう。
金は将来的にも安定した価値を持つことが予測される
金の価値が長期的に安定すると予測される最大の理由は、世界共通の信頼資産であることです。
金は発行主体を持たず、どの通貨にも依存しない普遍的な価値を有しており、通貨不安やインフレが進むほど需要が高まります。
この性質が今後も変わるとは考えにくいです。
インフレが構造的に続く可能性も金価格の下支えとなります。
エネルギー価格の上昇、地政学リスク、供給網の不安定化などによって、物価上昇は今後も長期化する可能性があります。
そのような局面で最も強い資産が金です。
さらに、金融市場の不安定化リスクも無視できません。
株式や仮想通貨は価格変動が激しく、債券も金利上昇局面では価格が下がりますが、金はそのどちらにも左右されにくい資産です。
2020年以降のように世界が不確実な時期には、金の保有がポートフォリオ全体のリスクを安定させる役割を果たします。
金は今後も価値を保つための資産として、個人投資家・機関投資家・国家のすべてに支持され続けると考えられます。
特に、仮想通貨の進展で法定通貨の信頼性が揺らぐほど、金の役割はさらに強まるでしょう。
相場が乱高下する時代において、金は現金や株式にはない安定性があり、将来的にもその価値が失われる可能性は極めて低いです。
金との価格差からプラチナが再評価されて上昇する可能性がある
プラチナは金よりも安い水準で推移してきましたが、今後は金との価格差を理由に割安資産として再評価される可能性が高まっています。
現在の金とプラチナの価格差は歴史的に見ても異常値であり、この価格差を埋める形で、プラチナに資金が流入する局面が訪れても不思議ではありません。
また、将来の技術革新による需要増加によって、価格が上昇する材料もあります。
プラチナは水素エネルギー社会の中核を担う金属として注目されており、水素燃料電池(FCV)や電解装置に使用されます。
世界各国が脱炭素政策を進めるなかで、水素関連インフラの整備が加速すれば、プラチナ需要は大幅に増加する可能性があるでしょう。
特に欧州や日本では、すでに水素技術の実用化が進みつつあります。
プラチナは短期的な安定性では金に劣るものの、中長期では上昇余地の大きい金属です。
将来の値上がりを狙う成長性を重視して投資するなら、現在の時点ではプラチナのほうが高いリターンを上げられる可能性があります。
金とプラチナにはコインで投資する選択肢がある

金やプラチナに投資する方法としては、インゴットなどの地金、純金積立・プラチナ積立など、さまざま挙げられます。
そのなかでも注目すべき選択肢がコインによる投資です。
金・プラチナコインは世界各国の政府造幣局が発行しており、重量・純度・金属含有量が保証されています。
そのため、投資目的で購入しても安心感が高く、実物資産として保有しやすいのが特徴です。
また、金保有の手段としてはアンティークコイン投資も魅力的であり、金投資よりも安定した投資が期待できることが魅力になります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
貴金属店で購入できる地金型コイン
地金型コインは、金属の含有量(地金価値)を基準に価格が決まる投資用コインのことです。
金やプラチナなど貴金属の現物投資において最もスタンダードな手段であり、世界中で流通しています。
地金型コインは、国家の造幣局や公的機関が発行し、純度や重量が公式に保証されています。
そのため、国際的に信頼性が高く、貴金属店などで容易に換金できることが特徴です。
代表的な地金型コインは、カナダのメイプルリーフ金貨、オーストリアのウィーン金貨があり、どちらもプラチナコインを発行しています。
小型で持ち運びやすく、インゴットよりも低価格で現物の貴金属を購入し、投資できることから、金投資・プラチナ投資を検討している場合はおすすめです。
地金型金貨・プラチナコインの種類はこちらの記事で紹介しています。
金貨の種類とは? 地金型金貨・収集型金貨に分けて代表的な16種類のコインを紹介
人気のプラチナコインの種類は? 購入方法まで詳しく解説!
地金より安定した価値を持つアンティークコイン
アンティークコインとは、一般的に発行から100年以上が経過した歴史的なコインを指します。
各時代の王室や政府が発行した正規の法定通貨であり、歴史的背景や芸術的価値が高いことから、世界中でコレクターや富裕層に人気があります。
アンティークコインの価値は、含有する金属の重さだけではなく、希少性・歴史的背景・需要によるコレクター需要の価値が形成される仕組みです。
アンティークコインは貴金属の相場が下がっても、コレクター需要により、価格が下落しにくいという強みを持ちます。
よって、以下のようにアンティークコインの価値は、金価格と比較しても安定して推移してきました。

画像引用:Stanley Gibbons
上記のグラフは、イギリスの希少価値の高いアンティークコイン200種類を指数化した「GB200 Rare Coin Index」と金価格・株価指数の価格推移を比較したものです。
地金と比較しても、ほかの資産と比較して右肩上がりに安定して上昇していることがわかります。
よって、資産としての安定性を求めるなら金そのものを保有するよりも、アンティークコインを保有するほうが資産運用として優れているでしょう。
ただし、プラチナを材質とするアンティークコインはほとんどなく、プラチナに投資する場合は選択肢が限られることが現状です。
アンティークコイン投資について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
アンティークコイン投資入門 グレード・希少性・人気などの選び方を解説
まとめ
現状の相場では、希少性はプラチナが高いですが、資産価値は金が高い状況が続いています。
ただし、かつては資産価値ともにプラチナのほうが価値は高い状況であったため、現在の金とプラチナの価格差が大きく離れる状況が今後も続くとは限りません。
歴史的に証明されている金の価値の安定性の高さに投資する選択肢もあれば、価格差を考えてプラチナの成長性に期待して投資する選択肢もあるでしょう。
また、金への投資方法ではより安定した価値の上昇を期待できるアンティークコインに投資する選択肢もあります。
目的にあわせて比率を決め、分散しながら長期で保有することが、総合的に優れた選択肢になります。