ホーム コラム ロシアのルーブル金貨・銀貨5選【ルーブル硬貨の価値と歴史】

公開日 2022.5.18更新日 2022.5.18

ロシアのルーブル金貨・銀貨5選【ルーブル硬貨の価値と歴史】

ロシアのルーブル硬貨は、大きく分けてロシア帝国・ソビエト連邦・ロシア連邦の3つの時代に分けられます。

特にロシア帝国時代のコインがコレクターの間で収集の対象になっており、ピョートル1世や、ニコライ2世などのインペラートル(ツァーリ)が描かれたコインが人気です。

この記事ではロシアのルーブル金貨・銀貨を5つ紹介し、その歴史についても詳しく解説します。

ロシア コインの歴史

ロシア コイン 歴史

モスクワの風景

現行通貨であるロシア・ルーブルは、1930年頃に設定されましたが、ルーブルという通貨単位自体はロシア帝国と旧ソビエト連邦の時代から使用されています。

そのため、ロシアのルーブルコインの歴史は1720年代から現代まで長く続いているのです。

それでは、ロシアのコインの歴史を見ていきましょう。

ロシア帝国時代のルーブル硬貨について

ロシア帝国 ルーブル硬貨

ロシア帝国の双頭のイーグル

1721年~1917年まで存在したロシア帝国では、君主のことをインペラートル(ツァーリ)と呼び、君主の肖像を描いたルーブル硬貨が発行されていました。

ロシア帝国における歴代の君主を下記にまとめました。

君主 統治期間
ピョートル1世 1721年~1725年
エカチェリーナ1世 1725年~1727年
ピョートル2世 1727年~1730年
アンナ・イヴァノヴナ 1730年~1740年
イヴァン6世 1740年~1741年
エリザヴェータ・ペトロヴナ 1741年~1762年
ピョートル3世 1762年
エカチェリーナ2世 1762年~1796年
パーヴェル1世 1796年~1801年
アレクサンドル1世 1801年~1825年
ニコライ1世 1825年~1855年
アレクサンドル2世 1855年~1881年
アレクサンドル3世 1881年~1894年
ニコライ2世 1894年~1917年

1800年にフランスと同様に金本位制を採用したため、この時代では金貨が多く発行されました。

ロシアのルーブルコインで収集の対象になるのは、基本的にはロシア帝国時代の貨幣であり、なかでも最初のインペラートルのピョートル1世、最後のインペラートルであるニコライ2世のコインが多く流通しています。

ソビエト・ルーブルとコペイカ銀貨

ソビエト・ルーブル

シベリア半島の景色

1922年~1991年まで存在した社会主義国家ソビエト連邦において、ソビエト・ルーブルが誕生しました。

このときルーブルの補助通貨として、コペイカが誕生し、コペイカ銀貨の価値は100分の1ソビエト連邦・ルーブルとなりました。

ソビエト・ルーブルの種類は7期に分けられるので、下記に年代ををまとめました。

種類 期間
ソビエト・ルーブル(プロトタイプ) 1922年以前
第2ソビエト・ルーブル 1922年1月1日~1922年12月31日
第3ソビエト・ルーブル 1923年1月1日~1924年3月6日
第4ソビエト・ルーブル 1924年3月7日~1947年
第5ソビエト・ルーブル 1947年~1961年
第6ソビエト・ルーブル 1961年~1991年
第7ソビエト・ルーブル 1991年〜 1993年

ソビエト・ルーブルは、ソ連崩壊後もロシアを含む旧ソ連構成国で数年ほど使われ続いていたようです

ロシアにおいて再びロシア・ルーブルに置き換わったのは1993年のことになります。

1993年以降のロシア・ルーブル

ロシア ルーブル 現在

1993年以降、ロシア中央銀行から5種類のルーブル硬貨が発行されることとなります。

  • 50ルーブル
  • 20ルーブル
  • 10ルーブル
  • 5ルーブル
  • 1ルーブル

このときソビエト・ルーブル時代のコペイカは廃止になりましたが、1998年代に復活しました。

しかし、2022年現在においてコペイカはあまりにも価値が低いことから実際の市場では流通しておらず、実質的に廃止となっている状態にあります。

ソ連崩壊後のロシア・ルーブルは発行年数が新しいことから、基本的には一部の記念貨を除きコレクションの対象になりにくい通貨です

ロシアの希少品であるルーブル金貨2選

それでは、ロシアの希少性の高いルーブル金貨を紹介していきます。

  • ピョートル1世 2ルーブル金貨 1721年
  • ニコライ2世 5ルーブル金貨 1902年

ピョートル1世 2ルーブル金貨 1721年

ピョートル1世 2ルーブル金貨 1721年 ピョートル1世 2ルーブル金貨 1721年

発行国 ロシア
発行年 1721年
額面 2ルーブル
グレード
直径 20mm
重量 不明
品位 不明
発行枚数 不明
状態 VF+

ピョートル1世はロシア帝国の初代インペラートルであり、スウェーデンからバルト海海域の覇権を奪取し、大北方戦争に勝利しています。

身長203cmを超える大男で、皇帝でありながら腕のいい歯科医でもありました。

ピョートル1世の胸像を描いた2ルーブル金貨は服装だけで4パターンあり、裏面にはイエスキリストの使徒の一人である聖アンドリューが描かれています。

市場に出回ることが少ない希少価値の高い金貨であり、状態がVF+であっても高い価格で取引されます。

ニコライ2世 5ルーブル金貨 1902年

ニコライ2世 5ルーブル金貨 1902年

発行国 ロシア
発行年 1899年
額面 5ルーブル
グレード
直径 18mm
重量 4.3g
品位 不明
発行枚数 不明
状態

ニコライ2世は、ロシア帝国における最後のインペラートルであり、ロシア革命により銃殺されました。

イギリス国王ジョージ5世とは従兄にあたる関係でもあります。

ニコライ2世の左向き肖像に、裏面にはロシア帝国の紋章である双頭のイーグルが描かれています。

ロシアのおすすめルーブル銀貨3選

次にロシアでおすすめのルーブル銀貨を紹介します。

  • エカチェリーナ2世 1ルーブル銀貨 1774年
  • アレクサンドル3世 1ルーブル銀貨 1893年
  • モスクワオリンピック 10ソビエト・ルーブル銀貨 1979年

エカチェリーナ2世 1ルーブル銀貨 1774年

エカチェリーナ2世 1ルーブル銀貨 1774年

発行国 ロシア
発行年 1774年
額面 1ルーブル
グレード
直径 37mm
重量 23.1g
品位 不明
発行枚数 不明
状態

エカチェリーナ2世は、ピョートル3世の夫でしたが、クーデターにより即位した女帝です。

ロシア帝国でも最長の在位期間であり、啓蒙専制君主として教育改革を中心に進めました。

表面にはエカチェリーナ2世の右向き肖像、裏面にはロシアの紋章が描かれています。

アレクサンドル3世 1ルーブル銀貨 1893年

アレクサンドル3世 1ルーブル銀貨 1893年

発行国 ロシア
発行年 1893年
額面 1ルーブル
グレード
直径 33mm
重量 19.74g
品位 不明
発行枚数 不明
状態

アレクサンドル3世は、ニコライ2世の父であり、兄が病気で早世したことから皇太子となり、父親の暗殺により国王になった人物です。

臨時措置令を公布して革命派を厳しく弾圧し、反改革を推し進めました。

アレクサンドル3世の右向き肖像に他のルーブル硬貨と同様に双頭のイーグルが描かれています。

モスクワオリンピック 10ソビエト・ルーブル銀貨 1979年

モスクワオリンピック 10ソビエト・ルーブル銀貨 1979年 モスクワオリンピック 10ソビエト・ルーブル銀貨 1979年

発行国 ロシア
発行年 1979年
額面 10ルーブル(ソビエト・ルーブル)
グレード
直径 38mm
重量 33g
品位 不明
発行枚数 不明
状態

ソビエト・ルーブルの記念貨には、モスクワオリンピックを記念して造られた銀貨があります。

上記の銀貨は一例であり、他にもさまざまなバリエーションが存在し、記念貨として一定の価格で取引されているようです。

ソビエト・ルーブルを収集するならモスクワオリンピックは大きなテーマとなっています。

ロシアのアンティークコインに関するよくある質問

それでは、ロシアのアンティークコインに関するよくある質問をまとめました。

  • ロシアのパラジウム貨について詳しく教えてください
  • ロシアの希少なルーブル金貨・銀貨の取引ができる場所は?

それぞれ詳しく解説します。

ロシアのパラジウム貨について詳しく教えてください

ロシア パラジウム貨

パラジウム(Pd)とは、白金元素の1つに分類される貴金属であり、ロシアはパラジウムの生産量が高い地域です。

自動車排ガス触媒銀歯用合金など産業用金属として使用されることが多いですが、ジュエリーや貨幣にも使用されることがあります。

ロシアで発行されたパラジウムで作られたルーブルは一定の価値を有しています。

そのなかでも代表的なコインは、1990年代に盛んに発行されたバレリーナが描かれたソビエトルーブルです。

パラジウムは限られた資源であることから、金と同様に世界情勢により価格が変動し、特にプラチナの価格変動と密接な関係がある貴金属になります。

パラジウム貨の価値はパラジウム価格に連動することから、金価格に連動する投資用コイン地金型金貨に近い側面があります。

ロシアの希少品であるルーブル金貨・銀貨の取引ができる場所は?

コインライブラリー・プリンシパル

ルーブル金貨・銀貨は、発行される年代によってもその希少性は異なりますが、ロシア帝国時代に発行されたコインはレア度が高いといえるでしょう。

ロシアのルーブル貨を購入したい方と、すでにルーブル貨をお持ちで売却したいと考える方は当サイト「コインライブラリー・プリンシパル」の利用を検討しましょう。

ロシアを含めた世界中のコインの購入・売却を行なえます。

当サイトにお手持ちのコインを出品することもできるので、詳しくはこちらのページをご参照ください。

まとめ

ロシアのルーブル金貨・銀貨について紹介し、その歴史について解説しました。

ロシア・ルーブルは発行された時代によって価値が大きく異なるので、アンティークコイン投資に利用したい方は希少性のあるコインを探すことが重要です。

おすすめはロシア帝国時代に発行されたコインであるため、インペラートルが描かれたコインから探してみるとよいでしょう。

ロシアのコインを購入・売却する

紹介したコイン

  • ロシア

    ロシア ピョートル1世(1682-1725) 2ルーブル金貨 1721 FR91 KM158.5 (VF+)

    SOLD OUT

    ー 円

この記事の著者

アンティークコイン ジャーナル編集部

英国王室シリーズから古代コインまで、幅広い年代のコインの紹介だけではなく、試鋳貨、造幣局による違い、彫刻家、リストライク、などアンティークコインの魅力や楽しめる知識をフラットに情報提供している。編集長は、英国王室コインと、動物コインシリーズが好き。

アンティークコイン ジャーナル編集部

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