マン島は、ブリテン島とアイルランド島の間にあるアイリッシュ海に浮かぶ小さな島になりますが、アンティークコイン収集をしている方であれば多くの人が知っている有名な島です。
なぜなら、マン島ではキャット金貨と呼ばれる地金型金貨が1988年~2012年までの25年間発行されており、描かれる動物の人気の高さと現在の時点では現実的にコンプリートが狙いやすいことから収集の対象となっています。
アンティークコインの世界では、キャット金貨で有名なマン島になりますが、キャット金貨以外にも個性的なコインが発行されているため、キャット金貨以外のコインにも目を向けてみましょう。
この記事では、マン島のアンティークコイン特集としておすすめの金貨・銀貨を紹介します。
マン島のアンティークコイン
マン島では、イギリスの一部や連邦に加入している地域ではなく、イギリスの保護下にある自治権を持った島です。
ただし、この島の所有者はマン島購入法によりイギリス王室の君主であることが定められており、独立した国でもないというきわめて特殊な事情を持っています。
マン島の代表的なアンティークコインは、マン島キャット金貨と呼ばれる猫が描かれた金貨です。
コイン自体はマン島で1700年ごろから発行が開始されており、古い年代のコインも現存していますが、地域の旗でもある三脚巴(トリスケリオン)と呼ばれる3本足の特徴的な模様が描かれています。
今回は、マン島のアンティークコイン特集としてキャット金貨を含めたさまざまな種類のコインを紹介します。
キャット金貨に絞ったアンティークコイン特集が見たい方はこちらの記事をチェックしてください。
マン島のおすすめ金貨
マン島のおすすめ金貨を紹介します。
- マン島 マンクスキャット ハーフクラウン金貨 1988年
- マン島 ツタンカーメン 黄金のマスク クラウン金貨 2008年
- マン島 エリザベス2世 1/2・1・5ポンド金貨 3枚セット 1965年
それぞれ詳しく見ていきましょう。
マン島 マンクスキャット ハーフクラウン金貨 1988年
概要 | 内容 |
発行国 | マン島 |
発行年 | 1988年 |
額面 | 1/2Crown |
直径 | 30mm |
重量 | 15.5g |
品位 | 金999/1000 |
状態 | UNC |
1988年~2012年の25年にわたって発行されたマン島キャット金貨で初めて発行されたのがこちらの金貨です。
図柄は年ごとに異なり、例えば1989年であればペルシャ、1993年であればメインクーンなど品種が異なります。
こちらに描かれている猫はマンクスキャットと呼ばれる尻尾がないことが特徴であるマン島の固有種の猫であり、この品種だけは1988年と2012年の最初と最後に図柄として2度デザインされています。
地金型金貨であることから、純金製で重量も5種類あり、発行年も新しいことからこのような金貨は基本的に地金の価値以外にプレミアが付きにくいです。
しかし、キャット金貨は2012年の発行終了から世界中で需要が高まり、アクセサリーに加工されることも多かったことから、加工前の金貨の数が徐々に数を減らし、種類によっては入手困難な金貨も出てきました。
日本国内だけでなく世界中に愛好家がいることから、コレクションでは時間が経つほどコンプリートが難しくなり、その価値は年々上昇していくことが予想されています。
現在時点においては地金型金貨であることから、図柄によっては入手しやすい場合もあるので、初めてのコイン収集にも適した初心者におすすめのコインです。
マン島 ツタンカーメン 黄金のマスク クラウン金貨 2008年
概要 | 内容 |
発行国 | マン島 |
発行年 | 2008年 |
額面 | クラウン |
サイズ | 45mm |
発行枚数 | 1,998枚 |
品位 | 金999/1000 |
状態 | Proof FDC |
こちらはツタンカーメンにちなんでピラミッド型の三角錐の金貨として発行されたピラミッド金貨です。
2008年、ツタンカーメン王の秘宝が世界中で展示されたことを記念して、マン島でクラウン金貨が999枚限定で発行されました。
ただし、他2枚(1/2クラウン金貨・1/5クラウン金貨)と3枚セットで999セットが販売されていることから合計の発行枚数は1,998枚と推定可能です。
出土品の中でも最も有名な黄金のマスクが描かれていますが、このマスクは、ツタンカーメンのミイラの顔に装着されていたもので、現在、カイロのエジプト博物館に展示されています。
コインの形状が通常とは、大きく異なる珍しい金貨となっています。
マン島 エリザベス2世 1/2・1・5ポンド金貨 3枚セット 1965年
概要 | 内容 |
発行国 | マン島 |
発行年 | 1965年 |
額面 | 1/2・1・5ポンド金貨 |
サイズ | 22~36mm |
発行枚数 | 1,500セット |
状態 | Proof FDC |
イギリス王室がマン島の支配権を獲得してから200年を記念して発行されたコインです。
ハーフソブリン、ソブリン、5ポンドの3枚セットであり、エリザベス2世の肖像とマン島の三脚巴(トリスケリオン)が描かれています。
地金価値もあり、金価格の上昇によって価値の上昇が期待可能であるマン島を象徴する貴重なコインセットです。
マン島のおすすめ銀貨
マン島のおすすめ銀貨を紹介します。
- マン島 マンクスキャット 1クラウン銀貨 1970年
- マン島 ジョージ3世 5シリング銀貨 1811年
- マン島 ニシン ½ ペニー銀貨 1980年
マン島 マンクスキャット 1クラウン銀貨 1970年
概要 | 内容 |
発行国 | マン島 |
発行年 | 1970年 |
額面 | 1クラウン |
サイズ | 38.61 mm |
重量 | 28.28 g |
発行枚数 | 15,000枚 |
品位 | 925/1000銀 |
マン島のキャットコインは金貨が有名ではありますが、1970年には1クラウン銀貨が発行されたこともあり、銀貨としても毎年発行されていました。
描かれているのはマンクスキャットであり、今回紹介した金貨とはデザインが異なりますが、尻尾がないという特徴が共通していることがわかります。
この品種は突然変異で生まれ、島という閉鎖された環境によって遺伝因子が固定されたという説が科学的には有力です。
マンクスキャットの伝説には、旧約聖書のノアの箱舟に乗り込む際に尻尾を扉に挟まれてしまった猫の子孫という説もあります。
尻尾がないことから全体的に丸みを帯びた印象が愛らしく人気のある品種です。
マン島 ジョージ3世 5シリング銀貨 1811年
概要 | 内容 |
発行国 | マン島 |
発行年 | 1811年 |
額面 | 5シリング |
サイズ | 38.61 mm |
マン島のなかでもジョージ3世の治世下にあったイギリスの時代に発行された5シリング銀貨です。
表面にはヨットと海の向こうに街が描かれています。
裏面には文字が刻まれており、ザ・ダグラス・バンク・カンパニーと書かれていますが、こちらはスコットランドにかつてあった銀行の名前になります。
マン島 ニシン ½ ペニー銀貨 1980年
概要 | 内容 |
発行国 | マン島 |
発行年 | 1980年 |
額面 | ½ ペニー |
サイズ | 17.14mm |
重量 | 2.10 g |
発行枚数 | 10,000枚 |
品位 | 500/1000銀 |
マン島の動物コインといえばキャットコインが有名ですが、実は魚のなかでもニシンが描かれた銀貨もあります。
なぜ、マン島の名産品がマンクス・キッパー(ニシンの燻製)であることからニシンはマン島を象徴する魚です。
マン島観光に訪れるならマンクス・キッパーは食べておきたいほど、地元の名産品となっています。
マン島のアンティークコインに関するよくある質問
マン島のアンティークコインに関するよくある質問をまとめました。
- マン島のアンティークコインを買うには?
- マン島の金貨・銀貨はどこで売れる?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
マン島のアンティークコインを買うには?
マン島のアンティークコインはキャット金貨を中心にコイン専門店や加工品であればアクセサリーショップなど、幅広いお店で取り扱われています。
素性の分からない個人が出品できるオークションサイトでもマン島のコイン、または加工品は出品されていますが、人気のコインであるため偽物の流通も確認されています。
金貨・銀貨を安全に購入するなら、信頼できるコイン専門店をとおして購入するのが確実です。
マン島の金貨・銀貨はどこで売れる?
マン島の金貨・銀貨は、当サイト「コインライブラリー・プリンシパル」で買取を受け付けています。
キャット金貨だけでなく、マン島をはじめとする世界中のコインの買取を受け付けているので、現金化を検討している希少なコインをお持ち込みください。
詳しくはこちらのページからお問い合わせください。
まとめ
マン島はイギリス王室が支配権を持つ自治領であるため、キャット金貨をはじめイギリス王室に関連するコインが多数発行されています。
キャット金貨だけでなく、さまざまなバラエティ豊かなコインが発行されているので、アンティークコインの収集を行うなら幅広くマン島のコインにも注目してみましょう。
アンティークコインの購入方法についてはこちらの記事をチェックしてください。