ルーマニアは非常に多種多様な民族によって形成された国家であり、その性質は発行されるアンティークコインにも希少性を与えています。
多くの民族が行き来をするということはお金もまた循環するということであり、ルーマニアではフランスをはじめとする外国の通貨がしていました。
ルーマニア造幣局で発行された金貨の発行量は少なく、推定されている枚数よりも実際に流通した金貨は少ないのではないかと考えられているため、希少性の高い金貨・銀貨が多くあるのです。
この記事では、ルーマニアのアンティークコイン特集としておすすめの金貨・銀貨を紹介します。
ルーマニアのアンティークコインについて
ルーマニアは、ヨーロッパの東部に位置する共和制国家であり、多種多様な民族によって形成された国家になります。
ブラム・ストーカーの小説『ドラキュラ』に登場する吸血鬼・ドラキュラ伯爵のモデルの一人になったヴラド3世(ヴラド・ツェペシュ)は後世においても歴史に残るルーマニアの有名な人物です。
ルーマニアのアンティークコインを注目するべき理由は、多民族国家であるがゆえに自国の通貨であるルーマニア・レイがあまり流通しなかったことを理由に発行された金貨の希少性が高まっている点になります。
自国の通貨の発行枚数は少ないもののデザインには凝っており、コイン収集家の間でも一定の需要がある人気のコインです。
収集はもちろん、アンティークコイン投資の投資先としても検討できる金貨・銀貨となっているので、ルーマニアのコインはアンティークコインに関わるなら注目しておきたいところです。
ルーマニアのおすすめ金貨
ルーマニアのおすすめ金貨を紹介します。
- ルーマニア フェルディナンド1世 100レイ金貨 1922年
- ルーマニア カロル1世 治世 40 周年 50レイ金貨 1906年
- ルーマニア 国家創設2050周年記念 500レイ金貨 1982年
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ルーマニア フェルディナンド1世 100レイ金貨 1922年
概要 | 内容 |
発行国 | ルーマニア |
発行年 | 1922年 |
額面 | 100レイ |
直径 | 35mm |
重量 | 32.25g |
発行枚数 | 30,000枚 |
品位 | 900/1000金 |
状態 | UNC |
フェルディナンド1世は、ルーマニア政府を前に私は善良なルーマニア人として統治すると宣言した愛国心が強いことで知られるルーマニア国王です。
1914年に即位しましたが、第一次世界大戦中であったことから記念金貨を発行できず、1922年に発行されたことになっています。
実際には1927年にフェルディナンド1世が崩御した後の1928年に発行されたという説や、発行枚数も30,000枚と記録されていますが、実際に流通した量はさらに少ないと考えられているようです。
よって、数少ない流通金貨で状態が良く希少性の高いコインとなっているので、ルーマニアの金貨のなかでも要注目になります。
ルーマニア カロル1世 治世 40 周年 50レイ金貨 1906年
概要 | 内容 |
発行国 | ルーマニア |
発行年 | 1906年 |
額面 | 50レイ |
直径 | 35mm |
重量 | 16.13g |
発行枚数 | 28,000枚 |
品位 | 900/1000金 |
カロル1世は初代ルーマニア国王であり、次の国王であるフェルディナンド1世は甥にあたります。
カロル1世の治世が始まってから40 周年を記念して発行された金貨であり、表面にはカロル1世のバストまで描かれた左向き肖像、裏面には乗馬をするカロル1世の全体像が描かれています。
ヘリテージオークションの記録では、状態の良い金貨であれば9,000ドルを超える価格で落札されるほど高い希少性を持っています。
ルーマニア 国家創設2050周年記念 500レイ金貨 1982年
概要 | 内容 |
発行国 | ルーマニア |
発行年 | 1982年 |
額面 | 500レイ |
直径 | 25mm |
重量 | 8g |
品位 | 900/1000金 |
ダキアとは現在のルーマニアに位置するかつて古代ローマの属州であった地域であり、ダキアが国家として独立してから2050年を記念して製造された金貨になります。
コインにはかつての古代ローマ人とダキア人たちの戦いが描かれており、額面の上に書かれているのはルーマニアの紋章です。
ルーマニアの起源ともいえるダキアの建国を記念した金貨であり、正確な発行枚数は不明ですが、1982年と1983年しか発行されておらず、枚数は1,000枚程度とされています。
ルーマニアのおすすめ銀貨
ルーマニアのおすすめ銀貨を紹介します。
- ルーマニア ミハイ1世 100,000レイ銀貨 1946年
- ルーマニア カロル2世 100レイ銀貨 1932年
- ルーマニア FIFAワールドカップ 100レイ銀貨 1998年
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ルーマニア ミハイ1世 100,000レイ銀貨 1946年
概要 | 内容 |
発行国 | ルーマニア |
発行年 | 1946年 |
額面 | 100,000レイ |
直径 | 37mm |
重量 | 25g |
発行枚数 | 2,002,000枚 |
品位 | 700/1000銀 |
ミハイ1世は、ルーマニア王国の最後の国王であり、血縁上はヴィクトリア女王の玄孫にあたります。
第二次世界大戦の戦況により退位と亡命生活を余儀なくされますが、共和国となってからルーマニアに帰国できた君主であり、政府との仲も良好であったことから、君主制でなくなったにもかかわらず2016年に崩御するまで陛下と呼ばれました。
表面にはミハイ1世の右向き肖像、裏面には女性が手に乗っている鳥を放す様子が描かれています。
ルーマニア カロル2世 100レイ銀貨 1932年
概要 | 内容 |
発行国 | ルーマニア |
発行年 | 1932年 |
額面 | 100レイ |
直径 | 31mm |
重量 | 14g |
品位 | 700/1000銀 |
カロル2世はカロル1世の息子であり、その整った顔立ちから名うてのプレイボーイとして知られており、愛人を多く作った好色家の君主でした。
表面にはカロル2世の右向き肖像、裏面には紋章を掲げたワシの国章がリースに囲まれています。
パリ造幣局でも一定数のコインが発行されており、発行された造幣局や状態によって価値が変わってきます。
ルーマニア FIFAワールドカップ 100レイ銀貨 1998年
概要 | 内容 |
発行国 | ルーマニア |
発行年 | 1998年 |
額面 | 100レイ |
直径 | 37mm |
重量 | 27g |
発行枚数 | 5,000枚 |
品位 | 925/1000銀 |
1998年、フランスでFIFAワールドカップが開催された記念にルーマニアで発行された銀貨になります。
ルーマニアの国章とゴールを背景に額面が記載されていますが0の代わりにサッカーボールが描かれています。
裏面にはフランスの象徴であるエッフェル塔とその裏にサッカーボールが描かれる特徴的なデザインです。
スポーツ好きの方など特定の層に需要がある銀貨となっています。
フランスのアンティークコインについて詳しく知りたい方はこちらの記事をチェックしてください。
フランス アンティークコインの歴史と価値【12種のコイン・メダル】
ルーマニアのアンティークコインに関するよくある質問
それでは、ルーマニアのアンティークコインに関するよくある質問を見ていきましょう。
- ルーマニアのアンティークコインを購入する方法は?
- ルーマニアの金貨・銀貨を売却したい
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ルーマニアのアンティークコインを購入する方法は?
ルーマニアのアンティークコインは、コイン専門店を中心に取り扱われています。
オークションなどでも落札できますが、素性の分からない個人が出品できるオークションサイトで購入するのは、偽物や相場よりも極端に高い出品であるリスクが高いためおすすめしません。
アンティークコインは信頼できる保証が手厚いコイン専門店で購入することを推奨します。
ルーマニアの金貨・銀貨を売却したい
ルーマニアの金貨・銀貨は当サイト「コインライブラリー・プリンシパル」で買取を受け付けています。
当サイトではルーマニアに限らず世界中のアンティークコインが買取の対象となっているので、現金化したいコインがありましたらお持ちください。
詳しくはこちらのページからお問い合わせお願いします。
まとめ
ルーマニアの金貨は、国の状況から造幣局から発行された枚数が少なく希少性が高い傾向にあります。
デザインも優れたものが多いので、コレクター・投資家を問わず要注目のアンティークコインが揃っているので、気になるコインがあれば購入も検討してみましょう。
アンティークコインの購入方法についてはこちらの記事で紹介しています。