モンテネグロのアンティークコインの種類は大きく分けて、モンテネグロ王ニコラ1世のコインとナポレオンの帝政の時代にフランスの包囲下で急造されたコインの2種類が挙げられます。
ナポレオンの帝政の時代に発行された銀貨は、アンティークコインの収集テーマとして有名なナポレオン一族に関連するコインというだけでなく、製造された背景からも歴史的にも貴重なアンティークコインといえます。
また、ニコラ1世はモンテネグロ王室における唯一の王であり、発行枚数の少なさから希少性の高いコインです。
この記事では、モンテネグロのアンティークコイン特集としておすすめの金貨・銀貨を紹介します。
モンテネグロのアンティークコインについて
モンテネグロは、ヨーロッパの南東部にある共和制国家であり、ユーゴスラビア連邦共和国、セルビア・モンテネグロから独立した国家です。
日露戦争においてロシアを支援する形で日本に宣戦布告をしたものの実際には戦闘に参加しなかったことから講和することなく、セルビアと併合した後も日本とは戦争状態を継続している状態になったため、日本とは奇妙な関係を持っています。
モンテネグロのアンティークコインはモンテネグロ王室唯一の王であるニコラ1世と、ナポレオン一族に関連するコインが発行されています。
アンティークコインの種類が少ないですが、特徴的な図柄を持つコインが多いため、近年においてヘリテージオークションにも出品されており、高値で取引されました。
ナポレオン一族のアンティークコインはこちらの記事にまとめています。
ナポレオン一族の金貨を含めたおすすめアンティークコイン8選!
モンテネグロのおすすめ金貨
モンテネグロのおすすめ金貨を紹介します。
- モンテネグロ ニコラ1世 100ペルペラ金貨 1910年
- モンテネグロ ニコラ1世 ゴールデン・ジュビリー 100ペルペラ金貨 1910年
モンテネグロ ニコラ1世 100ペルペラ金貨
概要 | 内容 |
発行国 | モンテネグロ |
発行年 | 1910年 |
額面 | 100ペルペラ |
直径 | 38mm |
発行枚数 | 301枚 |
状態 | EF |
グレード | MS60 |
ニコラ1世は、モンテネグロ公の時代も含めれば実質的に1860年~1918年まで国を統治しています。
詩人としても知られており、モンテネグロの国民歌である「Onamo, ‘namo」の作詞もニコラ1世が担当しました。
第一次・第二次バルカン戦争では、オスマン帝国とブルガリアに勝利しますが、第一次世界大戦に敗れた上にオーストリア=ハンガリー帝国に占領されたことで王位を失い、モンテネグロ王室における1代限りの王となりました。
発行枚数が300枚と少ないことから、近年のヘリテージオークションの出品では状態の良い金貨が日本円に換算して1,000万円を超える価格で落札されたこともあります。
表面にはニコラ1世の右向き肖像、裏面には双頭の鷲と王冠の紋章が描かれています。
モンテネグロ ニコラ1世 ゴールデン・ジュビリー 100ペルペラ金貨 1910年
概要 | 内容 |
発行国 | モンテネグロ |
発行年 | 1910年 |
額面 | 100ペルペラ |
直径 | 37mm |
重量 | 33.87g |
発行枚数 | 500枚 |
品位 | 900/1000金 |
ニコラ1世は、1860年のモンテネグロ公の時代も含めれば1910年でちょうど即位50周年になります。
王族の即位50周年のことをゴールデン・ジュビリーと呼び、イギリスをはじめとして祝う習慣があったため、ニコラ1世の即位50周年を記念した金貨が発行されました。
しかし、ニコラ1世が正式にモンテネグロ王として即位したのも1910年であるため、即位と同時にゴールデン・ジュビリーの金貨が発行されたことになります。
月桂冠を被ったニコラ1世の左向き肖像に、裏面の紋章は通常の100ペルペラと共通していることが特徴です。
コレクター需要においては好みが分かれると思われますが、記念金貨ではあるものの、発行枚数が通常の金貨と比較して200枚ほど多いことから、オークションにおいてもこちらの金貨が安く取引される傾向にあります。
モンテネグロのおすすめ銀貨
モンテネグロのおすすめ銀貨を紹介します。
- モンテネグロ ナポレオン1世 10フラン銀貨 1813年
- モンテネグロ ナポレオン1世 1フラン銀貨 1813年
- モンテネグロ ニコラ1世 5ペルパラ銀貨 1912年
モンテネグロ ナポレオン1世 10フラン銀貨 1813年
概要 | 内容 |
発行国 | モンテネグロ |
発行年 | 1813年 |
額面 | 10フラン |
直径 | 46mm |
重量 | 59.5g |
モンテネグロの͡コトルは、かつてはアルバニアの一部でしたが、1810年代にはナポレオン率いるフランス軍の占領によりフランスのイシュリア州の一部になった背景があります。
1813年、コトルはイギリス軍の包囲下にある中、フランス軍は銀器などを素材にしてこちらの銀貨を急造したのです。
表面には、王冠とナポレオンを表すNの文字に「DIEU PROTEGE LA FRANCE(神はフランスを守る)」と刻まれています。
裏面には、マスケット銃と大砲を交差させ、その中心にレイピアのような剣が描かれており、「CATTARO EN ETAT DE SIEGE(包囲状態のコトル)」と現在の状況を記しています。
包囲状態でありながらフランス軍の士気はまったく落ちていなかったことがわかり、当時の状況を貨幣から計ることができる歴史的な銀貨であるといえるでしょう。
モンテネグロ ナポレオン1世 1フラン銀貨 1813年
概要 | 内容 |
発行国 | モンテネグロ |
発行年 | 1813年 |
額面 | 1フラン |
直径 | 19.5mm |
イギリス軍に包囲されたフランス軍は銀貨を急造しましたが、10フランよりも1フランのほうがより急造されたことがわかる簡易なデザインとなっています。
表面には王冠が描かれ、NとI・Fの文字が刻まれており、裏面にはCATTARO(コルト)と発行年、花輪が描かれています。
こちらも歴史的に大変意義のあるアンティークコインといえるでしょう。
モンテネグロ ニコラ1世 5ペルパラ銀貨 1912年
概要 | 内容 |
発行国 | モンテネグロ |
発行年 | 1912年 |
額面 | 5ペルペラ |
直径 | 36mm |
重量 | 24g |
発行枚数 | 40,000枚 |
品位 | 900/1000銀 |
ニコラ1世の肖像が描かれた1912年と1914年に発行された銀貨であり、それぞれ発行枚数が1912年が40,000枚、1914年20,000枚になります。
表面のレタリングには「 НИКОЛА I Б.М. КРАЉ И ГОСПОДАР ЦРНЕ ГОРЕ(ニコラス 1 世、モンテネグロの統治者)」と描かれています。
発行年によって多少価値は変わりますが微差であり、状態の良い銀貨に関しては一定の希少性を持っています。
モンテネグロのアンティークコインに関するよくある質問
モンテネグロのアンティークコインに関するよくある質問を見ていきましょう。
- モンテネグロのアンティークコインはどこで購入できる?
- モンテネグロの金貨・銀貨を売却する方法は?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
モンテネグロのアンティークコインはどこで購入できる?
モンテネグロはアンティークコインの収集テーマとなる国としてはメジャーではありませんが、一部のコイン専門店で取り扱われることがあります。
ごく稀に素性の分からない個人が出品できるオークションサイトで出品されることもありますが、安全性を考えて安心して取引できる相手から購入するほうが良いでしょう。
アンティークコインは、信頼できるコイン専門店で取引することをおすすめします。
モンテネグロの金貨・銀貨を売却する方法は?
モンテネグロの金貨・銀貨はコイン専門店によって買取を受け付けておらず、オークションサイトに出品してもメジャーでないため買い手が見つからない可能性もあります。
当サイト「コインライブラリー・プリンシパル」では、モンテネグロのアンティークコインを含めた世界中のコインの買取を行なっています。
買取を依頼したいコインがある場合は、こちらのページからお問い合わせください。
まとめ
モンテネグロは希少性の高いコインが揃っているので、アンティークコインに関わるさまざまな方におすすめできるコインとなっています。
ニコラ1世とナポレオン一族に関わる銀貨に興味を持った方は、価値の上昇も期待できるので収集してみるのも良いかもしれません。
アンティークコインの購入方法について詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。