モラヴィアは、現在のチェコ共和国の東部を中心に存在した国の名前であり、830年にスラヴ人によって建国されました。
9世紀の後半に全盛期を迎えた王国ではありましたが、10世紀初頭マジャール人の侵攻をうけて滅ぼされます。
発行されている銀貨はモラヴィアがボヘミアに編入された後に発行されたアンティークコインです。
この記事では、モラヴィアのアンティークコイン特集としておすすめの銀貨を紹介します。
モラヴィアのアンティークコイン
モラヴィアのミクロフの街
モラヴィアとは現在のチェコ共和国東部の地名であり、かつて存在した王国やボヘミアに編入された支配地域でした。
王国が存在したという事実が文書以外では確認できない状態に長らくありましたが、第二次世界大戦後の発掘調査により、遺跡が発見されたことから、実在する国であることが証明されました。
830年にスラヴ人によって建国されており、モイミールと呼ばれる王を立て、9世紀後半の全盛期には勢力を拡大した勢いのある国です。
しかし、東方の遊牧民族であるマジャール人の侵攻により、モラヴィア王国は大打撃を受け滅ぶことになります。
その後は同じくチェコにあるボヘミア王国に編入され、支配地域となった後にその後の歴史はボヘミア王国とともにします。
発行されるアンティークコインは、ボヘミア王国の編入後であることから、神聖ローマ帝国の皇帝をはじめボヘミア王国と同様にコインが発行されてきました。
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モラヴィアのおすすめ銀貨
モラヴィアのおすすめ銀貨を詳しく紹介します。
- モラヴィアブレチスラウス 1 世 1デニール銀貨 1028-1034年
- モラヴィア ルイトポルト 1デニール銀貨 1092-1112年
- モラヴィア スヴァトプルク 1デニール銀貨 1095-1107年
- モラヴィア オットー2世 1デニール銀貨 1110-1125年
- モラヴィア オタカル2世 1デニール銀貨 1270-1278年
- モラヴィア ヴァーツラフ2世 1デニール銀貨 1278-1300年
モラヴィア ブレチスラウス 1 世 1デニール銀貨 1028-1034年
概要 | 内容 |
発行 | モラヴィア |
発行年 | 1028-1034年 |
額面 | 1デニール |
ブレチスラウス 1 世は、1034 年から 1055 年のボヘミア公であり、チェコのアキレス腱とも呼ばれる人物です。
1029年のモラヴィア征服では、将来の妻となるシュヴァインフルトのジュディスを誘拐しています。
軍事作戦ではボヘミア法典を発行し、モラヴィアを3つに分割しました。
コインは表面の中心に円を描き、デザインと刻印を分けたデザインであり、この時代に発行された多くのモラヴィアのコインに共通しています。
モラヴィア ルイトポルト 1デニール銀貨 1092-1112年
概要 | 内容 |
発行 | モラヴィア |
発行年 | 1092-1112年 |
額面 | 1デニール |
コンラート1世の死後、モラヴィアのブルノ公国はコンラートの2人の息子に分割されたため、ズノイモ公爵の息子コンラート1世はズノイモ公国を統治した最初の公爵となりました。
ルイトポルトは1092年~1099年、1101年~1112年に至るまで公国を統治しました。
表面には建築物と十字架のように見えるデザインが描かれており、表面と裏面で共通してコインの円周を囲むように鋸歯状の模様が描かれています。
モラヴィア スヴァトプルク 1デニール銀貨 1095-1107年
概要 | 内容 |
発行 | モラヴィア |
発行年 | 1095-1107年 |
額面 | 1デニール |
スヴァトプルクとは、かつてモラヴィアを治めたボヘミアの公爵(1107年~1109年)です。
1108 年にヴルショヴィツェの貴族を皆殺しにしたことで知られており、生き残ったヴルショヴィツェの貴族の 1 人が翌年の軍事遠征で公爵を殺害しました。
表面には玉座に座る人物、裏面には馬に乗るライダーの姿が描かれています。
モラヴィア オットー2世 1デニール銀貨 1110-1125年
概要 | 内容 |
発行 | モラヴィア |
発行年 | 1110-1125年 |
額面 | 1デニール |
オットー2世は、神聖ローマ帝国の皇帝であり、28歳でマラリアのために急逝した人物です。
神聖ローマ帝国の初代皇帝であるオットー1世の後を継ぎ、版図の拡大・皇帝権の強化に力を入れました。
表面にはオットー2世の肖像が描かれ、「OTTO DVX(オットー公爵)」と彫られています。
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モラヴィア オタカル2世 1デニール銀メダル 1270-1278年
概要 | 内容 |
発行 | モラヴィア |
発行年 | 1270-1278年 |
額面 | 1デニール |
オタカル2世は、オーストリア公として在位し、ボヘミア王とポーランド王となった人物です。
神聖ローマ皇帝に選出されたハプスブルク家のルドルフ1世と対立し、マルヒフェルトの戦いで敗れました。
こちらはブラクテアートと呼ばれる平らで薄い片面にのみデザインが施されているメダルです。
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モラヴィア ヴァーツラフ2世 1デニール銀貨 1278-1300年
概要 | 内容 |
発行 | モラヴィア |
発行年 | 1278-1300年 |
額面 | 1デニール |
ヴァーツラフ2世はオタカル2世の息子であり、父王と同様にボヘミア王とポーランド王になりました。
マルヒフェルトの戦いに敗北した影響で、当初はボヘミア王国とモラヴィアの継承しか許されませんでしたが、父王の時代の権力を取り戻すための銀貨や銅貨による貨幣統一政策からはじめ、ポーランドの支配権を取り戻すことに成功します。
オタカル2世と同様にブラクテアートの形式で通貨を発行しました。
モラヴィアのアンティークコインに関するよくある質問
モラヴィアのアンティークコインに関するよくある質問をまとめました。
- モラヴィアのアンティークコインはどこで購入できる?
- モラヴィアのアンティークコインを売却する方法は?
それぞれ詳しく解説します。
モラヴィアのアンティークコインはどこで購入できる?
モラヴィアのアンティークコインは、年代が古いこともあり、アンティークコインを中心に取り扱うコイン専門店でも取り扱われのは稀です。
海外を含めたオークションサイトなど入手方法はありますが、出品者の素性や信頼性などを判断して、購入するようにしてください。
モラヴィアのアンティークコインを売却する方法は?
モラヴィアのアンティークコインは当サイト「コインライブラリー・プリンシパル」を通して売却可能です。
モラヴィアに限らずボヘミアやチェコなど世界中のアンティークコインの買取をおこなっています。
詳しくはこちらのページからお問い合わせお願いします。
まとめ
現在のチェコに存在したモラヴィアのアンティークコインは、ほとんどアンティークコイン市場には出ていません。
アンティークコインは年代が古いほど状態のいいコインを含めてコインの総数が少なくなるため、希少性を持ちやすくなりますが、紀元前のコインを除いて16世紀以前のコインは流通数が少なくなっているため、実際に入手するのは難しいといえるでしょう。
アンティークコインの購入方法はこちらの記事で紹介しています。